322．山下久美子 'LOVIN' YOU'

【"SWEETS"】

　
　1980年代に「総立ちの女王」の異名をとどろかせた山下久美子さん。
彼女のアルバムから一つ選ぶとすれば、この"SWEETS"です。このアル
バムはたんなる「ベスト・オブ」的なものではなく、"LOVE BALLADS
COLLECTION "です。彼女はその後、1986年に当時BOØWY のギタリスト
であった布袋寅泰氏と結婚。1980年代後半に"1986"、"POP "、そして
"Baby Alone"と、二人による「３部作」をリリースしました。

　彼女がブレイクしたのは、1982年。あの「赤道小町ドキッ」です。
この曲は細野晴臣氏が作曲、高橋幸宏氏がドラムを叩いていますが、
あの独特な「キュートな声」は、この頃からだったかなぁ。1981年に
リリースされた「とりあえずニューヨーク」の頃のイメージからする
と、かなり革新的でした。

　さて。恒例の「お気に入り」です。あまり芳しい評価を得ていない
ようですが、わたしはこれ。"SWEETS"に収録された'LOVIN' YOU'です。
1980年代に入り、曲の作風やアレンジがやや複雑になっていく中で、
この曲はどこまでも「シンプル」であり「ピュア」です。そして山下
久美子さんの「声」が、そのイメージに見事に溶け込んでいます。

　この曲がシングルでリリースされたのが1983年12月。その年は"THE
POLICE "の'EVERY BREATH YOU TAKE 'が流行りましたが、曲調、アレ
ンジ面で影響を受けていないとも言えません。その「見つめていたい」
ですが、「CREEPY（＝粘着系）な曲」だという見方もあるそうです。
ふ～ん・・・。そんな見方もあるんだ・・・。「見つめていたい」は
夜中の３時から４時の間に、車で突っ走りながら聴きたい曲なのです。

　'LOVIN' YOU'はいかがでしょうか。

　Everyday・・・ 一秒ごと
　愛しているよ・・・ lovin' you

　Every where・・・　どこにいても
　見つめているよ・・・ lovin' you

　Every way・・・　心のまま
　感じているよ・・・ lovin' you　

「ホントの気持」「あなただけ」・・・。

「ピュア」な世界でいいじゃん。