589．修理・保全・メンテナンス

　証券取引不能、ＪＲ信号機故障、航空機運航不能・・・。

　企業・団体にとって情報システムが業務遂行に不可欠なインフラに
なっている現在、その社会的責任は重要である。しかし、そのメカニ
ズムは永年の改良に改良を加えもはや複雑になっており、何かの目的
で改変したりあるいは新たにしくみへ移行しようとすると多大な労力
を必要とする。いや、多大な労力をかけても、「的確に」移行できれ
ばよい。しかし、そこには「間隙」が存在する。何をもって「十分」
なのか、判断ができないのだ。

　事態は情報システムに留まらない。製商品を販売したりサービスを
提供した後、いわゆる「アフター・フォロー」である。例えば、冷蔵
庫や洗濯機などはもはや生活に不可欠である。また最近ではテレビが
大型化している。何がいいたいか。これらの家電は購入した店舗への
持ち込みができない。「メーカー・お客様相談室」等へ問い合わせる
わけである。そこでの応対はどうであろうか。また、修理のサービス
マンの応対はどうであろうか。

　これから夏場である。もしもエアコンが故障したら・・・。社会的
レベルではないが、当事者の家庭にとっては深刻な問題である。また
ガス・ヒーター等、その「瑕疵」によって生命の危機が発生するケー
スもある。

　「症状を把握し、それを提供元（製造元）へ的確に伝え、その症状
に対する処方箋を的確に下す・・・」。そんなプロセスが的確にまわ
っているのだろうか。

　モノやコトはあふれている。現在、そして将来へ向けて、それらの
モノの製造やコトの実施に関する無形資産を、いかに共有し次世代へ
伝達していくのか。喫緊の課題であろう。


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