【ALBUM 『招待状のないショー』】
中学生の頃、友人の家に遊びに行くと、勉強部屋には豪華な「コン
ポーネント」が置いてあった。そこから出てくる「音」は"Hi-Fi "の
世界。「すごいなあ」。この頃、日本のミュージック・シーンでは、
従来の「フォーク」が「ニュー・ミュージック」に進化し分類されて
いた。
そんな中でインパクトの強かったのが井上陽水であった。私は楽曲
を聴く際、どちらかというと「詩作」よりも「メロディ」「リズム」
「ハーモニー」(音楽の三大要素)から入る傾向にあるのだが、その
私が「詩作」に注目してしまったのが、「枕詞」と「結詞」(むすび
ことば)である。
※中学生の私はその頃、詩の意味をとらえる「人生経験」も乏し
かったのです(当たり前か!?)。ただ、エレクトーンやソル
フェージュを習っていた経験はあったので、「楽曲」を聴く際
に「音」を頼りに「曲」から入っていったのでした。そんな中
でこの曲と出会い、その「詩」に強烈な衝撃を受けたのです。
そこで、それを契機に、理解できる範囲で「詩」の意味を最初
からとらえようと努力しだしたのです。もちろん、それは今だ
からそう言えるのですね。なにせ、小学生時代のGS・歌謡曲
ましてや、英語のビートルズという流れで中学生ですもんね♪
(★→こちらをご覧ください。)
この後、高校生になり、混声四部合唱、宗教音楽やクラシック
さらにはフュージョン(まさに!)と、いろいろな分野の音楽
と接する機会が増え、さらに感動しました。その内容につきま
しては、このブログの"Music "カテゴリをご覧くださいませ。
「枕詞」と「結詞」は、いわば「モチーフ」と「その展開」という
関係にある。『招待状のないショー』の3曲めに、「枕詞」が登場し
演じられる。キーは「C#m」。アコースティック・ギターにバイオ
リンというシンプルな編成がよい。
浅き夢 淡き恋
遠き道 青き空
なんと簡潔で、心打つ言葉であろうか。この「古語」のような世界
は、聴き手に無限のイメージを喚起させてくれる。もしも
「この詞をもとに、絵を描いてみてください」
と言われたら、どのような絵を描くであろうか。そんな楽しみがある。
そして『招待状のないショー』のエンディング、13曲めに「結詞」
が登場する。モチーフの展開によって、このアルバムのトータル性が
強調されている。音の構成も、ぶ厚くなっている。キーは「Bm」だ。
迷い雲 白き夏
ひとり旅 永き冬
テーマの展開の後、冒頭のモチーフが繰り返される。ゆったりした
「3パートのコーラス」だ。なんと感動的なフィナーレであろう。
◇◆◇
蛇足ながら、「枕詞」も「結詞」もカラオケで・・・というわけに
はいかないね。このアルバムの中の定番は、「青空、ひとりきり」。
詩とメロは野球で言えば投打。2つがかみ合って初めていい曲になります。
それも単にそれぞれが良いのではなくお互いが良さを引き出し合わないと。
ボクは作詞にコンプレックスを持っていたので余計詩に聞き入ってしまうのかもしれません。
本文、言葉足らずでしたね。すみません♪
「補足説明」を加筆しておきました。
ご確認ください。(^^)
>詩とメロは野球で言えば投打。2つがかみ合って初めていい曲になります。
その通りです♪
>それも単にそれぞれが良いのではなくお互いが良さを引き出し合わないと。
まったくその通りです♪♪
私が書いたのは
「詩作」よりも「メロディ」「リズム」
「ハーモニー」から入る傾向にあるということであって
「詩」を無視しているわけではないのですね。(^^)
ただ、私の場合、曲によってはその詩のもつ「深い意味や背景」等は
1回聴いただけは十分に理解できないのですよね。
そこで、何回も聴いてそれらを味わっていくことによって
その作品の本質に迫っていける
(それでもわかっていない点はあるという認識)
のではないかというのが私の考えなのです。