【BEATLES in Candlestick Park】
ビートルズはキャピトル・レコード本社での記者会見を終えた後、
ひとり残りたいというブライアン・エプスタインを残し、サンフラン
シスコへ飛んだ。チャータ機の中でビートルズは「ツアーの終わり」
を祝し、ロウソクを灯して特別な食事をとった。ツアーの前座を務め
たリメインズのリーダー、バリー・タシアンは、「4人から伝わって
くる雰囲気は、これが最後のショーになることを予感させるものだっ
た。もうすぐ家に帰れるのだと、見るからにホッとしていた」と言う。
さて。インタビューの続きである。
(※J:ジョン,P:ポール,G:ジョージ,R:リンゴ)
◇◆◇
6.ツアーの継続
記者:KAXKのフレッド・ポールです。バブルが弾けたらどうする
つもりですか?
4人:(笑)
J:個人的なジョークだよ。彼(フレッド・ポール)は、ボクらのど
の記者会見でも、盛り上げるためにいつも同じことを聞いているんだ
よ。
記者:来年またツアーをやりますか?
J:ブライアン(エプスタイン)に聞いてくれ。やるかもしれないね。
P:そうかもね。フレッド、ブライアンが全部やってくれるよ。
J:もういいかい、フレッド。
7.「エリナー・リグビー」
記者:'Eleanor Rigby 'について質問してよろしいでしょうか。動機
と発想は何から生まれたのですか?
J:ふたりのホ○から。(会場で笑いがわく)
J:ふたりのBarrow boys (露店商人の意だが異なる意あり)。
P:おいおい、この会見、ひどくなってきているぞ。
8.替え玉
記者:ビートルズの替え玉を使ったことはありますか?おとりとして
・・・。
R:ない。
J:ない。
P:ブライアン・エプスタインをおとりにしようとしているん
だけれど、彼、やろうとしないんだ。(笑)
9.「消えた恋」
記者:リンゴ、質問です。'What Goes On'を作曲したときの、あなた
の役割はどれくらいだったのですか? 「レノン=マッカートニー」
の他の作品にも関わっていますか?
R:う~ん、'What Goes On'では5文字くらいかな。それから、やっ
ていないよ。(笑)(会場笑い声)
10.ビートルズ作品のカバー
記者:ジョンとポールにお聞きします。おふたりはたくさん曲を作っ
ていて、他の人があなた方の曲を盗んだり、または買ったりしていま
すね。エラ・フィッツジェラルドや、ボストン・ポップスが、異なる
アレンジで歌ったり演奏しているのをラジオやレコードなどで聴いた
とき、自分の作品が使われたり、彼らのスタイルに合わせて変えられ
たりしていることについて、どう思いますか?
P:彼らは盗んでなんかしていないよ。
記者:ええ、わかっています。
P:今、あなたは盗んだって言ったよ! ボクが言いたかったのは、
ほら、一度曲ができて出版されたら、誰が演奏したってかまわないん
だよ。だから、気に入るかどうかは、その演奏や歌がボクらの趣味に
あっているかどうかによるね。
記者:では、このようにお聞きしましょう。ビートルズの歌をいちば
んうまく歌うのは誰だと思いますか?
J:ボクたち。
記者:誰ですか?
J:ボクたちさ。
◇◆◇
つづく
まさに最後のコンサートで撮影された4人の写真ですね。
10年ちょっと前に「ビートルズがアイドルをやめた日」
と言う本が刊行された際に、当時の彼らが何を考えて
日々のコンサートに接していたかを思い出しました。
rubber_soul_jp 様もご存知かとは思いますが、
このツアーでは新作「リボルバー」が発売されて
いたにもかかわらず、独・日・比公演と変わりばえの
ない選曲であり、彼らの心中を察するに余りありました。
そう言えばこの日のみ、ラストが「アイム・ダウン」ではなく
「ロング・トール・サリー」だったようですね…
文字通り"LAST LIVE SHOW"となった1966年8月29日。
'Long Tall Sally'は予定のパフォーマンスだったのでしょうか・・・
ダブル・カジノが奏でる「のっぽのサリー」
聴いてみたいですね。