らば~そうる “IN MY LIFE”

旅、音楽、そしてスポーツのこと。過去、現在、そして未来のこと・・・「考えるブログ」。

512.ビートルズ・アコギな世界

2007-04-01 | 12.THE BEATLES
【お揃いのJ-160EをもつJOHN LENNONとGEORGE HARRISON】

 「もしも」という話は過去の事実を語る上でご法度な面があるが、
お許しを。もしも、ビートルズがデビュー当時にアコースティック・
ギターを採用していなかったら、各々の楽曲はどのようなイメージに
なっていたのだろうか。具体的には、デビュー曲の‘Love Me Do’が
どのような曲になっていたのだろうかということである。

 さすがにその点、プロデューサーのジョージ・マーティン氏は看破
していたのであろう。ビートルズの「ソフト」な面の才能を見抜き、
アコースティック・ギターを彼ら(ジョンとジョージ)に調達させた
のである。デビュー当時、ギターを担当していたジョンとジョージが
最初に手にしたアコギ。それは、Gibson J-160E であった。

 J-160Eは、アコースティック・ギターの分類ではあったが、現在の
「エレアコ」の元祖ともいえる存在であった。その理由は、「ピック
アップ」が実装されているからである。J-160Eは、生で弾くとアコギ
の音色であり、アンプに通すとエレキに近い音色を得ることができる。
生の音色は特徴的であり、いわゆる「鳴る」ギターではない。しかし
低音の響きが抑えられているために、アンサンブルの中で前面に出て
くる特性をもっている。

 アンプを通した音は“HELP! ”で2曲集中して聴くことができるが
これは特筆すべき事実である。‘You're Going To Lose That Girl’
と‘Tell Me What You See’がそれであるが、この事実は単なる偶然
であろうか。いずれにしても、「アンプを通した音」は、この2曲の
曲想を決定づける重要な要素になっていると感じる。決定プロセスに
興味がある。事実解明を待つことにしよう。

 いっぽう、ポールのアコギといえば、‘Yesterday ’であまりにも
有名なEpiphone TEXANと“THE BEATLES ”で多用される Martin D-28
である。ジョンもD-28を使用した。D-28の音色はJ-160Eとは異なり、
「ディス・イズ・ジ・アコギ」ともいうべき、スタンダードなもので
ある。仮に両者の代表的な曲を「コード・ストローク奏法」における
比較としてあげるとすれば、J-160Eは‘I'm Only Sleeping ’、D-28
は‘All Together Now’であろうか。この記事をお読みになって興味
を感じられた方は、この2曲を各々のアコギの音色に着目して、ぜひ
聴き比べてみていただきたい。


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2 Comments

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I feel fine (タケチャン)
2007-04-02 00:28:20
I feel fineのフィードバックからイントロの、間奏のアルベジオは、ジョンのJ-160Eをアンプに通した音と思ってましたが、いかがでしょう。
手持ちの資料で確認できず。

マーチンは、ドレッドノートという独特の形といい、ナチュラルフィニッシュにこだわったところといい、アコギの鳴りを極めてますね。やっぱりなんといってもBlack Birdでしょうか。
返信する
同感です (らば~そうる)
2007-04-02 01:09:17
to:タケチャンさん

‘I Feel Fine’はまったくおっしゃる通りです。
1964年10月18日に‘I'll Follow The Sun’と
レコーディングされています。
この時の編成は、ジョージのテネシアン、ジョンの
J-160E、そしてポールのヘフナーです。
同曲は、日本公演のカジノの印象が強いのですが
間違いなくレコードはJ-160Eの音ですね。
確かに4分の3スケールのリッケンバッカー325の
ほうが運指的には弾きやすいため
325だと特定している文献も存在します。
しかし325ではあのような大音量のフィードバックを
得ることが難しいのです。
この効果は、J-160Eに実装されているP-90という
高出力のピックアップの賜物とされています。
日本公演で使用したカジノのピックアップも
同じP-90が実装されている点はたんなる偶然では
ないと思います。

‘Blackbird’について、コード弾きとの比較条件
抜きであれば
わたしもタケチャンさんと同様、「一押し!?」
です。
返信する

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