
塩野七生 著 「ローマ人の物語 41~43 ローマ世界の終焉[上・中・下]」 新潮文庫

住む所を失った人たちは、少しでも余裕の有りそうな所へ移動したのではないでしょうか。そこで侵入を拒否されたら、武器を持って居直ってしまった!
4世紀末のローマ帝国は、東西に分離してしまっていて、弱体化していたのですね。皇宮の側近や官僚たちは、自分達が安穏に暮らせれば良いと思っていた。汚職と利権争いで足を引っ張り合っていた。キリスト教は、教派争いをしています。強力なリーダーが居ず、侵入を阻止できませんでした。
フランク族は、今のフランスの北部に侵入・定住してしまいます。
西ゴート族は、バルカン地方から押し入ります。一時はローマを劫掠し、ガリヤに移動、今のフランスの西部⇒イベリア半島に定住します。
ヴァンダル族は、北アフリカに侵入。カルタゴを陥落させ地中海の制海権を奪ってしまいます。
フン族も押し入って来て、東西のローマ帝国内を荒らし廻りますが、族長が死んでドナウ河の北に戻って行きます。
5世紀中頃には、西ローマ帝国は既に、ローマ帝国と云える状態ではなくなっていたのですね。皇帝をたてても、足の引っ張り合いですぐ殺されてしまった。
476年、蛮族出身の将軍オドアケルが、西ローマ皇帝軍を打ち破り、皇帝を廃位させ、西ローマ帝国は滅亡します。
オドアケルはイタリア王を名乗った。すぐ、東ゴート族に侵入されますけれど・・。
6世紀中頃、一時的に東ローマ帝国がイタリアを回復しますが・・・。
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その後の事は、よく知りません。
ビザンチン帝国、イスラム国家の進出、神聖ローマ帝国、ヴェネチア共和国、etc
ヨーロッパの歴史は、日本の歴史と比べても、波乱万丈で興味深いですね。
このシリーズはこれで終わりますが、またヨーロッパの歴史の小説を、読んでみたい。
この小説のお気に入り度:★★★☆☆