阪神タイガースの私設応援団「中虎連合会」がヒッティングマーチの著作権者を偽称してCDを販売したとして、元会長とCDを販売したレコード会社のプロデューサーが逮捕されました。事件の概要や背景については毎日新聞の記事がうまくまとめていますので、そちらをご覧ください。
今回詐称が発覚したのは、ヒッティングマーチのうち「1番(投手用)」と「2番(捕手・個人HMのない選手用)」と呼ばれる汎用応援歌です。どちらも80年代前半から使われており、テレビニュースでは中虎連合会の結成が同年代後半という話ですから、彼らが作ったとは考えにくいところです。
で、この第一報を聞いたときの私の感想ですが、はっきり言えばこの一言に尽きます。
ま た 中 虎 か
中虎連合会は2002年に甲子園球場で讀賣が暴投でサヨナラ負けしたのに優勝を決めた際、胴上げより「六甲おろし」を先にするよう球場長らを脅したとして幹部らが逮捕されており、団員は去年1年間全球場入場禁止になっていました。
また、一昨年までに発売されていた選手別応援歌のCDの製作には中虎連合会がかかわっており、これが暴力団の資金源になっていたという疑惑もありました。そんなことがあっただけに、驚きや怒りよりは「またか」という気持ちが先に立つのが正直なところです。
ただ、この事件は1チームの一部の応援団が起こした不祥事として片付けることはできません。むいろ、より重大な問題をはらんでいる恐れがあるものとして考えるべきでしょう。
まず、この事件ではレコード会社のプロデューサーも逮捕されています。応援団だけが問題を起こしたのならまだしも、レコード業界まで巻き込んでいるだけに、話は深刻です。
また、著作権者偽称に有効な歯止めがないことが露呈したというのも厄介です。この日の日経夕刊紙面によれば、「JASRACが著作権を管理する曲数は約700万曲にも上り、『一曲一曲について、著作者の詐称があるかどうかを審査することは不可能』」(2005年3月2日日経新聞夕刊)なのだそうです。
これはむしろ音楽業界にとってより重大な問題でしょうが、プロ野球の応援歌を考えた場合でも、今回のような著作権者の詐称があったとしても不思議ではないということになります。
加えて、中虎連合会が受け取った著作権料の一部は暴力団の資金源になっていたという疑惑もあるそうです。暴力団の追放や法令順守の徹底については現コミッショナーがなぜか意欲を示しているようですし、コミッショナーをはじめNPBがこの事件を受けてどう動くかにも注目です。
ここまで書いてきたことは、阪神ファンにとって比較的関係が薄い話ばかりでした。しかし、この事件の影響はそんな話にはとどまらず、今までのヒッティングマーチの大部分がなくなり、新曲に替わるという事態にまで発展するというのです。
今朝の日経紙面によれば、阪神応援団のうち最大の「阪神タイガース私設応援団」は「選手別応援歌の多くは連合会のメンバーが作詞、作曲しており、そうした曲をこれからも球場で歌うわけにはいかない」(2005年3月3日日経新聞)と明言。今月13日の讀賣戦(甲子園)から新曲による応援を始めるようです。
具体的にどの曲が入れ替わるかについては報道がありませんが、「阪神タイガース愛好家」のTomaさんの記事では檜山・矢野両選手以外の応援歌すべてが入れ替わるとのこと。
不祥事を起こし、暴力団との関係も指摘される団体のカラーを一掃するというのは賢明な判断だと思います。ただ一阪神ファンの立場からすれば、これまで何度も歌ってきて、思い入れもあるヒッティングマーチがこんな形で消えることには疑問を感じずにはいられません。
ヒッティングマーチのうち中虎連合会メンバーの著作物であり、なおかつ球場で演奏することによって著作権料が発生するの(下の追記をご参照ください)であれば、廃止はやむを得ません。ですが、そうでない曲については何とか存続できないものなのでしょうか?
中虎の責任は重大ですが、それを関係のないヒッティングマーチに負わせるのは筋が違うような気がしてならないのです。
まったく、朝から憂鬱です。
【3/9追記】
「鞘師組(仮)」さんによれば、「球場で応援歌をペット演奏すること自体には、著作権料は発生しません」とのことです。
資料:同サイトばっくなんばぁ
今回詐称が発覚したのは、ヒッティングマーチのうち「1番(投手用)」と「2番(捕手・個人HMのない選手用)」と呼ばれる汎用応援歌です。どちらも80年代前半から使われており、テレビニュースでは中虎連合会の結成が同年代後半という話ですから、彼らが作ったとは考えにくいところです。
で、この第一報を聞いたときの私の感想ですが、はっきり言えばこの一言に尽きます。
ま た 中 虎 か
中虎連合会は2002年に甲子園球場で讀賣が
また、一昨年までに発売されていた選手別応援歌のCDの製作には中虎連合会がかかわっており、これが暴力団の資金源になっていたという疑惑もありました。そんなことがあっただけに、驚きや怒りよりは「またか」という気持ちが先に立つのが正直なところです。
ただ、この事件は1チームの一部の応援団が起こした不祥事として片付けることはできません。むいろ、より重大な問題をはらんでいる恐れがあるものとして考えるべきでしょう。
まず、この事件ではレコード会社のプロデューサーも逮捕されています。応援団だけが問題を起こしたのならまだしも、レコード業界まで巻き込んでいるだけに、話は深刻です。
また、著作権者偽称に有効な歯止めがないことが露呈したというのも厄介です。この日の日経夕刊紙面によれば、「JASRACが著作権を管理する曲数は約700万曲にも上り、『一曲一曲について、著作者の詐称があるかどうかを審査することは不可能』」(2005年3月2日日経新聞夕刊)なのだそうです。
これはむしろ音楽業界にとってより重大な問題でしょうが、プロ野球の応援歌を考えた場合でも、今回のような著作権者の詐称があったとしても不思議ではないということになります。
加えて、中虎連合会が受け取った著作権料の一部は暴力団の資金源になっていたという疑惑もあるそうです。暴力団の追放や法令順守の徹底については現コミッショナーがなぜか意欲を示しているようですし、コミッショナーをはじめNPBがこの事件を受けてどう動くかにも注目です。
ここまで書いてきたことは、阪神ファンにとって比較的関係が薄い話ばかりでした。しかし、この事件の影響はそんな話にはとどまらず、今までのヒッティングマーチの大部分がなくなり、新曲に替わるという事態にまで発展するというのです。
今朝の日経紙面によれば、阪神応援団のうち最大の「阪神タイガース私設応援団」は「選手別応援歌の多くは連合会のメンバーが作詞、作曲しており、そうした曲をこれからも球場で歌うわけにはいかない」(2005年3月3日日経新聞)と明言。今月13日の讀賣戦(甲子園)から新曲による応援を始めるようです。
具体的にどの曲が入れ替わるかについては報道がありませんが、「阪神タイガース愛好家」のTomaさんの記事では檜山・矢野両選手以外の応援歌すべてが入れ替わるとのこと。
不祥事を起こし、暴力団との関係も指摘される団体のカラーを一掃するというのは賢明な判断だと思います。ただ一阪神ファンの立場からすれば、これまで何度も歌ってきて、思い入れもあるヒッティングマーチがこんな形で消えることには疑問を感じずにはいられません。
ヒッティングマーチのうち中虎連合会メンバーの著作物
中虎の責任は重大ですが、それを関係のないヒッティングマーチに負わせるのは筋が違うような気がしてならないのです。
まったく、朝から憂鬱です。
【3/9追記】
「鞘師組(仮)」さんによれば、「球場で応援歌をペット演奏すること自体には、著作権料は発生しません」とのことです。
資料:同サイトばっくなんばぁ
http://tigers-hm.net/index.html
今回の事件は私も1阪神ファンとして悲しいですが、おっしゃるようにこれが甲子園の応援をより良くするきっかけになってほしいと思います。
一緒に応援して行きましょう!
でも中虎連合会の色々な事件は我が虎ファンとしては悲しいですね。
でも、この悲劇を契機にして良い方向に向かえばと思います。
そろそろ開幕ですね。優勝、日本一笑える秋になるといいですね。頑張れ!阪神タイガース!
だから、一生懸命練習して
早速記事を拝見しました。応援歌の評判がよくないのは知っていましたが、ついにこんな動きまで出ていたんですね。
今後ともよろしくお願いします。
今日の記事で、さらに阪神の新応援歌に言及しております。
よろしくどうぞ。
そうだったんですか。私も「永久オーナー」の幕が出た1年後にソフトバンク歓迎ムードが広まったので、正直なところかなり疑問を感じていたのですが、そういう話だと納得がいきます。
>人気チーム(美味しい実)には悪い虫がたかりますね・・・。
まったくですね。これからファイターズにも人気チームになってほしいのですが、こういうところだけはまねしてほしくないと切に願っています。
巨・神・中・ダ(ソ)あたりの人気チーム(美味しい実)には悪い虫がたかりますね・・・。
>「ぼくたちは好きでやらせてもらっているんですからお礼なんか言われちゃいけないんです」
いい言葉ですね。おっしゃるように応援団にもいろいろな人がいますし、ファンについてもそうでしょうが、究極においてこういうことがいえるかどうかで、その本性が見えてくるような気がします。
阪神ファンの皆さんの胸中を思うとなんと言っていいものやら。他球団のことなのでうまく言えませんが、そうした一般のファンに眉を顰められている存在だったのなら、今回の事件をきっかけにいい方向にいってくれればと思います。でも残るのは檜山・矢野だけですかぁ。阪神のヒッティングマーチは耳に馴染んでいるだけに野球ファンとしても寂しいです。
うちの応援団の方が「ぼくたちは好きでやらせてもらっているんですからお礼なんか言われちゃいけないんです」と言っていたのを思い出しました。だんなちゃんさんがおっしゃっているようにいろんな人がいるんですけれどね。元々はみんな野球が好き、チームが好き、選手が好き、なはずなんですよね?
何より、これでまた阪神やプロ野球全体のイメージが悪くなるのかと思うと、残念でなりません。
ただ、この機会にこれまでのウミを全て出し切ってほしいという気持ちもあります。その代償がHM入れ替えなら、それは仕方がないと思うことにしますし……
中虎については私もいろいろな話を聞いていただけに、今回の事件で本格的な捜査が入ることには安堵しています。これ以上他の応援団やファンのイメージまで下げられたらたまりませんからね。
HMについてですが、やはり残るのは矢野・桧山両選手のものだけですか……
まぁ言っていても仕方のないことですし、これからまた新たに覚えていくしかないですね(苦笑)
阪神・讀賣の一部応援団の暴力威圧行為に始まり、
昨年は応援団名簿提出騒動、名古屋ドでの讀賣応援団
の出入り・鳴り物禁止。
別件ですが一昨年、昨年と燕も甲子園での鳴り物応援
はできませんでした。
そして今回の事件。
鳴り物応援是非は別として、ファンに親しまれてきた
HMの突然の中止。
全く知らないファンにとっては寝耳に水のことですよね。
野球って楽しく見たい、楽しく応援したい、
それだけなのに、諸所の問題が絡み合う。
ファン離れが深刻なのに困ったものですよね。
阪神ファンの私にとっても、「中虎」というのは、ファンの最も恥ずべきものでした。この件で復帰がなくなり、ある意味ほっとしてます。
HMに関しては、去年作成された矢野、かなり昔から使っている桧山以外のものに関しては、何らかの形で中虎(団体・メンバー含む)が関わっているようなので、もうしょうがないでしょう。私もがんばって新しいHMを覚えます。記憶力には自信があるので(笑)
昨夜の時点で問題となっていた「1番」と「2番」は、多分訂正はできると思います。ただ、中虎メンバーが実際に作った曲については、これでもうお蔵入りになってしまうのでしょうね。
私としては、暗黒時代や2003年の思い出があるだけに、何とかならないのかと思ってしまうのですが……
偽の登録をした連中は論外ですが、なんとか「登録の訂正」とかは出来ないんでしょうかね。作者では明らかにないのに。
こんなことで皆の楽しみを奪われるのは、どうかと思います。