2日目の朝です。外が明るいので時計を見ると、なんと4時半過ぎ。日の出とともに起きると言えば健康的に聞こえますが、それでは身体が持ちそうにありません。二度寝して7時過ぎにもう一度起きました。
まずはホテル10階のレストランへ。ヘルシンキのメインストリートを眼下に眺めながら、バイキング形式の朝ご飯です。
メニューは充実しており、パンだけでも数種類、一口サイズのパイ、ミートボールなどの肉料理、野菜に果物もいろいろ。バルト海に面しているだけあって、魚の酢漬やマスタード漬、ケチャップ漬などもあります。
あと驚いたのがヨーグルト。ヨーグルト自体は普通においしいものでしたが、周囲を見ると、大きいスープ皿になみなみと注いで、ベリーソースをたっぷりとかけています。
いや、ヨーグルトに限らず、そもそも食べる量が違う。パンもあれこれ取れば、肉に魚に野菜を山盛りにする人がほとんど。子どもですら、日本人女性より食べてるんじゃないかと思うぐらいです。
となると、私もたくさん食べなきゃ損な気分になってきます。そう簡単に来られる土地でなし、食べた分は歩き回って消費すればいいのです。気がつけば私も朝からがっつり食べてました(苦笑)
朝から満腹感に浸ったら、トゥルクに向けて出発です。トランクはホテルに預け、身軽になってヘルシンキ中央駅に向かいました。
ヘルシンキ中央駅はフィンランド最大の鉄道ターミナル。ホテルからは目と鼻の先です。
大きな駅なだけあって、列車が次から次へと行き来します。掲示板は左から、長距離出発列車、短距離出発列車、長距離到着列車の予定時刻を示しています。
改札がないので、そのままホームへ。すぐ目の前で果物のスタンドが開いていました。
左側の黄緑色はエンドウマメのようです。ヘルシンキの人々は、こういう露店でエンドウマメを買って、生のまま食べるのだとか。さすがに朝ご飯を食べたばかりなので、われわれはパス。
中央駅に並ぶ列車。こちらは近距離の電車です。トゥルク行きの特急ペンドリーノは、こちらではなく西側のホームから発車するとのこと。
駅の奥では、近距離電車が出番を待っています。手前のホームには電車が入線してきました。
ヘルシンキ中央駅の西側ホーム。こちらにも近距離電車が止まっています。
こちらはヘルシンキから西に向かう近距離電車。こういう前面の電車は、日本にいてもおかしくはない感じがしますが、いかがでしょうか?
こちらも近距離電車。先ほどのものとはまったくイメージが異なります。日本の電車と比べて大きく見えるんですが、おそらく車高が高いのも理由の1つでしょうね。
トゥルク行ペンドリーノ127号は、13番からの発車になります。
"Turku"は見ての通りトゥルクを指すのですが、その隣の"Åbo"というのは、トゥルクのスウェーデン語名「オーボ」です。
フィンランドはかつてスウェーデンの支配下にあり、現在でもスウェーデン語を母語とする人が少なくないため、公用語はフィンランド語とスウェーデン語の2つになっています。
なので、地名や駅名はもちろんのこと、広告やポスターも2言語で書かれているものをよく見かけますし、テレビもフィンランド語放送とスウェーデン語放送があるようです。
こちらが今回乗車する、特急ペンドリーノ127号トゥルク行。
ドアは押しボタン式になっていて、ボタンを押すとドアが開いてステップが出てきます。
二等車の車内はこうなっています。
難しい(?)表現をすると集団見合い型リクライニングシートと言って、シートは車内中央に向かって固定されていて、方向転換はできません。ただ背もたれは倒せるようになっています。
方向転換ができないのは、日本の有料特急ではなかなか考えにくいことですが、ヨーロッパではむしろこの方が普通なのかも知れません。
さて、定刻の10時3分になり、発車ベルもなければ車内放送もなく、列車はトゥルクに向けて発車しました。
出発するとすぐに車掌さんが検札にやってきます。日本でプリントアウトした予約バーコードを見せると、車掌さんは手持ちの機械でチェック。気の抜ける電子音とともに検札終了です。
ところで、この特急ペンドリーノはイタリアのFIAT鉄道車輌部門(現存せず)が開発した特急用車両で、現在はイタリアのみならず、フィンランドやヨーロッパ各国で使用されています。
「ペンドリーノ」はイタリア語で「振り子」を指すペンドーロ"pendolo"からの造語なのだとか。確かに、イタリア語っぽい響きがありますよね。
フィンランド用ペンドリーノは、イタリア用の車両をベースに、レール幅を1435mmから1524mmに、電源方式を直流から交流に合わせたもの。現在、ヘルシンキとトゥルクや第2の都市タンペレを結んでいます。
最高速度は220キロですが、出発してしばらくはスピード控え目。30分ほど走ってヘルシンキ近郊のキルッコヌンミを過ぎると本領発揮、ぐんぐんスピードを上げてきました。
車窓は森と湖というよりは、森と田園地帯。たまに牛が草を食む姿も見え、それはのどかなものです。
ただ、それより何より気になったのは、線路を囲む柵や鉄条網らしいものが見当たらず、普通に地上を走っていることです。
日本の新幹線とは大違いで、むしろ地方の在来線の特急という感じでしょうか。あるいは、窓から見えないような低い柵などがあるのかも知れませんが、それにしても新幹線とは大違いです。
フィンランドの方が日本より治安が良いのか、あるいは単に人口が少ないからなのか、その辺は分かりません。ただ、日本人としてこの光景を見ると、考え込んでしまいました。
現在世界各国で高速鉄道の建設計画が進んでいます。日本も新幹線のシステムを売り込もうとしていますし、実際台湾の高速鉄道は、日本の新幹線のシステムを大幅に取り入れて建設されました。
確かに、新幹線の最高速度はペンドリーノよりもはるかに速いものです。ただ、新幹線の場合、線路の安全確保のために、仰々しい柵や鉄条網を張り巡らせるなど、かなりのおカネが必要になります。
一方で、ペンドリーノは近距離列車と同じ線路を走っています。もちろん、まったく線路を改良していないわけはないのですが、導入に必要な工事の量や費用は推して知るべきでしょう。
とすると、導入する側の国からすれば、速いがカネのかかるシステムより、少々最高速度が低くても簡単に導入できる車両を買う選択をしても不思議ではありません。あるいは、そんな国が多くても。
なら、日本はどうするのか?あくまでも新幹線のメリットを力説していくこともできますが、あるいは山形・秋田新幹線型の車両を売っていくのも手かもしれないな、などと考えたりもしました。
そんなことを考えているうちにも、ペンドリーノは走ります。こちらは途中の駅で見かけた蒸気機関車。最新鋭の特急との出会いです。
そして、定刻の12時にトゥルクに到着。途中だいぶもたついたように思ったのですが、着いてみると時間通りでした。
トゥルクの駅で見つけた保存車輪。
なんの記念なのかと思って見てみましたが、やはりというかなんというか読めません。推測するに「トゥルク鉄道開通50周年・1974年9月1日」辺りでしょうか……
これからトゥルクの街を歩きます。ホテルにチェックインしないといけませんし、お昼も食べたいですね。その辺は次回のエントリで。
まずはホテル10階のレストランへ。ヘルシンキのメインストリートを眼下に眺めながら、バイキング形式の朝ご飯です。
メニューは充実しており、パンだけでも数種類、一口サイズのパイ、ミートボールなどの肉料理、野菜に果物もいろいろ。バルト海に面しているだけあって、魚の酢漬やマスタード漬、ケチャップ漬などもあります。
あと驚いたのがヨーグルト。ヨーグルト自体は普通においしいものでしたが、周囲を見ると、大きいスープ皿になみなみと注いで、ベリーソースをたっぷりとかけています。
いや、ヨーグルトに限らず、そもそも食べる量が違う。パンもあれこれ取れば、肉に魚に野菜を山盛りにする人がほとんど。子どもですら、日本人女性より食べてるんじゃないかと思うぐらいです。
となると、私もたくさん食べなきゃ損な気分になってきます。そう簡単に来られる土地でなし、食べた分は歩き回って消費すればいいのです。気がつけば私も朝からがっつり食べてました(苦笑)
朝から満腹感に浸ったら、トゥルクに向けて出発です。トランクはホテルに預け、身軽になってヘルシンキ中央駅に向かいました。
ヘルシンキ中央駅はフィンランド最大の鉄道ターミナル。ホテルからは目と鼻の先です。
大きな駅なだけあって、列車が次から次へと行き来します。掲示板は左から、長距離出発列車、短距離出発列車、長距離到着列車の予定時刻を示しています。
改札がないので、そのままホームへ。すぐ目の前で果物のスタンドが開いていました。
左側の黄緑色はエンドウマメのようです。ヘルシンキの人々は、こういう露店でエンドウマメを買って、生のまま食べるのだとか。さすがに朝ご飯を食べたばかりなので、われわれはパス。
中央駅に並ぶ列車。こちらは近距離の電車です。トゥルク行きの特急ペンドリーノは、こちらではなく西側のホームから発車するとのこと。
駅の奥では、近距離電車が出番を待っています。手前のホームには電車が入線してきました。
ヘルシンキ中央駅の西側ホーム。こちらにも近距離電車が止まっています。
こちらはヘルシンキから西に向かう近距離電車。こういう前面の電車は、日本にいてもおかしくはない感じがしますが、いかがでしょうか?
こちらも近距離電車。先ほどのものとはまったくイメージが異なります。日本の電車と比べて大きく見えるんですが、おそらく車高が高いのも理由の1つでしょうね。
トゥルク行ペンドリーノ127号は、13番からの発車になります。
"Turku"は見ての通りトゥルクを指すのですが、その隣の"Åbo"というのは、トゥルクのスウェーデン語名「オーボ」です。
フィンランドはかつてスウェーデンの支配下にあり、現在でもスウェーデン語を母語とする人が少なくないため、公用語はフィンランド語とスウェーデン語の2つになっています。
なので、地名や駅名はもちろんのこと、広告やポスターも2言語で書かれているものをよく見かけますし、テレビもフィンランド語放送とスウェーデン語放送があるようです。
こちらが今回乗車する、特急ペンドリーノ127号トゥルク行。
ドアは押しボタン式になっていて、ボタンを押すとドアが開いてステップが出てきます。
二等車の車内はこうなっています。
難しい(?)表現をすると集団見合い型リクライニングシートと言って、シートは車内中央に向かって固定されていて、方向転換はできません。ただ背もたれは倒せるようになっています。
方向転換ができないのは、日本の有料特急ではなかなか考えにくいことですが、ヨーロッパではむしろこの方が普通なのかも知れません。
さて、定刻の10時3分になり、発車ベルもなければ車内放送もなく、列車はトゥルクに向けて発車しました。
出発するとすぐに車掌さんが検札にやってきます。日本でプリントアウトした予約バーコードを見せると、車掌さんは手持ちの機械でチェック。気の抜ける電子音とともに検札終了です。
ところで、この特急ペンドリーノはイタリアのFIAT鉄道車輌部門(現存せず)が開発した特急用車両で、現在はイタリアのみならず、フィンランドやヨーロッパ各国で使用されています。
「ペンドリーノ」はイタリア語で「振り子」を指すペンドーロ"pendolo"からの造語なのだとか。確かに、イタリア語っぽい響きがありますよね。
フィンランド用ペンドリーノは、イタリア用の車両をベースに、レール幅を1435mmから1524mmに、電源方式を直流から交流に合わせたもの。現在、ヘルシンキとトゥルクや第2の都市タンペレを結んでいます。
最高速度は220キロですが、出発してしばらくはスピード控え目。30分ほど走ってヘルシンキ近郊のキルッコヌンミを過ぎると本領発揮、ぐんぐんスピードを上げてきました。
車窓は森と湖というよりは、森と田園地帯。たまに牛が草を食む姿も見え、それはのどかなものです。
ただ、それより何より気になったのは、線路を囲む柵や鉄条網らしいものが見当たらず、普通に地上を走っていることです。
日本の新幹線とは大違いで、むしろ地方の在来線の特急という感じでしょうか。あるいは、窓から見えないような低い柵などがあるのかも知れませんが、それにしても新幹線とは大違いです。
フィンランドの方が日本より治安が良いのか、あるいは単に人口が少ないからなのか、その辺は分かりません。ただ、日本人としてこの光景を見ると、考え込んでしまいました。
現在世界各国で高速鉄道の建設計画が進んでいます。日本も新幹線のシステムを売り込もうとしていますし、実際台湾の高速鉄道は、日本の新幹線のシステムを大幅に取り入れて建設されました。
確かに、新幹線の最高速度はペンドリーノよりもはるかに速いものです。ただ、新幹線の場合、線路の安全確保のために、仰々しい柵や鉄条網を張り巡らせるなど、かなりのおカネが必要になります。
一方で、ペンドリーノは近距離列車と同じ線路を走っています。もちろん、まったく線路を改良していないわけはないのですが、導入に必要な工事の量や費用は推して知るべきでしょう。
とすると、導入する側の国からすれば、速いがカネのかかるシステムより、少々最高速度が低くても簡単に導入できる車両を買う選択をしても不思議ではありません。あるいは、そんな国が多くても。
なら、日本はどうするのか?あくまでも新幹線のメリットを力説していくこともできますが、あるいは山形・秋田新幹線型の車両を売っていくのも手かもしれないな、などと考えたりもしました。
そんなことを考えているうちにも、ペンドリーノは走ります。こちらは途中の駅で見かけた蒸気機関車。最新鋭の特急との出会いです。
そして、定刻の12時にトゥルクに到着。途中だいぶもたついたように思ったのですが、着いてみると時間通りでした。
トゥルクの駅で見つけた保存車輪。
なんの記念なのかと思って見てみましたが、やはりというかなんというか読めません。推測するに「トゥルク鉄道開通50周年・1974年9月1日」辺りでしょうか……
これからトゥルクの街を歩きます。ホテルにチェックインしないといけませんし、お昼も食べたいですね。その辺は次回のエントリで。
いわゆる「学力世界一」になる理由の一つかもしれませんね。
ダルビッシュも、朝食は大事と言っている訳ですし。
>秋田新幹線
言われてみれば、近距離列車と同じ線路を走っていますね。
大曲の駅には、線路の解説(寸法など)が展示されていますよ。
新型車両も導入するようですし、旧式扱いになる車両は(使わなくなるなら、ですが)
海外で使ってもらうのも良いかもしれませんね。
余談ですが、秋田新幹線が上下線待ち合わせのため、途中停車するのは、
珍しいと言われたことがあります。(笑)
ただ彼らを見てると、食べ過ぎて胃がもたれやしないかと[;;0J0]
秋田新幹線の現在の車両も、そう遠くないうちに廃車になる頃ですね。
そのまま海外で使えるということはないでしょうし、ある程度改良は必要でしょうが、
新しく新幹線を作るより安上がりでいいという国があるかも知れません。