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にわか日ハムファンのブログ記念館

2004年8月から2014年6月にかけて更新してきた当ブログを静態保存しております。

【好萌!基隆の黄色小鴨】(1)前騒曲

2014-02-02 09:09:06 | さすらいブロガー旅情編
 香港と北京に続いて台湾にもアヒルちゃんが来ると知ったのは、夏のことだった。なんでも、基隆市議会の議長の誘いを応じたというのだ。
 調べてみると、youtubeで台湾のニュース番組で、黄色い服を着て記者会見に応じる議長の姿を見つけた。アヒルちゃんカラーは、おそらく狙ったものだろう。とにもかくにも、意気込みは感じた。
 基隆にアヒルちゃんが現れるのは年末年始辺り。その辺りなら余裕を持って見に行く準備ができるだろうと考えていた。北京のアヒルちゃんを見に行くことができなかっただけに、せめて台湾には行きたかったのだ。
 しかし、それは台湾全島を巻き込んだ「黄色小鴨」フィーバーの序曲に過ぎなかった。
 基隆よりはるか先の9月には、アヒルちゃんが高雄に現れた。「亞洲最大」の触れ込みも賑やかに登場した18メートルのアヒルちゃんは、たちまち高雄市民ばかりか台湾人を虜にした。
 台湾のフィーバーぶりは、大手紙「蘋果日報」が開設した特設サイト「黄色小鴨in台湾」で連日報じられるようになった。
 当然繁体字なので、中国語のできない私は、字こそある程度読めるが、意味まで分かるわけはない。
 ただ、人の多さ、興奮度、中にはラバーダックのコスプレで現れる人……とにかく、日本とは比べ物にならないほどの盛り上がりぶり、入れ込み方は伝わるのだ。
 さらにアヒルちゃんは桃園にも登場。台湾北部の人々が詰めかけたのだが……

 逆境は、ここから始まった。

 桃園にアヒルちゃんが登場した数日後に地震が発生、この影響で破裂事故が起きてしまった。急遽高雄から代打のアヒルちゃんが送られたが、こちらも機材の不備で一時しぼんでしまう不運に見舞われた。
 この悲劇を繰り返すまいと、基隆のアヒルちゃんは強風に耐えられるようパワーアップして登場。イベント本部の声明には、アヒルちゃんに港湾都市基隆の再興を託す熱い思いがつづられていた(多分)。
 しかも、アヒルちゃんフィーバーは基隆ばかりか台北をも席巻していた。台北・基隆間にはアヒルちゃん仕様の都市間バスが現れ、鉄道は臨時列車を設定、しかもアヒルちゃん電車まで仕立てたという。
 フィーバーは過熱する一方で、アヒルちゃんを360度回転させるというアイディアまで出るわ、便乗アヒルちゃんまで登場するわ、作者のフロレンタイン・ホフマンさんからは流石にツッコミが入る始末であった。
 そうする間に、われわれの訪台予定も固まり、あとは当日を指折り数えて待つばかりだった。
 しかし、大晦日に再び悲劇が襲う。アヒルちゃんが突如破裂……目を疑う光景に、私はパニックに陥った。
 ようやく落ち着きを取り戻し、必死で状況を調べる。高雄からは桃園に続いて地元のアヒルちゃんを派遣するとの申し出があったが、再び破裂することがあってはならないとして基隆側が辞退。
 どうなるのか?このままアヒルちゃんは現れないのか?それでも台湾には行くべきか?何の希望もないのか?不安は膨らみ、ただ待っていることができない。
 人間焦ると何をするか分からない。私は台湾のアヒルちゃんファンコミュニティに、何のつてもないのに書き込みを入れるに至った。
 自分は大阪のアヒルちゃんファンで、妻とともに基隆を訪れる予定である、今回の事故は本当にショックだが、何とかアヒルちゃんが再び現れることを心から祈っている、加油基隆……泣きそうになりながら入力していた。
 しかし、親切な人はいるものだ。台湾の人から返信があり、アヒルちゃんは治療中で、1月4日には再び現れる、ぜひ基隆を楽しんでほしい……国境を越えた情というものが、本当に沁みた。とにかく嬉しかった。
 そして、アヒルちゃんは無事復活。無事われわれもアヒルちゃんの旅に出られることになった。

 1月11日、関空。アヒルちゃんが待つ台湾に、これから向かう。


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