アヒルちゃんが尾道に登場すると聞いた時には意外感が先に立った。これまでずっと大阪でぷかぷかしてきただけに、他所の水辺に現れるとは思っていなかったし、何よりなぜ尾道なのかが分からなかったのだ。
ただ調べてみると、「海フェスタおのみち」というイベントがあって、そのシンボルアートとして登場するのだそうだ。
ここまで分かった以上、アヒルちゃんに逢いに行かない手はない。早速旅の準備をしようと思った我々の頭に、ふと浮かんだものがあった。
尾道からほど近い竹原市、瀬戸内に浮かぶ小さな島、大久野島。200羽とも300羽とも言われるうさぎが生息し、いまや「うさぎ島」としても知られる島である。
去年、島のうさぎの動画を偶然見つけた妻の目が少女漫画状態になったりして(同じ動画を見た私は……まぁ、いいとしよう)、これはぜひ一度行ってみたいね、と言っていたものだ。
■ うさぎ動画(うさぎの楽園・2012年7月26日閲覧)
とすれば、これは両方を訪れよ、という天啓である。大久野島には国民休暇村もあるし、どうせなら泊まり込みでうさぎさんたちと触れ合う……
しかし、その目論見はあっさり挫折した。休暇村が週末は予約でいっぱいだったのだ。小さな島のことなので、他に宿はなく、かといって平日に仕事を休んでいくわけにもいかず、諦めざるを得なかった。
その後しばらくは、決して多いとは言えないアヒルちゃんのニュースをチェックしながら、旅程をどうするかをたまに考えるぐらいであった。
なにせテンションが上がらない。せっかくなので泊まりで出掛けたいが、観光シーズンなので尾道で泊まれる宿も意外と限られる。そのうえうさぎ島まで行こうとなると、スケジュールもややこしいことになりそうだ。
そんなこともあり、アヒルちゃんには逢いたい、うさぎ島には行きたいと思っていながら、どこかフラストレーションのたまる日々であった。何とかうさぎ島に泊まれさえすれば……
ところが、人生諦めないものである。ある日ダメ元で見た休暇村の予約ページで、空室があるのを発見したのだ!
空いていたのは峠下肉のステーキ付きのプランと、同じくしゃぶしゃぶ付きのプラン。どちらも休暇村の中では最も値が張るプランである。普段なら、夜行列車が入れば3泊できる値段である。
何より、貧乏旅行が身に沁みついていた私からすれば、値段自体もさることながら、同じ宿で安く泊まれないことへの抵抗感はどうしても強い。
しかし、しかし、しかし……うさぎ島に泊まりたい!!
妻の力強い後押しを得て宿泊予約。あとは往復の足である。普段なら青春18きっぷを使うところだが、一人旅ではないし、何より2箇所を回るのだから時間が惜しい。
幸い、山陽新幹線には「こだま指定席往復きっぷ」という優れものがある。これなら自由席で往復するよりはるかに安く行き来できるのだ。
それに、目的地最寄りの新尾道は、朝の上りを除けばこだましか停まらない。どのみちこだまに乗るのだから、新大阪から/まで乗り通した方がかえって楽というものだ。
かくて交通手段も確保し、当日の朝を迎えたのだった。
朝一のこだまは(元ひかり)レールスター。指定席は4列シート、テーブルのみならずドリンクホルダーもついて快適そのものである。快適過ぎて新尾道を寝過ごしさないか不安はあったが、幸い福山の手前で目が覚めた。
新尾道駅。山陽新幹線開通時にはなかったが、地元の請願によって後に追加された駅である。
しかし、隣の福山、三原両駅とあまりに近過ぎる上、在来線との接続もなく、先述の通り実質的にこだまのみの停車駅というせいもあり、利用客は非常に少ないらしい。
実際降りてみると、新幹線の駅なのに自動改札機がたったの2機。売店こそ動いていたものの、待合スペースに人はほとんどいない。
客待ちのタクシーもたった1台、朝だというのに実に寂しいものである。こだまをうまく使えば、尾道観光には便利そうな駅なのだが……
ともあれ、尾道駅行きのバスに乗る。アヒルちゃんがぷかぷかしているのは、尾道駅の向かいの海だ。
閑散路線仕様の小さなバスは、細い坂を縫いながら下りていく。坂が終わるか終らないかのところにJRのガードがあり、それをくぐるとすぐに右に曲がる。
少しして林芙美子の銅像を過ぎると、右手に駅が見えてくる。駅前の交差点に出れば、左手に海辺の風景が一気に広がり、そして……アヒルちゃん!
いつもながら、最初にアヒルちゃんの姿が目に飛び込んできた時にはどうしても驚きを感じてしまう。
それから数秒か十数秒のうちに、バスは尾道駅に着いた。アヒルちゃんに逢いに初めての遠征、行動開始である。
※ 海フェスタおのみちは29日まで開催。アヒルちゃんも同じく29日までぷかぷかしています。まだの方はぜひ!
ただ調べてみると、「海フェスタおのみち」というイベントがあって、そのシンボルアートとして登場するのだそうだ。
ここまで分かった以上、アヒルちゃんに逢いに行かない手はない。早速旅の準備をしようと思った我々の頭に、ふと浮かんだものがあった。
尾道からほど近い竹原市、瀬戸内に浮かぶ小さな島、大久野島。200羽とも300羽とも言われるうさぎが生息し、いまや「うさぎ島」としても知られる島である。
去年、島のうさぎの動画を偶然見つけた妻の目が少女漫画状態になったりして(同じ動画を見た私は……まぁ、いいとしよう)、これはぜひ一度行ってみたいね、と言っていたものだ。
■ うさぎ動画(うさぎの楽園・2012年7月26日閲覧)
とすれば、これは両方を訪れよ、という天啓である。大久野島には国民休暇村もあるし、どうせなら泊まり込みでうさぎさんたちと触れ合う……
しかし、その目論見はあっさり挫折した。休暇村が週末は予約でいっぱいだったのだ。小さな島のことなので、他に宿はなく、かといって平日に仕事を休んでいくわけにもいかず、諦めざるを得なかった。
その後しばらくは、決して多いとは言えないアヒルちゃんのニュースをチェックしながら、旅程をどうするかをたまに考えるぐらいであった。
なにせテンションが上がらない。せっかくなので泊まりで出掛けたいが、観光シーズンなので尾道で泊まれる宿も意外と限られる。そのうえうさぎ島まで行こうとなると、スケジュールもややこしいことになりそうだ。
そんなこともあり、アヒルちゃんには逢いたい、うさぎ島には行きたいと思っていながら、どこかフラストレーションのたまる日々であった。何とかうさぎ島に泊まれさえすれば……
ところが、人生諦めないものである。ある日ダメ元で見た休暇村の予約ページで、空室があるのを発見したのだ!
空いていたのは峠下肉のステーキ付きのプランと、同じくしゃぶしゃぶ付きのプラン。どちらも休暇村の中では最も値が張るプランである。普段なら、夜行列車が入れば3泊できる値段である。
何より、貧乏旅行が身に沁みついていた私からすれば、値段自体もさることながら、同じ宿で安く泊まれないことへの抵抗感はどうしても強い。
しかし、しかし、しかし……うさぎ島に泊まりたい!!
妻の力強い後押しを得て宿泊予約。あとは往復の足である。普段なら青春18きっぷを使うところだが、一人旅ではないし、何より2箇所を回るのだから時間が惜しい。
幸い、山陽新幹線には「こだま指定席往復きっぷ」という優れものがある。これなら自由席で往復するよりはるかに安く行き来できるのだ。
それに、目的地最寄りの新尾道は、朝の上りを除けばこだましか停まらない。どのみちこだまに乗るのだから、新大阪から/まで乗り通した方がかえって楽というものだ。
かくて交通手段も確保し、当日の朝を迎えたのだった。
朝一のこだまは(元ひかり)レールスター。指定席は4列シート、テーブルのみならずドリンクホルダーもついて快適そのものである。快適過ぎて新尾道を寝過ごしさないか不安はあったが、幸い福山の手前で目が覚めた。
新尾道駅。山陽新幹線開通時にはなかったが、地元の請願によって後に追加された駅である。
しかし、隣の福山、三原両駅とあまりに近過ぎる上、在来線との接続もなく、先述の通り実質的にこだまのみの停車駅というせいもあり、利用客は非常に少ないらしい。
実際降りてみると、新幹線の駅なのに自動改札機がたったの2機。売店こそ動いていたものの、待合スペースに人はほとんどいない。
客待ちのタクシーもたった1台、朝だというのに実に寂しいものである。こだまをうまく使えば、尾道観光には便利そうな駅なのだが……
ともあれ、尾道駅行きのバスに乗る。アヒルちゃんがぷかぷかしているのは、尾道駅の向かいの海だ。
閑散路線仕様の小さなバスは、細い坂を縫いながら下りていく。坂が終わるか終らないかのところにJRのガードがあり、それをくぐるとすぐに右に曲がる。
少しして林芙美子の銅像を過ぎると、右手に駅が見えてくる。駅前の交差点に出れば、左手に海辺の風景が一気に広がり、そして……アヒルちゃん!
いつもながら、最初にアヒルちゃんの姿が目に飛び込んできた時にはどうしても驚きを感じてしまう。
それから数秒か十数秒のうちに、バスは尾道駅に着いた。アヒルちゃんに逢いに初めての遠征、行動開始である。
※ 海フェスタおのみちは29日まで開催。アヒルちゃんも同じく29日までぷかぷかしています。まだの方はぜひ!
昔利用したときはしまなみ海道が目的だったのでレンタカー使ったけど、市内観光だとたぶん駐車スペースが限られるのでレンタカーはやめた方がよさそう。
そうなるとバスとタクシーしかないんですよねぇ。
尾道の市街地には休日に観光用の巡回バスが走ってるんですが、
せめてそれが新尾道を経由すればと思ったりもします。
新幹線だと、普通の指定席が取れなくて、やむを得ず、
少しだけ残っていたグリーン車に乗る感じでしょうか。
何を隠そう、年末年始の帰省で、2回ぐらいやらかしています。(苦笑)
意図して贅沢をしたわけではないので、妙に割り切れなさが残るんですよね。