海洋公園からのバスがトンネルを抜け、市街地に戻ってきた。中環駅のバス停でバスを降りるが、さすがに歩き通しで疲れている。
香港島のメインストリート、フィリピン系のナニーたちが歩道の端に何十人も座り込んでいる横を抜け、地元のコーヒーチェーンに入って一休みしてから、次の目的を果たすべく、再び歩きはじめる。
香港と言えばトラム、地元ではただ「電車」とだけ呼ばれる路面電車。地下鉄網が発達した今も、低廉な料金によって根強い支持を得ている市民の足だ。
中環でとりあえず来た電車に乗車。香港島をただ東に向かってみた。
曇天の下、車内もほの暗い。よく考えると、照明らしいものがない。いや、まったくないはずがないのだが……
画像が暗くて恐縮だが、トラムの運転台。海洋公園で見た保存車両と変わらない、日本なら昭和20年代ぐらいまでのものだ。それが、立派に現役で走っている。
停留所には名称と行先方面の双方が示されている。トラムはすべての停留所に停車するし、乗り過ごしても停留所どうしの間隔が短いので、そうそう困ることはない。
トラムは運転間隔も短く、ときには車輌が連なることもある。そして、多くの車輌に派手な広告が施してある。
土曜日の夕方、ごった返す人々。ダウンタウンという程ではないが、ハーバーシティの瀟洒な感じからすると、だいぶ香港の日常風景に近い気もする。
われわれの乗った電車は途中でメインストリートを逸れ、狭い道路を縫うように走り、競馬場の縁を回りながら、終点跑馬地(Happy Valley)に到着した。
跑馬地にいくつも並ぶ商店の中で、こんなものが。自分が日本人だからか、香港で日本製品や食品を売ると思しき店をいくつも見かける。
ここからさらに東に向かう電車に乗り換え、競馬場の縁を再び回りはじめる。途中渋滞につかまって手間取ったが、何とか抜けて再びメインストリートに戻った。
先程の支線区間は別として、トラムの本線区間では、自動車用の車線とトラムの線路が完全に分かれている。自動車が入り込むことはまずなく、トラムは自動車を気にせず走れる。
ただ、線路敷に自転車が入ってくることもある。自転車にとっても歩道と車道は面倒だし危ない。トラムならよけるのもまだ楽、ということだろう。
2階から香港の街並みを眺める。いわゆる香港っぽい繁体字のネオンサインはもちろん多いが、その中にこういうカオスも混ざっている。
カオスが混ざっているというのも変な言葉だが、まぁ、香港のイメージ通りの街並みの中に、それを攪乱するものが混ざっているのだ。そして、それも含めて香港、と思った方が適切な気もする。
乗り換えも含めて約2時間かけて、ようやく終点の東端、筲箕湾(Shau Kei Wan)に着いた頃にはすっかり日も暮れていた。
終点には、トラムの新型車両が停まっていった。ここまで同じような形式の電車ばかりを見ていたので、正直なところ驚いた。これからこういう形式が増えるのだろうか。
アパート群が立ち並び、その1階は商店や食堂。いよいよ香港市民が日常を送る風景の中を通り抜け、メトロの駅に向かう。
ここからメトロで金鐘まで向かうと、時間はたったの17分しかかからなかった。中環まで行っても20分程度であろう。あの2時間ほどの旅を嘘のように感じながら、尖沙咀へと移動した。
香港島のメインストリート、フィリピン系のナニーたちが歩道の端に何十人も座り込んでいる横を抜け、地元のコーヒーチェーンに入って一休みしてから、次の目的を果たすべく、再び歩きはじめる。
香港と言えばトラム、地元ではただ「電車」とだけ呼ばれる路面電車。地下鉄網が発達した今も、低廉な料金によって根強い支持を得ている市民の足だ。
中環でとりあえず来た電車に乗車。香港島をただ東に向かってみた。
曇天の下、車内もほの暗い。よく考えると、照明らしいものがない。いや、まったくないはずがないのだが……
画像が暗くて恐縮だが、トラムの運転台。海洋公園で見た保存車両と変わらない、日本なら昭和20年代ぐらいまでのものだ。それが、立派に現役で走っている。
停留所には名称と行先方面の双方が示されている。トラムはすべての停留所に停車するし、乗り過ごしても停留所どうしの間隔が短いので、そうそう困ることはない。
トラムは運転間隔も短く、ときには車輌が連なることもある。そして、多くの車輌に派手な広告が施してある。
土曜日の夕方、ごった返す人々。ダウンタウンという程ではないが、ハーバーシティの瀟洒な感じからすると、だいぶ香港の日常風景に近い気もする。
われわれの乗った電車は途中でメインストリートを逸れ、狭い道路を縫うように走り、競馬場の縁を回りながら、終点跑馬地(Happy Valley)に到着した。
跑馬地にいくつも並ぶ商店の中で、こんなものが。自分が日本人だからか、香港で日本製品や食品を売ると思しき店をいくつも見かける。
ここからさらに東に向かう電車に乗り換え、競馬場の縁を再び回りはじめる。途中渋滞につかまって手間取ったが、何とか抜けて再びメインストリートに戻った。
先程の支線区間は別として、トラムの本線区間では、自動車用の車線とトラムの線路が完全に分かれている。自動車が入り込むことはまずなく、トラムは自動車を気にせず走れる。
ただ、線路敷に自転車が入ってくることもある。自転車にとっても歩道と車道は面倒だし危ない。トラムならよけるのもまだ楽、ということだろう。
2階から香港の街並みを眺める。いわゆる香港っぽい繁体字のネオンサインはもちろん多いが、その中にこういうカオスも混ざっている。
カオスが混ざっているというのも変な言葉だが、まぁ、香港のイメージ通りの街並みの中に、それを攪乱するものが混ざっているのだ。そして、それも含めて香港、と思った方が適切な気もする。
乗り換えも含めて約2時間かけて、ようやく終点の東端、筲箕湾(Shau Kei Wan)に着いた頃にはすっかり日も暮れていた。
終点には、トラムの新型車両が停まっていった。ここまで同じような形式の電車ばかりを見ていたので、正直なところ驚いた。これからこういう形式が増えるのだろうか。
アパート群が立ち並び、その1階は商店や食堂。いよいよ香港市民が日常を送る風景の中を通り抜け、メトロの駅に向かう。
ここからメトロで金鐘まで向かうと、時間はたったの17分しかかからなかった。中環まで行っても20分程度であろう。あの2時間ほどの旅を嘘のように感じながら、尖沙咀へと移動した。