先月の初めに青春18きっぷを使い、中国地方を走るローカル線、芸備線と木次線を2日がかりで訪れてきました。今回は前篇として、芸備線の旅について書きたいと思います。
なお、「芸備線ってなに?」という方は"Wikipedia"の解説をどうぞ。
さて、この日は5時起きで甲子園を出発し、まずはJR在来線で岡山へ。18きっぷのシーズンということで、列車の少ない姫路から岡山の間はぎゅうぎゅう詰めの混雑でした。
岡山から伯備線に乗り換えれば、芸備線の列車の出発駅である(ちょっとややこしい言い回しですが、この理由は後で述べます)新見まで電車1本で行くことができます。
ただ、せっかくだからローカル線の風情を味わいたいので、吉備線のディーゼルカーに乗り込みます。吉備線の終点は伯備線とつながってるので、終点でまた乗り換えればいいわけです。そうですよね?
納得。
さて、ディーゼルカーの終点総社からは、伯備線の電車で新見へ。
そしてお昼前に新見に着きました。
駅前の広場には、江戸時代の大名行列のモニュメントがあります。
当時の大名行列の様子を解説した説明板。見えにくい写真で恐縮です……
駅舎から見て左手にある「縁の広場」。奥に見える馬上の人物と、手前で正座する女性の2体の銅像が置かれています。
むかしむかし、新見には京都東寺の広大な荘園「新見庄」がありました。馬上の人物こそは、室町時代にこの荘園に赴任してきた祐清上人という代官です。そして彼が新見庄で代官を務めた際、身の回りの世話をしたのが手前の女性、たまがきでした。
祐清は代官として、それまで未納が多かった年貢の取立てを行いますが、拒否するものには実力行使も辞さない厳しいものであったため、地元農民の怨嗟の的となったあげく、見回りの最中に惨殺されてしまいます。
このことを知ったたまがきは悲嘆に暮れ、祐清の葬儀の後に、東寺に対して形見の品を求める書状をしたためます。この「たまがき書状」は当時の荘園の女性による書状としては珍しく現代まで残っており、国の重要文化財にも指定されています。ただ、その後彼女の願いが叶ったかどうかは分かりません。
閑話休題。ここからはいよいよ芸備線のディーゼルカーに乗り込みます。といっても、芸備線には全線直通の列車はないため、まずは途中の備後落合まで行く列車に乗ります。
芸備線は本来新見から二駅先の備中神代が起点なのですが、備中神代が普通しか止まらない無人駅であるのに対し、新見は特急のほとんどが止まるターミナルであるため、この区間を走る列車はすべて新見まで乗り入れます。先ほど「芸備線の列車の出発駅」と書いたのも、このためです。
そして新見からある時は自転車並みのスピードで山あいを縫い、ある時は盆地を走りぬけ、備後落合にやってきました。
備後落合は芸備線と木次線が交わるターミナルで、すべての列車がここで折り返します。かつては賑わったそうですが、今では無人駅になっており、民家もきわめて少ないです(というより、見かけた記憶がありません……)
2007年4月現在の時刻表。光の加減で見えにくくなっていますが、一番右の木次線は1日3往復、しかも昼間の1本は月1回運休するのだそうです。
ここから先、三次まで行くディーゼルカーがやってきました(左)。右側のディーゼルカーは、ここから新見まで引き返していきます。
一方、1番線には木次線のディーゼルカーが入ってきました。
先ほども見ましたが、こういうローカル線では1本1本の列車が非常に貴重です。乗り逃したり、乗り間違えたりしたらそれこそ取り返しがつきません。
私はここから先ほどの三次行きに乗車したのですが、たまたま向かいに座った方が、あわれ木次線と間違えて乗り込んでしまったとのこと。気づいた時にはすでに三次に向けて出発してしまった後でした。私もどう声を掛けてよかったか、まるで分かりませんでした……
ただ、とにもかくにも終点三次にたどり着きました。
三次からは急行「みよし」号が接続しているのですが、18きっぷでは乗ることができません。
というわけで、ここからは急行の少し後に三次を出る各駅停車で広島まで向かいます。
新見から三次までは、乗り換えを除いてずっとディーゼルカーに乗り通していたのですが、ここからは列車のすれ違いも多く、そのたびに何分間か停車します。
そんな停車中に、とある駅で列車を降りて、駅舎を撮ってみました。
中にはこんなものが。これって国鉄時代のものでは……
といっている間に長い旅路も一旦終わり、広島着。記念の晩ご飯です。
ここからはかなりムチャな旅程で木次線に向かったのですが、それについてはまた後日。
なお、「芸備線ってなに?」という方は"Wikipedia"の解説をどうぞ。
さて、この日は5時起きで甲子園を出発し、まずはJR在来線で岡山へ。18きっぷのシーズンということで、列車の少ない姫路から岡山の間はぎゅうぎゅう詰めの混雑でした。
岡山から伯備線に乗り換えれば、芸備線の列車の出発駅である(ちょっとややこしい言い回しですが、この理由は後で述べます)新見まで電車1本で行くことができます。
ただ、せっかくだからローカル線の風情を味わいたいので、吉備線のディーゼルカーに乗り込みます。吉備線の終点は伯備線とつながってるので、終点でまた乗り換えればいいわけです。そうですよね?
納得。
さて、ディーゼルカーの終点総社からは、伯備線の電車で新見へ。
そしてお昼前に新見に着きました。
駅前の広場には、江戸時代の大名行列のモニュメントがあります。
当時の大名行列の様子を解説した説明板。見えにくい写真で恐縮です……
駅舎から見て左手にある「縁の広場」。奥に見える馬上の人物と、手前で正座する女性の2体の銅像が置かれています。
むかしむかし、新見には京都東寺の広大な荘園「新見庄」がありました。馬上の人物こそは、室町時代にこの荘園に赴任してきた祐清上人という代官です。そして彼が新見庄で代官を務めた際、身の回りの世話をしたのが手前の女性、たまがきでした。
祐清は代官として、それまで未納が多かった年貢の取立てを行いますが、拒否するものには実力行使も辞さない厳しいものであったため、地元農民の怨嗟の的となったあげく、見回りの最中に惨殺されてしまいます。
このことを知ったたまがきは悲嘆に暮れ、祐清の葬儀の後に、東寺に対して形見の品を求める書状をしたためます。この「たまがき書状」は当時の荘園の女性による書状としては珍しく現代まで残っており、国の重要文化財にも指定されています。ただ、その後彼女の願いが叶ったかどうかは分かりません。
閑話休題。ここからはいよいよ芸備線のディーゼルカーに乗り込みます。といっても、芸備線には全線直通の列車はないため、まずは途中の備後落合まで行く列車に乗ります。
芸備線は本来新見から二駅先の備中神代が起点なのですが、備中神代が普通しか止まらない無人駅であるのに対し、新見は特急のほとんどが止まるターミナルであるため、この区間を走る列車はすべて新見まで乗り入れます。先ほど「芸備線の列車の出発駅」と書いたのも、このためです。
そして新見からある時は自転車並みのスピードで山あいを縫い、ある時は盆地を走りぬけ、備後落合にやってきました。
備後落合は芸備線と木次線が交わるターミナルで、すべての列車がここで折り返します。かつては賑わったそうですが、今では無人駅になっており、民家もきわめて少ないです(というより、見かけた記憶がありません……)
2007年4月現在の時刻表。光の加減で見えにくくなっていますが、一番右の木次線は1日3往復、しかも昼間の1本は月1回運休するのだそうです。
ここから先、三次まで行くディーゼルカーがやってきました(左)。右側のディーゼルカーは、ここから新見まで引き返していきます。
一方、1番線には木次線のディーゼルカーが入ってきました。
先ほども見ましたが、こういうローカル線では1本1本の列車が非常に貴重です。乗り逃したり、乗り間違えたりしたらそれこそ取り返しがつきません。
私はここから先ほどの三次行きに乗車したのですが、たまたま向かいに座った方が、あわれ木次線と間違えて乗り込んでしまったとのこと。気づいた時にはすでに三次に向けて出発してしまった後でした。私もどう声を掛けてよかったか、まるで分かりませんでした……
ただ、とにもかくにも終点三次にたどり着きました。
三次からは急行「みよし」号が接続しているのですが、18きっぷでは乗ることができません。
というわけで、ここからは急行の少し後に三次を出る各駅停車で広島まで向かいます。
新見から三次までは、乗り換えを除いてずっとディーゼルカーに乗り通していたのですが、ここからは列車のすれ違いも多く、そのたびに何分間か停車します。
そんな停車中に、とある駅で列車を降りて、駅舎を撮ってみました。
中にはこんなものが。これって国鉄時代のものでは……
といっている間に長い旅路も一旦終わり、広島着。記念の晩ご飯です。
ここからはかなりムチャな旅程で木次線に向かったのですが、それについてはまた後日。
>備後落合
かつて駅員がいた頃はうどん屋のスタンドがあって、「おでんうどん」なるものが名物だったそうですが。
さて。あたくしは今静岡にいます。これから大井川鉄道のトロッコ列車に乗りに行くところで、現在準備中です。
大井川鉄道、私もまだ乗ったことがないので羨ましいです!ぜひ楽しんできてくださいね。
これをやろうとしたけど、やっぱり普通に山陽本線使ったほうが早いですよね。
だいたい上月あたりでもういっぱいいっぱいですわ。
ただ、昔は直通の汽車があったそうです。一度イベント列車か何かでやってほしいですねぇ(笑)
店のオバちゃんがおでん全種類うどんの中に入れようとしてあわてて止めた思い出がw
今でも近くのドライブインで食べられるらしいです。
この連休くらいがまともに拝めるラストチャンスだと思うので。
しかし、私だったら具は入れてもらえるだけ入れてもらいますね。せっかくだし(笑)
私も行きたいのですが、いかんせん時間と資金が……ぜひしっかりとご覧になってきてくださいね。