荒砥への列車が来るまでたっぷり時間はある。宮内駅の周囲を見てみることにした。
駅前側から見た宮内駅の駅舎。ローカル線の駅としては結構な規模であるが、1998年からもっちぃが駅長に就任される間は無人駅であった。
山形鉄道自体、多分に漏れず経営は決して楽ではない。そのような中で駅舎を維持するのは難しかっただろうし、最悪の場合解体もあり得たはずだ。あらためて、もっちぃたちの存在意義を実感した。
駅前ではうさぎではなく、鶴の像があった。「童謡(うた)と昔話(かたり)のまちかど」と刻まれている。なんでも、「鶴の恩返し」の伝承がもともと伝わっていたのはこの地域らしい。
一方の童謡は、地元生まれの童謡作家、結城よしをの存在による。大正9年に生まれた彼は17歳の時から創作活動を始め、19歳には代表作「ないしょ話」を作詞。レコード化され今日に至るまで親しまれている。
その後昭和16年に召集を受けた後、戦闘のさなかでも多くの童謡を作り続けたが、戦地で病に倒れ、昭和19年に夭折。享年わずか25歳であった(置賜の宝発掘プロジェクト「結城よしを」)。
※ ないしょ話 結城よしを作詞・山口保治作曲 根岸芳子・津々木桂子/コロムビアオーケストラ
閑話休題。宮内駅の向かいで酒屋を見つけた。私にとって旅の友は地酒。といっても高い酒を呑んでも味の違いなど分かるわけもない。地酒のワンカップで、酒にも旅の雰囲気も心地よく酔えるのだ。
となると、ここで酒を探さないなどあり得ない。意気込んで店に入って目にした酒瓶に、思わず声を上げそうになってしまった。
―「兎の宴」。
地酒「東の麓」の5合瓶なのだが、ラベルには満月の下、桜舞う中で盃を傾けるもっちぃのイラストが描かれている。しかもこのもっちぃ、かなり上機嫌である。
もっちぃのグッズは駅でいくつも見たが、まさか日本酒までできているとは……しかもこのイラスト……私は衝撃でくらくらしていた。
すると、店の奥からご婦人が出てきた。衝撃さめやらぬまま、私はあたふたしている。このままでは私はただの挙動不審者である。
とにもかくにも平静を装い、「兎の宴」を1本購入することにした。近くにワンカップもあったので、こちらも当然購入。ご婦人は「兎の宴」を箱詰めにして、ご丁寧にうさぎの干支の置物まで入れてくれた。
駅長室に戻ってきた。もっちぃは相変わらず座り込んでいる。
休憩モードのぴーたー。冷たい水で満たしたペットボトルで暑さをしのいでいる。
割合元気なてんも、お客さんが少ないせいか、のんびり丸まっている。
荒砥からの列車がやって来た。これまたもっちぃ列車である。
この列車はこの先の南陽で折り返し、再び荒砥に向かうことになる。ということは、私が荒砥に向けて乗るのは、よほどのことがないかぎりこの列車である。私は自分の幸運を喜んだ。
もっちぃ列車の先頭に描かれたイラスト。この列車に乗れるのかと思うと、今からわくわくする。
みたび駅長室。てんは水を飲んでいるらしい。
外が気になるぴーたー。
もっちぃは相変わらず駅長の貫録、お客さんが訪れても動じていない。
時間を忘れて過ごす間にも、時間は実は過ぎていく。そろそろ荒砥行の列車が来るころだ。もっちぃの注意に気をつけつつ、ホームへ向かう。
荒砥行。やはり先ほどのもっちぃ列車だ。もっちぃとの旅はまだ続くのだ。
駅前側から見た宮内駅の駅舎。ローカル線の駅としては結構な規模であるが、1998年からもっちぃが駅長に就任される間は無人駅であった。
山形鉄道自体、多分に漏れず経営は決して楽ではない。そのような中で駅舎を維持するのは難しかっただろうし、最悪の場合解体もあり得たはずだ。あらためて、もっちぃたちの存在意義を実感した。
駅前ではうさぎではなく、鶴の像があった。「童謡(うた)と昔話(かたり)のまちかど」と刻まれている。なんでも、「鶴の恩返し」の伝承がもともと伝わっていたのはこの地域らしい。
一方の童謡は、地元生まれの童謡作家、結城よしをの存在による。大正9年に生まれた彼は17歳の時から創作活動を始め、19歳には代表作「ないしょ話」を作詞。レコード化され今日に至るまで親しまれている。
その後昭和16年に召集を受けた後、戦闘のさなかでも多くの童謡を作り続けたが、戦地で病に倒れ、昭和19年に夭折。享年わずか25歳であった(置賜の宝発掘プロジェクト「結城よしを」)。
※ ないしょ話 結城よしを作詞・山口保治作曲 根岸芳子・津々木桂子/コロムビアオーケストラ
閑話休題。宮内駅の向かいで酒屋を見つけた。私にとって旅の友は地酒。といっても高い酒を呑んでも味の違いなど分かるわけもない。地酒のワンカップで、酒にも旅の雰囲気も心地よく酔えるのだ。
となると、ここで酒を探さないなどあり得ない。意気込んで店に入って目にした酒瓶に、思わず声を上げそうになってしまった。
―「兎の宴」。
地酒「東の麓」の5合瓶なのだが、ラベルには満月の下、桜舞う中で盃を傾けるもっちぃのイラストが描かれている。しかもこのもっちぃ、かなり上機嫌である。
もっちぃのグッズは駅でいくつも見たが、まさか日本酒までできているとは……しかもこのイラスト……私は衝撃でくらくらしていた。
すると、店の奥からご婦人が出てきた。衝撃さめやらぬまま、私はあたふたしている。このままでは私はただの挙動不審者である。
とにもかくにも平静を装い、「兎の宴」を1本購入することにした。近くにワンカップもあったので、こちらも当然購入。ご婦人は「兎の宴」を箱詰めにして、ご丁寧にうさぎの干支の置物まで入れてくれた。
駅長室に戻ってきた。もっちぃは相変わらず座り込んでいる。
休憩モードのぴーたー。冷たい水で満たしたペットボトルで暑さをしのいでいる。
割合元気なてんも、お客さんが少ないせいか、のんびり丸まっている。
荒砥からの列車がやって来た。これまたもっちぃ列車である。
この列車はこの先の南陽で折り返し、再び荒砥に向かうことになる。ということは、私が荒砥に向けて乗るのは、よほどのことがないかぎりこの列車である。私は自分の幸運を喜んだ。
もっちぃ列車の先頭に描かれたイラスト。この列車に乗れるのかと思うと、今からわくわくする。
みたび駅長室。てんは水を飲んでいるらしい。
外が気になるぴーたー。
もっちぃは相変わらず駅長の貫録、お客さんが訪れても動じていない。
時間を忘れて過ごす間にも、時間は実は過ぎていく。そろそろ荒砥行の列車が来るころだ。もっちぃの注意に気をつけつつ、ホームへ向かう。
荒砥行。やはり先ほどのもっちぃ列車だ。もっちぃとの旅はまだ続くのだ。
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(俺)各地で提灯
ちなみに上信電鉄で下仁田に赴いた時、「ネギ茶」なる一品を仕入れてきました。
さておき、下仁田といえば確かにネギですね。
こちらは未乗ですが、他の群馬の鉄道とまとめてカタをつけられればと。