兵どもが夢のあと

(C) IDEA FACTORY のKingdom of Chaosに参加するキャラクター、流恋楓の日記。

楽園最後の日(4)

2012年09月06日 | 日記
4,

古の国家群による総力戦
しかし、それは最期の日の序章に過ぎなかった

楽園国家エデンとジグロード傭兵団に続き、
神聖ゼア帝国に牙を剥かれた朝廷の剣であり盾である幕府も当然に動く

続いて、眠れる獅子、魔軍ヴィグリードをはじめとした各国の独立と宣戦布告

なおも変わらず、吠え猛る腐竜共の群れ


そして
魔皇軍ユル・ニィドの復活…

我等は闇の息子、狂気の娘なり
讃えよ 総ゆる邪悪を
声高に言祝ぎ謳え 死と困苦の在るを

あの言祝ぎと共に還って来たのだ、悪の華が、最後のこの瞬間に



時勢は一気に動いた、が

ここから先については俺ごときが語るには荷が重い
この戦いの行く末は、各々の胸の内で決着をつけるべきところだろう

俺は混沌の王国の歴史はその名に相応しい締めくくりを迎えた…
とだけ記して、ここに筆を置こうと思う


願わくは、
楽園の栄光と永遠の安寧を願って
この手記をエデンの戦友へ捧ぐ

楽園最後の日(3)

2012年09月03日 | 日記
3,

再興した楽園国家は寡兵ではあったが
キース王の下、楽園の旗がたなびく軍勢に全身が粟立った

ガキの頃、
伯父貴が引き合わせてくれたキース王はいつだって俺の憧れで…

いつかお仕えをする、その想いを胸に
お袋が闘技場で研鑽した技を受け継ぎ、磨きに磨いた

だけど、途中、
随分と回り道をして
色んなヤツに迷惑を掛けて
奪って、奪われて
野たれ死んで

夢にみて叶えられなかった現実が、今ここにある


キース王を固める諸将と近衛、突撃の号令を待つ歴戦の勇者、
その戦士達を見守る救護部隊と、名立たる観戦武官達

戦場を前にした、皆の嬉しそうな顔と
その場に俺が居合わせることが出来る幸運に
思わず零れた涙を 俺は誰にも見られない様に拭った


そして、キース王は静かに号令を放つ

エデン全軍と、傭兵王に指揮されたジグロードの古強者の
最後の聖戦の火蓋は今ここに切って落とされた

楽園最後の日(2)

2012年09月02日 | 日記
2,

早馬が三日前の呪竜による落城で崩れかけた城門を潜る

城壁はいまだ黒く焼け焦げて復旧は進んでいないものの
王宮の中は綺麗に片付いていた

近衛に案内された一室の扉を開け放つと、
そこにはキース王の他、既に軍務大臣、多数の将兵が集まっていた

こんな時間にってことは…予想はついていたが
そうだ、開戦だ、とキース王は力強く応えて、言葉を続ける

神聖ゼア帝国が先に動いた、
楽園国家エデンはジグロード傭兵団を伴い宣戦を布告する

その言葉で、歓喜の怒号が将兵から湧きあがった

実のところ、一週間も前に開戦の準備は整っていたが
それは呪竜によって頓挫していた
失われたと思っていた機会が、今ここに巡ってきたのだ


キース王の決断を受けた楽園国家エデンの動きは早かった
それより、一刻の後に宣戦を布告、全軍に出撃命令が響き渡る

楽園最後の日(1)

2012年09月01日 | 日記
1,

それは最後の日の草木も眠る丑三つ時

その静寂を破って、馬の嘶きと蹄の音が森に木霊した

蹄の音は徐々にこちらに近づいてくる

早馬を飛ばすなんてのは、余程の事なんだろう

きっと火急の事なんだろうと判断をして
身支度を整え、帯を締め終わるやいなや、
その早馬から降りた女が、天幕の外から俺に声を掛ける

返事をしつつ、天幕の骨を足で払って片付けて
右手の手甲で、燻ぶる火種をもみ消す

整理して少なくなった僅かな荷物を頭陀袋に詰め込むと
彼女の手を取って、早馬の後ろに乗る

目指すは、楽園国家エデン王宮
早馬は、森の陰で濃くなった夜を疾駆して南へと向かう

次回、最終話

2012年08月27日 | 日記
温めてた企画はぽっしゃっちまって
あいにくとエデンは落城しちまったが、会議室は逆に活気づいてんだ

しばらく眠りこけてた奴が
落城に気がつかないぐらいにしよーぜ、ってな具合でさ

ひゅぅ、さっすが!

どーやって元気づけようかなんて… そんな心配は杞憂だったな


終末はすぐそこ、俺は笑って終える選択をするぜ


あと4日、次の日記でぐらいでお別れになるが、最後まで宜しくな!