折々の記

釣行日誌(5)

 釣り場の様子も昔とは様変わりしたの感。近頃は休日ともなるとラヴ・ラヴ・バ・カップル(断っておくがこれは私の造語ではないぞよ)とファミリーに占領されてしまってね。おまけにそこでビール片手にわいわいがやがやバーベキュー。集中できないから他でやってくれと内心言いたくなる(が、当節は下手すれば告訴されるからね)。いったい何を釣っているのかしらん。挙句の果ては隣家のオバサンに、「だったら陸(おか)釣りやればぁ」と言われて、ハァ?マ、時代なんだろうね。彼らが帰る夕まずめから改めて此処ぞのポイントに竿をおろし、波間に明滅する赤い電子浮子を見つめながら悠々閑々として時刻(とき)を釣ってくるのだけれど。

 西洋の釣りの名人アイザック・ウォルトンは9人の子供のうち8人を戦争で失った悲しみを癒すためにダブ川に糸を垂れつつ釣り師のバイブルといわれるかの名著「釣魚大全」を残した。「Study to be quiet.(静かなることを学べ)」の一言半句が泣いているわな。ウィークデーに仕事の話はしないという不文律を知っている連中と糸を垂れるのがやはりいちばんだね。

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