磯堤防から狙う陸っぱりの鯵釣り 鯵釣亭






釣りバカGの釣行記と釣りのあれこれ

アジ釣り講座1 サビキ釣り

2019年03月01日 | アジ釣り講座
はじめに
陸っぱりで釣れる最もポピュラーな魚といえば、キス・イシモチ・アジでしょう。
中でも、アジは四季を通して魚屋の店頭に並び食味もよく、お造り、タタキ、ナメロウ、さんが焼、塩焼、フライ、から揚げ、南蛮漬、水ナマス、つみれ汁、開き等々その食べ方は他に類を見ないほど多彩な大衆魚です。

アジは、一般的には船釣りの対象と思われていますが、25cm前後までの中・小アジは防波堤周りや磯から陸っぱりの対象となります。
特に黒潮と親潮が混じわる外房の勝浦から南房の館山にかけてはアジの宝庫で四季を通して魚影も濃く、秋から早春にかけては30cmを超える大アジが接岸する絶好のチャンスです。
ごく稀にですが、この時期には50数cm・キロオーバーの超デカアジが釣れることもあります。

釣り方は、初心者やファミリーフイッシングにぴったりのサビキ釣りやトリックサビキ釣り、釣趣を楽しみたい方向きの一本バリのウキ釣り、中級者からベテランまで幅広く楽しめる投げサビキ釣りや遠投カゴ釣りと実に多彩ですが、好釣果につなげるには時期、場所、時合、仕掛け、コマセワーク、付け餌等に工夫が必要で、隣同士でも釣果に倍以上の差がでるほどに奥行きの深いものがあります。

釣れる時間帯は、夕マヅメから朝マヅメまでがベストですが、場所や日並によっては日中でも釣れますので、「アジ釣りは夕マズメから」といった固定観念を持たないことが大切です。

いずれにしても、どの釣り場にも親切な常連のベテランがいますので、その仕掛けや付け餌などを見せてもらい、参考にすることをお奨めします。
常連はその釣場をよく知っていますので、一番釣れる仕掛けや餌を使っていることが多いんです。

上手な釣り人は
① コマセ作りや仕掛け作りが手早く、釣り場に入って短時間で釣りを開始する。
② 仕掛けを点検し喰わせ餌を付ける⇒カゴに餌を詰める⇒投入する⇒巻き上る⇒アジを外す⇒クーラーボックスに入れる⇒仕掛けを点検し喰わせ餌を付けるという一連の動作がリズミカルで無駄がない。
③ ウキの負荷ギリギリにオモリや仕掛けを調整し抵抗を少なくして食い込みを良くしている。
④ 仕掛けはトラブルを減らすためにシンプルだ。
⑤ ①から④を徹底することでポイントに仕掛けが入っている時間が長くなるので釣れる確率が高い。

釣り上手になるには
① 釣り上手な人に同行してもらいコマセ・喰わせ餌・仕掛け・棚などを真似ることです。
  それが身に付いてから自分なりに工夫すれば釣りがさらに楽しくなり幅が広がります。
② 混雑している釣り場で釣果や釣技を競えば上達が早い。
③ 周りの人よりもたくさん釣りたい。1cmでも大きいのを釣りたいと努力することです。
 「負けず嫌い」は釣技の上達が早いが逆に「ボウズ上等」では上達しません。

サビキ釣り
サビキ釣りは、アジ釣りの入門にピッタリの釣法です。
釣り方は簡単ですし、遠くに投げなくても回遊していれば釣れますので、夕ご飯の食卓を彩るアジやイワシなど超新鮮な食材をゲットしてください。

水深が5m以上ある漁港の岸壁や防波堤では、竿下のサビキ釣りで入食いになることがあります。

竿は、4.5~6.3mの硬調または超硬調の渓流竿・鯉竿・硬調メバルのべ竿で、サビキ下の5号前後のオモリが竿尻より30cm短くなるようにセットするとコマセの詰め替えや取り込みなどの際に操作しやすくなります。
また、1号前後の磯竿の場合もサビキ下のオモリを同様にセットします。

注意したいのは、磯竿の場合、棚をリールで調整するとリールを巻いたり戻したりと手返しが悪くなります。
釣れる棚は日並により異なりますが、50cm程底を切って釣り始め、魚が掛かる位置により上下に竿の角度を調整して早く棚を掴むと釣果が上がります。

仕掛けの真ん中のハリに1番釣れる時は棚が合っています。
下のハリによく釣れるが上のハリにはあまり釣れない時は竿先を下げて棚まで下ろし、逆に上のハリによく釣れるが下のハリには釣れない時は竿先を上げて棚の中に仕掛けが入るようにすると一度に数尾、時にはハリの数だけアジが釣れることもあります。


網製のコマセカゴ(磯竿の時はプラスチックのコマセカゴでも可)は、鈎の上に付け、カゴにはアミエビを入れます。
ハクタカ工業 キャプラクッション細目又はハクタカ工業 リングカゴ極細目などのナイロンカゴなら水中の抵抗が少なくしゃくらなくてもコマセがパラパラ落ちますので最適かと思います。

好釣果のポイントは、釣座の選定と寄せ餌にあります。
釣座は潮通しが良く周囲より水深のある所がベストで、寄せ餌には海水で薄く溶いたイワシミンチの水コマセを切れ間なく途切れないように少しずつ撒きます。
イワシミンチは集魚効果が抜群で、使わない人より早い時間から釣れだし、撒き方によっては釣れる時間が持続しますので是非試してください。
 ※ 竿先の少し手前に水コマセを少しずつ撒きながら釣りの準備をすると、セットが終わった頃にアジが寄ってきますので、急がなくてもいいんですよ。

アタリサビキを見極めろ!
使用するサビキは、魚皮(ハゲ皮・サバ皮)・スキン(ピンク・グリーン・白)等で、15cm以下の小アジには4~6号、15~25cmなら6~9号、25cm以上なら9~10号を使いますが、魚皮・スキンの別や色は時間帯や天候等により異なります。

一般的には日中はピンク系のスキンや魚皮のサビキ、夜間やマヅメ時はグリーンや白系の蛍光スキンサビキが良いとされていますが、固定観念を持たずに、その日の当たりサビキを早く見つけることが好釣果に直結します。

hayabusaの蓄光スキンレッドや蓄光スキンフラッシュなどアピール性に優れたサビキも効果が期待できます。

サビキは、多少でも波気があれば固定で良いですが、ベタ凪の時は竿を軽く上下して躍らせると誘いの効果があります。
なお、取り込む時、アジの背ビレや腹ビレで手に傷が付きますので、フイッシンググローブかメゴチバサミは忘れずに持参しましょう。

夜釣りの場合、竿先用のギョギョライトワンタッチ SSを装着するか又はケミホタル37を道糸に通したパイプに差込み水面から20㎝ほどにセットすると見やすいし、オモリのすぐ上にケミホタル25 ミニを同様に装着すると取り込みやすくなります。






アジ釣り講座2 トリックサビキ釣り

2019年03月01日 | アジ釣り講座
トリック仕掛けもサビキ釣りと同様にアジ釣りの入門にピッタリの釣法です。
ポイントは竿下のサビキ釣りと同じですが、トリック仕掛けはそれ以上の釣果を上げるために工夫された釣法といえます。

私が実釣に使っている竿下サビキ兼用のロッドは20年ほど前に購入したNFTのPOWER LOOP水影硬調21尺と10年ほど前に購入したシマノの光風超硬調21尺です。

コマセカゴは使用せず、スピード餌付器で鈎にアミエビを擦り付け、静かに竿下に下ろすようにします。
寄せ餌は海水で薄く溶いたイワシミンチの水コマセを切れ間なく途切れないように少しずつ撒くことも同様ですが、餌取りが多い時はこまめに餌を付け直すことが釣果に直結します。

なお、市販されているトリックサビキには3号のオモリが付いていますが、アジが何匹も同時にハリ掛かりすると四方八方に暴れるので仕掛けが大変絡みやすく、ロスが増え手返しも悪くなります。
その防止策として、私は6~7号のオモリの付け替えることをお奨めしています。

また、仕掛けの全長は、竿の全長より30cmほど短くすると、左手にオモリを右手に竿尻を持ってサビキをスピード餌付器に通しやすくなり手返しが早くなります。

釣れる時間帯は、夕マヅメから朝マヅメまでがベストですが、場所や天候などによっては日中でも釣れますので、固定観念を持たないことが大切です。
私自身、数年前の秋、勝浦の川津港で朝の9時から午後3時までに15~23cmを200匹以上釣り早上がりしたことがあります。
その日は、投げサビキ釣りでも同様の入食いでしたが、手返しの早い分だけ釣果に差が出ました。

夜釣りの場合、竿先用のギョギョライトワンタッチ SSを装着するか又はケミホタル37を道糸に通したパイプに差込み水面から20㎝ほどにセットすると見やすいし、オモリのすぐ上にケミホタル25 ミニを同様に装着すると取り込みやすくなります。


トリックサビキは、一定の棚で竿を固定し静かに待つことがポイントです。
ロッドホルダーを使用すると両手があいて、アジをクーラーボックスに入れたり、お弁当を食べたりするのに大変便利です。

私は、後述のカゴ釣りやアオリイカの活き餌釣りにも大変便利な竿掛けバケツ、釣工房黒潮の「釣楽(ちょうらく)」を使用していますが、ロッドホルダーが上下左右に角度調整できますし、また、海水を入れて安定させるため大口径のバケツをベースにしていますので、コマセバケツ、水汲みバケツ、スピード餌付器等がコンパクトに収納でき、スピード餌付器やエアポンプをしっかり固定する金具が付いていて重宝しています。







アジ釣り講座3 ウキ釣り

2019年03月01日 | アジ釣り講座
へら鮒釣りをされる方や数よりもヤリトリを楽しみたい方にピッタリなのがウキ釣りです。

竿は5.1(17尺)~6.3m(21尺)のへら竿(渓流竿や鯉竿でも可能ですが長時間持ち竿の釣りであることを考えると軽量のヘラ竿がベストです。竿掛と合せて使用するとへら鮒感覚でさらに釣趣が増します。)

道糸は1.5~2号、ウキ止めゴム~遊動浮子挿~ウキ止めゴムの遊動仕掛けにするかゴム管に挿す固定仕掛けにしますが、遊動仕掛けにする場合遊動スイベルを使うと仕掛け全体のバランスが悪く振込時に仕掛けが絡んだりポイントに届かないなどのトラブルの原因となりますのでヘラブナ釣り用の遊動浮子挿をお奨めします。

ウキはへら浮子・ケミホタル25 ミニ対応の高感度のアジ・メバルウキ( EVAウキキュートB~3B・へらぶな用の小型電気ウキを使用し、ヨリモドシを介してハリス0.6~0.8号を50~70cm、ハリは小アジバリの5~7号や袖鈎の5~8号を基本にアジの大きさにより替えます。なお、浮力調整のガン玉はヨリモドシのすぐ上に付け遠心力を使って振込みます。

なお、へら浮子や20cm前後の棒ウキの場合は、トップにケミホタル25専用チューブを接着します。
ウキトップに装着するのはケミホタル25 ミニよりも球型ヘッドのウミホタル ミニの方が見やすいのでお奨めです。

また、5~6色点灯の電気浮子も見やすく使い勝手がいいのでお奨めです。

釣座は潮通しが良く周囲より水深のある所がベストで、寄せ餌には海水で薄く溶いたイワシミンチかアミエビにアジパワーを加えたコマセをウキに被せるように撒きます。
イワシミンチは集魚効果が抜群で、使わない人より早い時間から釣れだし、撒き方によっては釣れる時間が持続しますので是非試してください。
 ※ 仕掛け投入水面の少し手前にコマセを少しずつ撒きながら釣りの準備をすると、セットが終わった頃にアジが寄ってきますので、急がなくてもいいんですよ。

付け餌には大粒赤アミやオキアミのSサイズを使用します。
また、穂先の柔らかな元調子の竿を使うと20cmクラスのアジがギューン、ギューンと竿鳴りさせ、その引き味を堪能できて釣趣が増します。





アジ釣り講座4 投げサビキ釣り

2019年03月01日 | アジ釣り講座
防波堤や漁港の岸壁からの効率的な釣法の一つに投げサビキ(飛ばしサビキ)釣りがあります。
サビキ釣りをマスターしたら、遠めの回遊ルートを狙う投げサビキへとステップアップしましょう。

竿下には寄らなくても、釣座沖15~60m程度を回遊しているアジがターゲット、活性が高い時期や朝夕のマズメには有効な釣法です。

また、夏から秋に掛けての潮通しが良い防波堤や漁港の岸壁に、ソウダガツオ・ワカシ・ショウゴ・サバなど30~40cmの青物が回遊することがあります。
ハリスとハリを1~2号アップさせるだけで狙うことができます。

チョイ投げサビキ釣り
漁港岸壁や波止堤防などから15~30m沖を回遊するアジを狙うチョイ投げサビキ釣りではで3号450~530の遠投磯竿が適しています。

リールは、ナイロン5号を100m前後巻ける小型スピニング、シマノの5000番かダイワの3500番、PE使用なら2~3号を150m巻ける小型スピニング、シマノの4000番かダイワの3000番に、ラインキャパシティの8~9割程度巻くとトラブルが少なく使い勝手が良いので参考にしてください。

8~10号負荷の中通し発泡ウキかサビキウキを使用し、コマセカゴを介してサビキバリを付け、サビキの躍り(動き)を良くするためにウキの負荷より1号程度軽いナスオモリを付けます。

チョイ投げでは、市販のサビキ6本バリをそのまま使います。

アジは棚を釣れ!
ウキ下は、1.5~3ヒロ(カゴまで約2.2~4.5m)を基本にその日その時間の棚を早くつかみ調整すると釣果が上がります。
アジの棚(泳層)は、季節・時間帯・天候・海水温などによって異なります。
上バリばかりにヒットするようなら棚を上げ、逆に下バリばかりにヒットするようなら棚を下げて真ん中とその上下のハリにヒットするように調整すると好釣果につながります。
アジは深い所を回遊しているから底近くを釣れという話を見聞きしますが、それは間違った固定観念です。
水深10mの場所で上から矢引き(70cm)に棚取りしても上バリばかりにヒットすることがよくあります。

アタリサビキを見極めろ!
使用するサビキは、幹糸3号以上の魚皮(ハゲ皮・サバ皮)・スキン(ピンク系・ブルー系)等で、15cm以下の小アジには金袖5~6号、15~25cmには金袖7~8号、26cm以上であれば金袖9~10号を使用しますが、魚皮・スキンの別や色は時間帯や天候等により異なりますので、その日の当たりサビキを早くつかむことが大切です。

私の実釣では、がまかつのハゲ皮付き金袖サビキ」、ハヤブサ小アジ専科の「ツイストスキン ケイムラレインボー」「リアルアミエビ」「リアルシラス」「135白スキン」、オーナーばりの「アミエビ実寸サビキピンクギジ」などは実績があります。

付け餌は使用しませんが、日並により付けた方が釣果が上がる時もあるので、複数で釣行する時は各自がアミエビやイカタンなど別の餌を付けたり、また異なる深さを攻めて早く棚を掴むなど工夫します。

追い食いさせろ!
アジがアタってすぐに回収すると最初にあたったアジしか釣れないんです。
心当たりがあるんではないでしょうか?
アジのアタリが絶妙の誘いになって次々に追い食いしますので、2~3回(約10秒)沈んでから軽く竿を立て(これも誘いです。)、アジのアタリを竿先に感じながら巻き上げてください。
つまり、追い食いさせることが数釣りの秘訣なんですね。
是非実行してください。

遠投サビキ釣り
カゴアジ兼用の竿は、遠投磯竿インナー(中通し)の3~5号・5.2m又は外ガイドの3~5号・4.5~5.2mを使用します。
日中なら外ガイドでもラインの絡みを目視で確認できますが、夜釣りの場合はラインの穂先絡みやガイド絡みによる高切れなどのトラブル防止のためにインナーがお奨めです。

私が実釣に使っているのは、
インナーガイドロッド
 ダイワプレッサドライ5-52遠投・F(遠投カゴ釣り兼用)
 シマノブルズアイ4-520遠投P SI(遠投カゴ釣り兼用)
アウトガイドロッド
 ダイワ大島磯遠投4-53遠投・F(遠投カゴ釣り兼用)
 シマノブルズアイ4-520遠投PTS(遠投カゴ釣り兼用)
 宇崎日新エアステージISO5-450遠投(ヒラメの泳がせ兼用)
 宇崎日新SUPERSQUARE RX ISO HD4-450遠投(アオリイカの泳がせ兼用) 
です。

リールは、ナイロン5~6号を150m前後巻ける中型スピニング、シマノの6000番かダイワの4000番、PE使用なら2号か3号を150~200m巻ける中型スピニング、シマノの5000番かダイワの3500番に、ラインキャパシティの8~9割程度巻くとトラブルが少なく使い勝手が良いので参考にしてください。

私が実釣使っているのは、
 ダイワブラディア3500(PE3-200)
 ダイワカルディア4000(PE3-250)
 シマノナスキーC5000(PE3-190)
 シマノバイオマスターC5000(PE3-190)
 シマノバイオマスター6000(PE3-300)
で、メーカースペックラインキャパシティ()内の80~90%を巻いています。

10~15号負荷のカン付きまたは中通し発泡ウキ、コマセカゴを介してサビキバリを付け、サビキの躍り(動き)を良くするためにウキの負荷より1~2号程度軽いナスオモリを付けます。

なお、市販のサビキは全長が長く投入しづらい場合は慣れるまで3~4本に切って使うか3本バリの「遠投サビキ仕掛け」が良いでしょう。
50m以上の超遠投では3本バリの幹糸4号の「遠投サビキ仕掛け」を使います。

アジは棚を釣れ!
ウキ下は、1.5~3ヒロ(カゴまで約2.2~4.5m)を基本にその日その時間の棚を早くつかみ調整すると釣果が上がります。
アジの棚(泳層)は、季節・時間帯・天候・海水温などによって異なります。
上バリばかりにヒットするようなら棚を上げ、逆に下バリばかりにヒットするようなら棚を下げて真ん中とその上下のハリにヒットするように調整すると好釣果につながります。
アジは深い所を回遊しているから底近くを釣れという話を見聞きしますが、それは間違った固定観念です。
水深10mの場所で上から矢引き(7cm)に棚取りしても上バリばかりにヒットすることがよくあります。

アジの棚とポイントのイメージ
漁港防波堤(波止)や沖堤(一文字堤防等)あるいは磯からの陸っぱりで狙うアジは、回遊するポイントの棚(泳層)に仕掛けを投入しなければ釣れません。
ポイントと棚(泳層)は、アジの群れの大小・活性・海水温・潮の濁り・季節・時間・潮汐・天候・海底の起伏・潮通おしなどによって刻々と変化しますので、その日その時間のポイントと棚を見極めることが釣果に直結するといえます。

仕掛けの真ん中のハリに1番釣れる時は棚が合っています。
下のハリによく釣れるが上のハリにはあまり釣れない時はウキ止め糸を下げて棚まで下ろし、逆に上のハリによく釣れるが下のハリには釣れない時はウキ止め糸を上げて棚の中に仕掛けが入るようにすると一度に数尾、時にはハリの数だけアジが釣れることもあります。


アタリサビキを見極めろ!
使用するサビキは、幹糸3号以上の魚皮(ハゲ皮・サバ皮)・スキン(ピンク系・ブルー系)等で、18cmまでの小アジには金袖やアジの5~6号、19~25cmまでの中アジには金袖やアジの6~8号、26cm以上であれば金袖やアジの9~10号を使用しますが、魚皮・スキンの別や色は棚同様に時間帯や天候等により異なりますので、その日の当たりサビキを早くつかむことが大切です。サビキは、振り切りの強度を考えて幹糸3号以上のものを選びましょう。

私の実釣では、がまかつのハゲ皮付き金袖サビキ」、ハヤブサ小アジ専科の「ツイストスキン ケイムラレインボー」「リアルアミエビ」「リアルシラス」「135白スキン」、オーナーばりの「アミエビ実寸サビキピンクギジ」などは実績があります。

私が道具箱に入れ持ち歩いているサビキ及び遠投サビキ仕掛けは遠投カゴ釣りの下に載せていますので参考にしてください。
私の使っているサビキの一部

また、付け餌は使用しませんが、日並により付けた方が釣果が上がる時もあるので、複数で釣行する時は各自がアミエビやイカタンなど別の餌を付けたり、また異なる深さを攻めて早く棚を掴むなど工夫します。

同じポイントを集中して攻めることにより、コマセが効いて釣果が上がりますので、各自別々のポイントを作らないことが大切です。

潮流が右から左に流れ、狭いポイントだけアタルような時、仲間同士の釣行でしたら、潮上に投げた人が仕掛けの流れとともに左に移動し、次の人が潮上に投入、最初の投入者がアタリの遠い地点に流れた仕掛けを回収し、コマセを詰めたら潮上に投入するようにすると、ポイントに集中してお祭りすることを防げますし、気持ちよく、仲良く、公平に釣ることができます。

手返しよく釣るために、マイポイントはできるだけ近くに作るようにします。
ポイントを遠くに作るとコマセが潮流に乗って沖に流れ、やがては遠投しても届かなくなってしまいます。

誘って食わせろ!
投げサビキでよく釣れる釣場は、漁港内とか静かなところが多いんです。
そのような場所で釣果に差が出るとすれば、考えられる原因は一つだけです。
サビキ釣りはサビキが踊って餌のように見せるからアジが食いつきます。
静止した状態ですとアジからは餌に見えないんですよ。

カゴが棚に着いた時に、竿を軽くしゃくるとコマセが流れ出し、同時にサビキが躍りアジに餌だと思わせるんですね。これが誘いです。
2分ほど流してから、もう一度竿を軽くしゃくると残りのコマセが流れ、サビキも躍ってアジを誘いますが、しばらく流してアタリがなければ回収します。

追い食いさせろ!
アジがアタってすぐに回収すると最初にあたったアジしか釣れないんです。
心当たりがあるんではないでしょうか?
アジのアタリが絶妙の誘いになって次々に追い食いしますので、2~3回(約10秒)沈んでから軽く竿を立て(これも誘いです。)アジのアタリを竿先に感じながら巻き上げてください。
つまり、追い食いさせることが数釣りの秘訣なんですね。
是非実行してください。

コマセは、アミエビ2キロ(1/8カット)にアジパワー1袋を混ぜます。
また、イワシミンチを混ぜると集魚効果が高まりますが、いずれの場合も水分調整をして投入時にコマセが飛散しないよう心がけてください。
コマセを頭から浴びることは、他人の場合はもちろん、自身のコマセでも不愉快なものです。

夜釣りにはケミホタルの75・100・120やヒロミ産業(株)のトップライト大を飛距離によって使い分けます。
ケミホタルを使っている人が多い時や月夜で海面が見難い時は赤く光るトップライト大がいいでしょう。リチウム電池を使用しますので、点灯・消灯をコマメにすれば長持ちして経済的です。

なお、市販のプラ製コマセカゴはナイロン系のラインが通されていますが、投入時に中折れして仕掛けが絡みやすく、バランスも悪く飛ばないので、キス用テンビンでサビキカゴを自作することをお奨めします。


釣る人と釣れない人
「糸の縺れを解く人はよく釣れる」という格言がありますが、遠投カゴ釣りの場合釣果の差はどこに原因があるのでしょうか?

[よく釣る人]
① 釣り場に着いてから第1投までの時間が短い。② コマセを惜しまない。
 釣れだすまではポイント作りのために同じ場所に全開で投げコマセを振ってアジを集めている。
③ 釣れだすまでは小まめに棚を探っている。
④ 釣れだすまでは仕掛けや付け餌を替えて当日のアタリ仕掛けやアタリ餌を見付けようとしている。
⑤ 仕掛けの縺れ、ハリスの撚れ、ハリの折れや伸び、刺し餌(付け餌)、ウキ止めの点検を投入前に必ずやっている。
⑥ 夕マズメから朝マズメまでの間に、投げサビキ⇒遠投カゴ釣り⇒投げサビキと活性に応じてリレーしながら効率よく釣っている。
⑦ 投入ポイントがぼ同じ場所である。
⑧ 投入し棚に届いたとき、少し流したときに必ず竿を煽ってコマセを放出してアジを寄せている。
⑨ 仕掛けを点検し喰わせ餌を付ける⇒カゴに餌を詰める⇒投入する⇒巻き上げる⇒アジを外す⇒クーラーボックスに入れる⇒仕掛けを点検し喰わせ餌を付けるという一連の動作がリズミカルで無駄がない。
⑩ アタリがあってもすぐに巻かず軽く竿を立てて追い食いさせている。

[釣れない人]
① 釣り場に着いてから仕掛け作りなどに手間取り第1投までの時間が長い。
② コマセカゴの目を絞って回収した時にコマセがカゴに残っている。
③ 釣れても釣れなくても棚を変えようとしない。
④ 仕掛けや付け餌を替えようとしない。
⑤ 仕掛けの縺れ、ハリスの撚れ、ハリの折れや伸び、刺し餌(付け餌)、ウキ止めの点検をしない。
⑥ 夕マズメに釣れた投げサビキこだわり遠投カゴ釣りにリレーしない。
 年間30回前後釣行していますが、夕マズメ終了後も投げサビキに釣れ続いた経験は年間1~2回程度です。
⑦ 投入ポイントが毎回違う場所である。
⑧ 投入し棚に届いても、竿を煽ってコマセを放出しないのでアジが寄らない。
⑨ 仕掛けを点検し喰わせ餌を付ける⇒カゴに餌を詰める⇒投入する⇒巻き上げる⇒アジを外す⇒クーラーボックスに入れる⇒仕掛けを点検し
  喰わせ餌を付けるという一連の動作にリズムがなく無駄が多い。
⑩ アタリがあるとすぐに巻き上げ追い食いさせていない。







アジ釣り講座5 遠投カゴ釣り

2019年03月01日 | アジ釣り講座
カゴ釣りの一番の利点は、遠いポイントへの遠投が可能なこととコマセが仕掛けや付け餌と同調することにあり、アジ釣りでは投げサビキと並んで幅広い層が楽しめる釣法です。
遠投カゴ釣りをやってみたいけど難しそうだと踏み出せない釣り人が多いと思いますが、投げサビキより楽に遠投できてますし、夕マズメが終わって暗くなってからは投げサビキに釣れなくても遠投カゴ釣りには食ってきますので夜釣りをされる方にはいち推しです。是非チャレンジしてください。
少し沖めを回遊する中アジ・大アジを狙って遠投しましょう。

また、夏から秋に掛けての潮通しが良い磯や漁港の岸壁に、ソウダガツオ・ワカシ・ショウゴ・サバなど30~40cmの青物が回遊することがありハリスと鈎を2号アップさせるだけで狙うことができます。

磯の生え根や堤防のテトラポットの先から抜き上げることや遠心力と弾力でより遠投するために、投げサビキ兼用の竿は遠投磯竿インナー(中通し)の3~5号・5.2m又は外ガイドの3~5号・5.2mを使用します。
夜釣りがメインですので、ラインの穂先絡みやガイド絡みによる高切れや穂先折れなどのトラブル防止にはインナーがお奨めです。

私が実釣に使っているのは、
インナーガイドロッド
 シマノブルズアイ4-520遠投 P SI 
 ダイワプレッサドライ5-52・F遠投(磯の青物兼用)
 ダイワEMBLEM ISO5-52遠投
アウトガイドロッド
 シマノブルズアイ4-520遠投 PTS(磯の青物兼用)
 ダイワSHIDEN METAL SNIPER 4-53 遠投(磯の青物専用)
 ダイワ大島磯遠投4-53遠投・F(磯の青物兼用)
 ダイワプロ磯T4-53EB
 宇崎日新エアステージISO5-450遠投(ヒラメの泳がせ兼用)
 宇崎日新SUPERSQUARE RX ISO HD4-450遠投(アオリイカの泳がせ兼用)
です。


リールは、ナイロン5~6号を150~200m前後巻ける中型スピニング、シマノの6000番かダイワの4000番、PE使用なら2~3号を150~200m巻ける中型スピニング、シマノの5000番かダイワの3500番に、ラインキャパシティの8~9割程度巻くとトラブルが少なく使い勝手が良いので参考にしてください。

私が実釣に使っているのは、
 ダイワブラディア3500(PE3-200)
 ダイワカルディア4000(PE3-250)
 ダイワトーナメントISO5000遠投(PE4-350)[ヒラマサなど磯の青物専用]
 シマノバイオマスターC5000(PE3-190)
 シマノナスキーC5000(PE3-190)
 シマノバイオマスター6000(PE3-300)[ヒラマサなど磯の青物・ショワジギ兼用]
で、メーカースペックラインキャパシティ()内の80~90%を巻いています。

高比重に加工されたサスペンドタイプやシンキングタイプのPEなら、風や波による糸フケを抑えますので、スピニングリールでの遠投カゴ釣りに最適な道糸としてお奨めします。

ウキは、遠投する場合は10~15号負荷のカン付き又は中通し発泡ウキ、40mまでなら8~10号負荷のカン付き又は中通し発泡ウキを使用します。
私が最近使ってるのは、ウメズの遠投カゴボンバーやナイトアバター・釣研レッドシャトル・アマノバージョンパトリオット天使の矢・渚の遠投師遠投LED電気ウキなどの10~15号です。
遠投が効きますし飛行姿勢が安定しているため1.5号のハリスを使っても仕掛けがらみが少なくお奨めです。


オモリはカゴの材質や大きさにより異なりますが、10号負荷のウキにはオモリ負荷ギリギリ10号で試してみて視認できる範囲で調整します。
ウキの負荷表示はメーカーにより異なりますので現地で調整しますが、天秤プラカゴでしたらウキの負荷と同号のオモリを、ステンレスのアミカゴでしたらオモリ負荷より1号か2号軽いオモリを使います。

カゴはテンビンやオモリと一体となったプラカゴ、ステンレス網カゴ(極細目)、カゴ釣り専用ナイロンカゴなどを使用します。
私が考案したカゴ天秤「良竿スペシャル」は投入時の空気抵抗や巻き取り時の水の抵抗が少ないため、飛距離を伸ばせますし釣れた場合の回収も楽です。

アジは棚を釣れ!
ウキ下は、1.5~3ヒロ(カゴまで約2.2~4.5m)を基本にその日その時間の棚を早くつかみ調整すると釣果が上がります。
アジの棚(泳層)は、季節・時間帯・天候・海水温・群れの大きさなどによって異なります。
アジは深い所を回遊しているから底近くを釣れという話を見聞きしますが、それは間違った固定観念です。
水深10mの場所で上から矢引き(75cm)に棚取りしたら入れ食いなんてことがよくありますのでウキ止めの位置を調整しながら効率よく釣りましょう。

棚ボケしないウキ止め
遠投カゴ釣りや投げサビキ釣りではしっかり棚取りするためにウキ止めをガッチリと結ぶことが不可欠です。
ウキ止めはゴム製のものと糸タイプのものがありますが、重い仕掛けの遠投を繰り返すカゴ釣りではウキ止めゴムでは数回投げただけでガイドに当たったゴムがずれて棚ボケしてしまいますのでウキ止め糸を使います。

溝の付いた軸にラインを通して糸の両端を引き絞りながら絞め込むタイプのウキ止め糸は初心者でも簡単に結べます。
また、スプール巻きタイプのものはウキ止め糸の結び方を覚えれば簡単に結べます。

スプール巻きウキ止め糸の結び方
 (株)釣研の図解「ウキ止め糸の結び方」
 (株)ラインシステムの動画「ウキ止めの作り方」

ウキフカセ釣りの場合はウキが軽いため3~5回巻きで止まりますが、遠投カゴ釣りや投げサビキ釣りでは7回巻きと5回巻きの2連や3回巻きを加えた3連を1ヶ所にまとめてしっかり止めます。
1回の釣行で10~15回ウキ止め糸を動かす私は3連で止めています。

なお、ピンク・イエロー・オレンジ・グリーンなど蛍光色となっていますので、ウキ止め位置を視認するためにラインと対照的な目立つ色を選びましょう。
また、使用するラインの種類や太さ、アウトガイドかインナーガイドかなどによってそれに適合するウキ止め糸が各メーカーから発売されています。

遠投カゴ釣りや投げサビキ釣りでは、ポイントの水深・時間帯・狙う魚によってウキ止め糸を動かすことがよくあります。
絞め込むときは水で濡らしながら両端を少しずつ引いて巻いたコブの中心が膨らむように締め込みます。
棚を替えるためにウキ止め糸を動かすときはバケツに汲んだ海水の中で行ってください。
摩擦熱でラインを傷めるだけでなくPEラインの場合は指先をやけど(火傷)しますのでご注意ください。

近くで食わせろ!
遠投カゴ釣りでの数釣りの重要なポイントのひとつは近くで食わせることです。
100m先でも80m先でも食うなら80mで、80m先でも50m先でも食うなら50mで、50m先でも30m先でも食うなら30mへ投入するようにします。
100m先で食わせるよりも30m先で食わせたほうが巻き取る時間と体力の消耗を減らせ手返しが良くなり効率よく数を伸ばせますし、ハリが上下の固い顎に刺さっていれば問題ないものの、左右の軟らかい口縁に刺さった場合は巻きあげる途中でハリ穴が広がりすっぽ抜けたり口切れによるバラシが増えるからです。
また、近くのポイントにコマセを集中させることで周辺にいるアジを集めることができますので可能な限り近くにポイントを作って効率よく釣りましょう。

アジの棚とポイントのイメージ
漁港防波堤(波止)や沖堤(一文字堤防等)あるいは磯からの陸っぱりで狙うアジは、回遊するポイントの棚(泳層)に仕掛けを投入しなければ釣れません。
ポイントと棚(泳層)は、アジの群れの大小・活性・海水温・潮の濁り・季節・時間・潮汐・天候・海底の起伏・潮通おしなどによって刻々と変化しますので、その日その時間のポイントと棚を見極めることが釣果に直結するといえます。


アジのカゴ釣り(カゴアジ)仕掛けは3つのパターン
アジのカゴ釣り仕掛けは3つのパターンがあります。
[パターン1]
市販のサビキには6~8本のサビキバリが付いていますがこれを2本目か3本目のハリスの下で幹糸を切りフロロカーボンハリスを足して全長が80~100cmにします。
サビキは、ハゲ皮・サバ皮・ピンクスキン・白スキン・蛍光グリーンスキンなどでその日その時のアタリサビキをいち早く見つけると釣果がアップします。
刺し餌(付け餌)を付けないこの仕掛けは「天秤サビキ」とか「カゴ釣りサビキ」などと呼ばれています。
夕マズメや朝マズメ前にアジが就餌スイッチが入る直前で、投げサビキにリレーする前に有効な仕掛けです。

[パターン2]
市販のハゲ皮サビキを2本目か3本目のハリスの下で幹糸を切りフロロカーボンハリスを足して全長が80~100cmにします。
刺し餌(付け餌)は、アミエビ・オキアミ・イカタン・パワーイソメを使います。
夕マズメの投げサビキに食わなくなる暗くなってから有効な仕掛けで、投げサビキはコマセと同調させることができませんが、この仕掛けはコマセと同調し漂うような動きと付け餌がアジの食い気を誘います。
投げサビキに食わなくなってからこの仕掛けにリレーすると再び釣れだします。

[パターン3]
30cmオーバーの尺アジやイサキが釣れる磯などで有効な仕掛けです。
ハリはチヌ1~2号・金袖9~10号・アジ9~10号、ハリスはフロロカーボンの2~3号、幹糸はフロロカーボンの3~4号で2本バリで仕掛けの全長は120~150cmにします。
刺し餌(付け餌)は、オキアミ・イカタン・アオイソメ・アカイソメを使い、アオイソメ・アカイソメはチモトが隠れるまで扱き上げタラシは1~3cmです。
25cmまでのサイズならパターン1か2を、30cmオーバーやイサキが釣れる場所ではパターン3を使い分けることをお奨めします。



くわせ餌別仕掛け
オキアミ・赤イソメ・イカタンをくわせ餌にして大アジやイサキなどを狙う時は、フロロカーボンの幹糸ハリス3号70~80cm、フロロカーボンハリス2号に金袖8~10号や金チヌの1~2.5号、アジ鈎8~10号などを結び全長120~150cmの2本バリ仕掛けにします。

また、アミエビ・オキアミ・アオイソメ・パワーイソメ・イカタンをくわせ餌にして中小アジを狙う時は、フロロカーボンの幹糸ハリス2号50~60cm、フロロカーボンハリス0.8~1.5号に金袖6~8号や金チヌの1号、アジ鈎7~8号などを結び全長80~100cmの2本バリ仕掛けにします。

パワーイソメやイカタンをくわせ餌にしたりくわせ餌を付けずに中小アジを狙う場合は、市販のサビキを2~3本に切り、全長が80~100cmになるようフロロカーボン2.5~3号のハリスを足して調節し吹流し状で使用します。

くわせ餌
くわせ餌は、朝夕のマヅメ時や日中は大粒赤アミやM又はLサイズのオキアミが効果的ですが、夜間は青イソメ(タラシは10~20mm)やイカタンに分があります。
なお、バイオワームは廃番となり釣具量販店の店頭から姿を消していますので、パワーイソメなど他の人工餌を使うことになります。

マルキューのプロモーションビデオ「パワーイソメ」~入れ食いも狙える、アジのカゴ釣り~ では開発に携わったフィッシングライターでありマルキューのフィールドテスターでもある林賢治さんが外房のカゴ釣りをレポートしています。

私はまだ何袋かバイオワームを冷凍してますが、このバイオワーム以外では自作のイカタンを使っています。
メーカーさんにはバイオワーム(競技キス3mm)をアジ用として再度販売してほしいし、同サイズの発光する白いバイオワームを開発してほしいと願っています。

イカタンの作り方
 冷凍スルメイカのエンペラと足を外して割き皮を剥きます。
 作るのは2種類です。
 ① 長さ1.5cm、幅3~4mmの小さな短冊状に切り食紅(食用色素赤)をまぶして完成です。
 ② 縦横高さすべて4~5mmの立方体に切り食紅(食用色素赤)をまぶして完成です。
 これを小さなタッパー3つに小分けして冷凍保存し、釣りにはその1つを持って行きます。

1杯の冷凍スルメイカで10~15回の釣行(1回の実釣5~6時間)が可能ですのでコスパに優れています。


なお、南房の尺アジには、細めのアカイソメを2.5~3cm又は中太のアオイソメをそのままハリに通してハリスまでこき上げるかイカタンのチョン掛けがお奨めです。
時間帯別のくわせ餌は固定観念を持たずに何種類か持っていって試されることをお勧めします。


釣る人と釣れない人
「糸の縺れを解く人はよく釣れる」という格言がありますが、遠投カゴ釣りの場合釣果の差はどこに原因があるのでしょうか?

[よく釣る人]
① 釣り場に着いてから第1投までの時間が短い。
② コマセを惜しまない。
  釣れだすまではポイント作りのために同じ場所に全開で投げコマセを振ってアジを集めている。
③ 釣れだすまでは小まめに棚を探っている。
④ 釣れだすまでは仕掛けや付け餌を替えて当日のアタリ仕掛けやアタリ餌を見付けようとしている。
⑤ 仕掛けの縺れ、ハリスの撚れ、ハリの折れや伸び、刺し餌(付け餌)、ウキ止めの点検を投入前に必ずやっている。
⑥ 夕マズメから朝マズメまでの間に、投げサビキ⇒遠投カゴ釣り⇒投げサビキと活性に応じてリレーしながら効率よく釣っている。
⑦ 投入ポイントがほぼ同じ場所である。
⑧ 投入し棚に届いたとき、少し流したときに必ず竿を煽ってコマセを放出してアジを寄せている。
⑨ 仕掛けを点検し喰わせ餌を付ける⇒カゴに餌を詰める⇒投入する⇒巻き上げる⇒アジを外す⇒クーラーボックスに入れる⇒仕掛けを点検し
  喰わせ餌を付けるという一連の動作がリズミカルで無駄がない。

[釣れない人]
① 釣り場に着いてから仕掛け作りなどに手間取り第1投までの時間が長い。
② コマセカゴの目を絞って回収した時にコマセがカゴに残っている。
③ 釣れても釣れなくても棚を変えようとしない。
④ 仕掛けや付け餌を替えようとしない。
⑤ 仕掛けの縺れ、ハリスの撚れ、ハリの折れや伸び、刺し餌(付け餌)、ウキ止めの点検をしない。
⑥ 夕マズメに釣れた投げサビキにこだわり遠投カゴ釣りにリレーしない。
 年間30回前後釣行していますが、夕マズメ終了後も投げサビキに釣れ続いた経験は年間1~2回程度です。
⑦ 投入ポイントが毎回違う場所である。
⑧ 投入し棚に届いても、竿を煽ってコマセを放出しないのでアジが寄らない。
⑨ 仕掛けを点検し喰わせ餌を付ける⇒カゴに餌を詰める⇒投入する⇒巻き上げる⇒アジを外す⇒クーラーボックスに入れる⇒仕掛けを点検し
  喰わせ餌を付けるという一連の動作にリズムがなく無駄が多い。


よく釣る人は臨機応変
カゴアジ釣りにぴったりな四字熟語は臨機応変、その時その場に応じて「仕掛け」「付け餌」「棚」など適切な手段をとる人、たくさんのバリエーションを持っている人は釣り上手です。

スピニング仕様か、両軸仕様か
大物のマダイやヒラマサなどを狙う釣り人に、ABUの6500番の両軸リール愛用者が増えています。
使用ラインはターゲットにより5~8号のナイロン系を200m程度巻き、竿は両軸専用の5.2~6.2m、3~5号を使います。
両軸仕様のタックルは、習熟することにより遠投できることと、平行巻のためパワーが発揮できることにありますが、バックラッシュなどのライントラブルを起こしやすいため、よほど練習しないと上手く投入できませんので、上級者向と考えてください。

大型スピニングリール(ダイワ5000~5500遠投タイプ)に5~8号のナイロン系を200m、あるいは中・大型スピニング(ダイワ4500~5000遠投タイプ)にPEの4号を250m(ダイワのUVF 磯センサー+Siは250m巻)巻いた仕様でも、大物のマダイやヒラマサなどにも十分対応できますし、ベテランの中にも両軸は使用しないという釣師が多いのも事実です。

私も使い勝手がよい中大型スピニングリールに4-520のインナーガイドやアウトガイドのロッドを多用しています。

両軸仕様の竿にスピニングリールの組合せ、逆にスピニング仕様の竿に両軸リールの組合せでは、リールシートの位置や握る位置が異なるため互換性がありませんので、各自のスタイルやメインターゲットを考えて購入してください。


その他の留意点
仕掛けがカゴやウキに絡まるトラブルの相談を度々受けますが、ハリスをフロロカーボンにして着水寸前にサミングすると絡まる頻度が大幅に減ります。
また、中通しウキからウメズ遠投カゴボンバー・天使の矢AMANOバージョンパトリオット・ピアレ超遠投ウキ・サンナー遠投カゴウキなどのカン付きプロペラウキに替えると絡みトラブルが激減します。

釣り始めは、コマセカゴの目を全開にし、ウキが立ったら竿を大きく煽ってコマセを振り出して1~2分流し、もう一度煽って1~2分流して、あたりが無ければ回収します。
アジの活性が高くポイントに集まって投入たびに入れ掛かるようになったら、コマセカゴの目は半開から3分の1まで絞っても良いでしょう。

サビキを選ぶ時の注意点ですが、
例えば、がまかつのハゲ皮サビキ金袖7号でも、幹糸4号-ハリス2号は活性が高い時の投げサビキに、幹糸3号-ハリス1.5号は通常時の投げサビキに、幹糸2号-ハリス1号はカゴ釣りにと使い分けます。
幹糸2号-ハリス1号を投げサビキに使うと幹糸が切れてしまいますし、その逆に幹糸3号-ハリス1.5号をカゴ釣りに使うと食いが落ちます。

同じメーカー、同じ種類、同じ号数のサビキでも幹糸とハリスの号数(太さ)が異なりますので、釣法に適ったものを選んでください。