「どうしたんだい、お菊ちゃん。」
息を切らし飛び出してきたお菊を、八兵衛は呼び止めた。
「あっ、はっつぁん!大変なの。ひどいの!」
お菊が指差す先には、目を疑うような光景が広がっていた。
「こいつぁ、ひでえ!」
そこは、お菊と亭主が寝泊まりしてた古いツバメの巣…。
なんという事だろう。
キラキラと太陽を反射して光る
ヒモ状の物が下げられていて、巣に入れない。
「アタシね、はっつぁん。
あの人が逝ってからも、あの人の思い出と共に
あの巣で眠っていたの。」
「知ってるよ。お菊ちゃん。」
お菊と八兵衛は幼馴染。
冷たい雨がそぼ降る去年の師走の朝…。
お菊の亭主は、天に召されていった。
八兵衛はそれを見ていた。
巣の下で動かなくなった亭主と
それを遠くから見つめるお菊。
まるで昨日の事のように
八兵衛の脳裏によみがえった。
お菊と亭主の思い出の巣が
ニンゲンの手でヒドイ事になっていた。
「お菊ちゃん、いいよいいよ。
今夜はおいらの家に泊りなよ。」
幼馴染のお菊を憎からず思っていた八兵衛は
思わずそう呟いた。
「ありがとう。はっつぁん。」
いつも優しい幼馴染の言葉…。
お菊は迷わずそう答えた。
辺りが薄暗くなってきた頃…。
ふたりの小声が聞こえてきた。
くすくす。くすくす。
「ふたりで泊まるには、ちょっと狭いわね。」
「ほら、もうちょっとこっち。寄りなよ。」
…
え?あれっ?!
2羽いるよ!
えっ?何で?
あっ、飛んだ!逃げちゃった!
◆
暗くなってきた頃、玄関のいつもスズメが1羽で寝てる所に
今日は何故か2羽、泊まっていました(^_^;)
今日の昼間、ベランダの古巣にスズメが出入りして仕方ないので
スズメ避けにクリスマスのキラキラモールを
下げたのでした。
そのせいか、玄関の巣台でいつもは1羽で寝てたスズメが
今夜は2羽になっていた!
これはきっと、こういうストーリーがあったに違いない!と。
ふははは~♪
え?酔ってませんよぉ。
ホントです。飲んでないもん。
◆◇◆
さて、本題。
これは去年、1回目の子育てに使われたツバメの巣。
壊れているのは、ワタシが撤去しようとして
途中でやめたから。
おや?泥がついてますね。
パッション君。一人で巣の補修?
去年、2回目に使われた方の巣は
スズメが出入りしてたので
それを嫌って、こっちを使おうと
補修してるみたいです。
パッション君。頑張れ。