雨だったり寒かったりして、
しばらく姿が見えなかったパッション君。
それから何日かたち…どこかへ行ってしまったようで
ついに全く姿が見えなくなりました。
どこかできっと、お嫁さん見つけて
巣作りをしているのだと…思います。
調子に乗って、また作文…作っちゃいました。
長くなってしまったし…
ちょっと何が言いたいか判らなくなったりもしてますが…
よろしければザックリ読んでみて下さいね~。
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「窓」
さよなら、パッション君。
「ああ、しまった。」
アツオはそうつぶやいて、ソファーから体を起こした。
久しぶりの休日。昼食の後、ちょっと深く腰掛けたのがよくなかった。
どれくらい眠っていたのだろうか。
けだるい喪失感の中、アツオはゆっくりと窓を開けた。
4月の少し冷んやりした風が心地いい。
時折遠くの幹線道路からの車の音が聞こえるだけで静かだ。
ぼんやりと外を眺めていると
ついーっと何かがアツオの目の前を横切った。
白い紙飛行機。上の階の子供が放ったのだろうか。
それはまるで見えないレールの上を滑るかのように
緩い螺旋を描いて落ちていった。
白い三角形…どこかで同じ形を見たな。
ぼんやりした頭で、アツオは昨日の出来事を思い出していた。
「爽子センパイ。これから田中たちとメシ食いに行くんだけど
センパイも一緒にどうですか?」
新婚の爽子が来るわけない。そう思ったアツオだったのだが
デスクで珍しくゆっくりと帰り支度をする彼女の背中に、思わず声を掛けていた。
肩までの髪を緩く編んだ後姿。
白い三角形の髪留めが光っていた。
「あー、そうね。久しぶりに行っちゃおうかな。」
「え?大丈夫なんですか?爽子サン。」
思いがけない返事にとまどうアツオ。
それに気づいた爽子がおどける。
「今日。旦那。接待。上司のお伴。」
週末の居酒屋は混みあっていた。
隣の席が近い。周りの騒音に会話が時折かき消される。
自然と声は大きくなり、身を乗り出していた。
「だからぁ、アツオ君はいいアイデア持ってるんだから
思い切ってやった方がいいと思うよ。」
久しぶりだからか、爽子もなんだかとても楽しそうだ。
以前はよく、こうやって皆でワイワイと仕事の話やなんやで
盛り上がっていたっけ。
「爽子さ~ん、新婚生活はどうっすか?
毎日ラブラブなんすか~?」
もう酔ってるのか、赤い顔の田中が絡んできた。
「ねぇねぇ、教えて下さいよぉ。爽子さん。」
「田中ぁ、お前しつこいぞ。」
見かねたアツオがたしなめる。
「毎日ラブラブよぉ~。」
カラカラと小気味いい声とはアンバランスな
笑う時に少し首をかしげる爽子の仕草。
アツオはそれがとても好きだった。
「じゃあ私そろそろ帰るね。」
隣の席のOLグループとカラオケに行くっていう田中たちを残して
アツオは送って行くからと爽子と共に店を出た。
「アツオ君、もう1軒行こうか?」
「爽子サン、飲みすぎでしょ?もう帰った方がいいんじゃないすか?」
「だいじょーぶよぉ」
「ほら、旦那サンもう帰ってるかも…ですよ!」
「帰ってるわけないもん。大丈夫っ。」
「…誰を接待してるんだか…」
ボソリと爽子がつぶやく。
「え?」
「アツオ君はぁ…優しすぎるのよ。
私ね…本当は…」
爽子の声はホームに入ってきた電車の音にかき消されて
聞こえなくなった。
ピィィィィー!
けたたましく鳴り響く音に
アツオは現実に引き戻された。
コーヒーを淹れようとお湯を沸かしていたのだった。
爽子サン…あの後何を言ったんだろうか。
苦いコーヒーをすすり
アツオは打ち消すように首を横に振った。
いや、考えるのはやめよう。
窓の外は眩しいぐらいの青空。
まだ陽は高い。
近くの公園まで歩くのも気持ちよさそうだ。
「まだ桜、残ってるかな?」
そう呟いてアツオは窓を閉めた。
うん、そう。アツオはパッション君。
…パッション君、続きは読むんじゃなくて、自分で作るんだよ。
うんうん。
うん。元気でね。早くお嫁さん、来てくれるといいね。
***
こうしてパッション君はどこかへ消えていったのでした。
さて、パッション君は最初に振られた彼女を追って行ったのでしょうか?
なんせどっかに泥付けて巣作りまでしかけてたんだもんねぇ。
あの彼女と一緒になれたかな?
え?キレイにまとめすぎ?
まっ、たまにはいいじゃないですか~(^_^;)
今、ベランダにはパッション君に輪をかけて情熱的な別のオスツバ君が
来ています!
すでにお嫁さんも決まってるのですが…
このペア、ちょっと面白い事になってるんですよねぇ^m^
はい。そのお話は次回!という事で。
はぁぁ~作文って疲れる~。
でも楽しい♪
また作ろっかな(^^♪