そもそもレースに出るということはどういうことなのか?少ない
経験から説明しよう。これでも国内A級ライセンスを持っていたのだ。
例えばあなたがFT86を買ってレースに出ようとする。車好きだし、
腕にも多少覚えもある。ここいらでレースに挑戦だ!
FT86でヴィッツのようなナンバー付ワンメイクレースに出るとしよう。
あなたは家族連れでもいいし友達と一緒でもいい。ひょっとしたら
彼女が一緒かも知れない。
勇んでレース当日、サーキットに着いた!受付を済ませピットに
入ると、隣のピットを見てびっくり!隣の86はナンバーが付いて
いるのに積車で着てる。しかもなんだか人がすごく多い。
こっちは家族、もしくは友達2,3人なのに、、
しかもボンベみたいのもあってインパクトでタイヤ交換してる!
こっちは十字レンチ。ジャッキもすごいでかいぞ!ハイエースの中
にはスペアのタイヤセットもある、、、整備してる人はツナギ着てる
けど、ドライバーはどこ?
ハイエースの横には「レーシングサービス ○○○○」とか
書いてる。自動車屋?車には派手にステッカー貼ってるし、
本物のレースカーみたいだ。これ、一緒に走るの?
まあ、僕も似たような体験をしたよ。隣の86はレースのサポート
を生業としてるレース屋さんに整備おねがいしてる。
だからオーナーのドライバーは基本何もしなくていいのだ。
車自身もステッカーはスポンサーやスカラシップを受けてるのだろう。
中身も当然違う。エンジンは新車なのにエンジンOHしてる
だろうし、タイヤもスペアはもちろん雨用もある。
付いてるタイヤはよく見るとすごく磨り減っているように「見える」。
予選がスタートした。走りながらピットを見ると
隣のピットからはサインボードが出てる、F1みたいだ!
予選が終わりピットに入ると、隣はみんなで車を押してる。
なんで?とバックしてピットに入ったらオフィシャルの
人に注意された。そうなの?
決勝、グリッドについても隣の86はホイールを締めたり
やってる。そういえばガソリンの量がどうとか言ってたな。
こっちは家出るときに満タンにしたからまだまだ大丈夫だけど?
スタート!隣の86速い!パワーが違うのか?コーナーは
変わらんのに!ぐいぐい離れていく!
っという間にチェッカー!無事レースデビューを果たした!
え?後車検?新車ですから3年ありますけど?そうじゃない?
本格的なレースっていろいろ大変だなー。
無事クラッシュすることもなくレースを終えたようで良かった。
隣の86が速かったのはエンジンOHもあるが、ひょっとしたら、
面研のようなレギュレーション違反をしてるかもしれない。
そんな!と思ったあなた、不思議なものでこんなF1でもない
レースでもどんな手を使ってでも1位になりたいという輩は
いるものです。ワンメイクはイコールコンディションという
のは嘘で、レギュレーション内のOHでも人によって差ができ
ます。そこに勝ちたいという欲が加われば違反もやって
しまうのです。もちろん違反がばれた時は痛い目をみますが。
レースデビューできて良かったなー。車もぶつけなかったし。
次のレースは1ヶ月後か。エントリーフィーが4万は高いな。
タイヤはまだまだいけるし、ブレーキもOKだ。オイルも
3000キロでいいだろう。次はもっとがんばるぞ!
次のレースまで1ヶ月ですか、、、僕なら冷や汗が流れます。
まずタイヤはレースごとに新品です。オイルもそう。
レース毎に交換です。ブレーキはいくらかもつかな?
さて1ヶ月後のレースまでサーキット走らないのでしょうか?
隣の86はきっと練習として走ってます。しかし走るのにも
お金がかかります。エントリーに4万は例えですが、これ以上
のレースも当然あります。ざっと計算しみましょう。
エントリー 37500円
タイヤ 40000円
オイル 10000円
ガソリン 5000円
最低レースに出るだけでこれぐらい必要です。
さらに、前日から練習するのが普通です。
走行代(30分×3回) 15750円
ガソリン 10000円
宿泊費 6300円
そのほかにもご飯や交通費も必要です。
1回のレースにざっとですが、10万は掛かることになります。
僕はタイヤを使い回ししたりオイルをサボったりして
節約してました。
もし、レースに勝ちたい!優勝したい!というのなら、
お金に関してはどうしても掛かります。一番掛かるのが
練習でしょう。1回30分の走行にガソリン代など含めて
8000円はみましょう。一日どれだけ走るかで金額上下
しますが、家の目の前がサーキットでもない限り、
交通費も掛かります。
練習すればタイヤも減ります、ブレーキパッドも減ります。
オイルは汚れます。交換が必要です。
これが1年6戦と考えると、、、。余程のやる気か愛情か
執念がなければ続けることができません。
FT86がいくら199万で発売されようとも、それで
レースに出ようという人はやる気と愛情と執念とお金が
ある人です。トヨタの言うことがどれだけ荒唐無稽なことか。
レースは楽しいです。
運転もうまくなるし、車のこともわかってきます。
友達も増えるし、なにより走ることが楽しいです。
ただ、一方で掛かるリスクも大きいとだけは忘れては
いけないと思います。それはレースを短時間でも
経験したから言えます。
ベストカーやマスコミがワンメイクレースなどと
軽く書きますが、確かに実現すれば素晴らしいと思うけども、
その内情も初めに教えなければ、やってからわかって
嫌いになったではレース自体を衰退させることになります。
ベストカー11月10日号で関谷氏が86のレースを
行うのなら「改造禁止、エンジンは封印してサス交換も
ボディ補強もしない」と言ってました。これは現状、
みんながやってることを禁止するという事です。僕も同感です。
できるかどうかは別ですが、やるならこれぐらいの事を
しないと駄目だと思います。
長々と書いてしまいましたが、レースが意外と敷居は
低いんですが、その中はとても奥深いということです。
まあ、何事でもそうですけどね。
僕みたいに地獄の1丁目を経験したい?
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