転倒の原因においてロッシがマルケスをコーナー出口において、アウト側に減速しながら膨らみ並んだマルケスの車体を蹴った？というものだ。
各メディアで散々語られているので、細かな説明は避けるが、今回の事件？についてはロッシというキャラクターやレースという状況では、いつ起きてもおかしくないということだ。それが最高峰クラスであろうが、いやだからこそ負けられないし結果のみが物言う世界だからこそかもしれない。
今レースの事前にロッシはマルケスはライバルのロレンゾのサポートをしてロッシを妨害しているとメディアに対して発言した。このことが事実かどうかはわからない。全レースにおいてマルケスはロレンゾを最終ラップにおいて抜いて優勝した。
しかしこの発言によって、マルケスがロッシに絡んでくることで真実味を増しレース前に牽制の意味があったのかもしれない。マルケスにはもうチャンピオンの目がないのだから、チャンピオン争いに絡んでくるな！ということだろう。
かたや言われたマルケスも黙って聞くほど大人しくもない。今回はロッシの発言がロッシの思惑と違い悪い方に作用したと思われる。
コーナー毎に順位が変わるほど激しいバトルを繰り広げるロッシとマルケス。進入でインにさしても立ち上がりでまた抜かれるの繰り返し。その間にもロレンゾは逃げる。タイヤも消耗してしまうし、現状打破しなければロッシには勝ち目はない。
画像ではロッシの足がブレーキを蹴ったという瞬間の画像はないようだが、ロッシの左足が動いたのは間違いない。
今回の転倒ではマルケスは怪我はなかった。ＧＰライダーともなると転倒でも上手くて怪我をしないこともある。
ここでマルケスが故意に転倒したのではないか？という気がする。
原因はロッシの発言によるところが大きいが、今年３６歳のロッシ、マルケスは２２歳。優勝回数１００回を越え今だ最前線で走るロッシは脅威として大きいだろう。さらに件の発言、マルケスがそこまでの策士かどうかはわからないが、ライブで観ていてもロッシが蹴ってマルケスの車体がバランスを崩すように動いた気は全くしない。マルケスは転倒後、すぐに立ち上がり再度走り出した。ステップが折れたのでリタイアとなったが怪我の話は聞かない。
マルケスの転倒はロッシを陥れる罠だったのか？リタイアは余計なアクシデントだったが、ロッシが転倒の原因であればペナルティを課せられる。転倒の直前、ロッシは後ろのマルケスを振り返り感情的になっているのは明らかだ。
アウトに膨らんできたロッシ、接触しそうなマシン。今だ！ちょっとフロントブレーキを掛けると同時かいなか、ロッシの左足が出てきた。さすがにこれにはマルケスもびっくりだろうが、罠には有利になる。
実際に当たったかどうかは別だ。転倒こそが真実だ。
ロッシは今までにもチャンピオン決定において最終コーナーにおいてアウトに押し出したりしている。この時はさすがにブーイングが起きた。反対にビアッジに肘を出されて押し出されるようなこともあった。本気で蹴る気があったかどうかは別だが、押し出し気味にして差を広げたかったのは事実だ。
今回の件で思い出されるのは1990年鈴鹿のセナ、プロストの1コーナーでの接触リタイヤである。このレースの前、セナは「ポールのスタートをアウト側にしてくれ。インはダスティだ」と前振りをしていた。もちろん叶わず、1コーナーでプロストに追突、両者リタイア、セナがチャンピオンとなった。
後年セナはこの追突を故意だと認めている。前年のプロストの接触も故意でその報復だとしている。
個人的には、レースに限らず競技においてチャンピオンを獲る人というのは聖人君子ではないし、セナのエピソードに限らずチャンピオンたる人はいざとなれば何でもやるんだと思う。
マレーシアＧＰの結果、裁定としてはロッシは次戦最後尾からのレースとなる。甘いとみる向きもある。スポーツマンシップに基づけば、ロッシがマルケスを妨害しようとしたのは明確で失格が当然であろう。
しかしそれが出来ない主催者側の事情もある。ＦＩＭ側としてもロッシはスターだ。観客動員、視聴率と言った経済的面でチャンピオン争いは最終戦まで残しておきたい。
ロッシに限らず、長くそのカテゴリーで参戦している人、チームの意見は通りやすい傾向にある。Ｆ１で言えばフェラーリだ。フェラーリなくしてはＦ１とは言えない雰囲気もある。地方のフレッシュマンでも長く、参加台数も多いレーシンショップの意見は通りやすい。
次の日曜が最終戦だ。ロッシが最後尾から優勝なんてことがあればすごいんだけども、ロレンゾが順当にチャンピオンを獲るだろう。ブリヂストンが今年で最後になりミシュランが来季からタイヤサプライヤーとなる。ロッシとしてはＢＳの間にチャンピオンを獲っておきたかったのかもしれないな。
