昔々のその昔
あるところに
それは貧しい三十路女がおりました・・・
その女は
何をやっても職が長続きせず
しがない派遣バイトで食いつないでおりました・・・
そんなある日のこと
いつものように
携帯メールに仕事案件が入りました
「どれどれ今日は何が来てるかなぁ〜・・・」
テーブルにあった
蒸かしイモをかじりながら
メールを流し見していると
ん
一つの案件に目が止まりました
『ジュビロ磐田ヤマハスタジアムでのお仕事
〜試合の臨場感を楽しみながらお仕事できちゃうお得なバイト〜』
ーーー・・・・・・・・これはっっっ・・・・・・・・・・
食い入るように仕事詳細を確認し
即応募 → 即採用
ーーー当日
スタジアムへ十数人の派遣バイト仲間と赴き
説明会を聞き
割振り担当表を確認しつつ
担当ゲートで待機することになりましたとサ
さぁいっちょやるかね!
気合を入れたその直後
「ちょっと来てくれない?」
ーーーと派遣バイトリーダーから
自分だけお呼び出しが
「ショップのスタッフが足りなくて困ってるから
そっちのヘルプに行ってもらえる???
ゲート担当は何とかなるから大丈夫」
ガビーーーーーーーーン
試合の臨場感を楽しめるんじゃなかったのカイ!!!!!!
女は
半ば騙されたような
詐欺師に遭ったような
メンタルのダダ下がり感を噛み締めながら
足取り重く
ショップへ向かうのでした・・・
ハーァ〜〜
後編に続く