さて、音フェチの私は、チェーン装着の試運転でも、いたずら心が働きました。北西季節風が強まり、エンジンが冷めやすいから、セルの音を鳴らしたり、キックを入れたり、優しい気持ちでエンジンと対話していました。
左足を着地させ、キーをライトオン位置にしたまま、休憩しました。
トットットッ トットットッ くろがね号オート三輪もVツインでしたから、V型ではなくてもツインだから、エンジンが止まる寸前はこんな感じでした。この音色がとても好きだったから、そのまま左腕の力を抜いていると、エンジンの回転数が落ち始めます。そして、キュコという音がして止まりました。そこで左親指と人差し指でボタンを挟んだまま、左足でキックペダルをゆっくり踏み降ろしてみました。半分踏み降ろすとドッここで片方のピストンの圧縮を感じました。残り半分をゆっくり下まで踏み降ろすとドッロドッ エンジンが暖まって止まったから、股間に響くかなりしっかりした点火音と排気音が聞こえました。いい音だから、お兄ちゃんに微笑みかけました。ペダルに土踏まずをしっかり置き、ゆっくり腿を上げました。お兄ちゃんにケッチンが怖いからと教わったからです。