【津波なんか怖くない・海抜2m海岸埋立地に消防本署「移設新築計画」下関市】
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下関消防署建設を見直せ
日本中が津波災害を恐れている今、山口県下関市では信じられない事が進行している。山口新聞記事(2011年6月10日)

やまぐち提論 佐伯雅啓
下関消防署建設を見直せ
「消防署が全焼した長府大火に教訓あり」
終戦後の昭和22年のことと記憶するが、下関市長府町で火災が起きた。火は風で燃え広がり、当時、木造の長府消防署にも燃え移り、同署も全焼した。
消防自動車を避難させるのが精いつぱいで、消火の指揮と活動が大混乱し、街の主要部の3分の1、約700戸を焼き尽くす大火となつた。
当時、日本は米国など占領軍の管理下にあり、下関はニュージーランド兵が街の保安防災を担当していたので、命令の言葉が通じず大混乱したとも聞いた。
以来60年が経過し、地元の消防関係者さえ長府大火を知る人はなく、わずかに消防本署に記録が残るのみと聞く。この大火で下関市は、消防署などの防災拠点は周囲からの火災はもちろん、万一の天災にも耐えるよう、万全の配慮が必要との教訓を得た。
今年3月の東日本大地震と津波では、一部の自治体で海岸近くにあつた消防署や町役場が壊滅して防災・救護の拠点機能を失い、人命被害を拡大した。復興計画では消防署や警察署、町役場などの防災拠点の再建場所が多角的観点から検討されている。
その折りも折り、下関市では信じられない事が進行している。市は市庁舎を200億円で大増改築する一環として、消防本署を移転することにし、その建て替え場所に何と海岸の埋め立て地を選定した。その場所・岬之町の建設予定地は海抜約2メートル、平成11年には台風時の高潮で腰の高さまで海水が溢れた所だ。地元では、ここに消防本署を建設するとは非常識だと、市民の反対署名運動まで起きているが、市長ら市の執行部は建設方針を変えず、市政を監視すべき市議会も最近それを承認した。国中が津波災害で大騒ぎしているというのに、下関では何故このような事が起きるのか?
中国の古書・易経は「君子は治にいて乱を忘れず」(高潔で知徳を備え民を指導する賢者は、世が平安なときも災難が起き世が乱れることを忘れない)と説く。高潮で浸水した海岸の埋め立て地に、市民の反対を押し切つてまで消防署を建設するとは、今の長州・下関には君子の名に値する政治家は居ないのだろうか?
いずれにしても、下関市民は消防署焼失という歴史から得た教訓を思い出し、同様の災禍を繰り返さぬよう一致団結して行動すべきと思う。
さえきまさひろ、かんもん北九州フアンクラブ会員、、相模原市在住。
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下関消防署建設を見直せ
日本中が津波災害を恐れている今、山口県下関市では信じられない事が進行している。山口新聞記事(2011年6月10日)

やまぐち提論 佐伯雅啓
下関消防署建設を見直せ
「消防署が全焼した長府大火に教訓あり」
終戦後の昭和22年のことと記憶するが、下関市長府町で火災が起きた。火は風で燃え広がり、当時、木造の長府消防署にも燃え移り、同署も全焼した。
消防自動車を避難させるのが精いつぱいで、消火の指揮と活動が大混乱し、街の主要部の3分の1、約700戸を焼き尽くす大火となつた。
当時、日本は米国など占領軍の管理下にあり、下関はニュージーランド兵が街の保安防災を担当していたので、命令の言葉が通じず大混乱したとも聞いた。
以来60年が経過し、地元の消防関係者さえ長府大火を知る人はなく、わずかに消防本署に記録が残るのみと聞く。この大火で下関市は、消防署などの防災拠点は周囲からの火災はもちろん、万一の天災にも耐えるよう、万全の配慮が必要との教訓を得た。
今年3月の東日本大地震と津波では、一部の自治体で海岸近くにあつた消防署や町役場が壊滅して防災・救護の拠点機能を失い、人命被害を拡大した。復興計画では消防署や警察署、町役場などの防災拠点の再建場所が多角的観点から検討されている。
その折りも折り、下関市では信じられない事が進行している。市は市庁舎を200億円で大増改築する一環として、消防本署を移転することにし、その建て替え場所に何と海岸の埋め立て地を選定した。その場所・岬之町の建設予定地は海抜約2メートル、平成11年には台風時の高潮で腰の高さまで海水が溢れた所だ。地元では、ここに消防本署を建設するとは非常識だと、市民の反対署名運動まで起きているが、市長ら市の執行部は建設方針を変えず、市政を監視すべき市議会も最近それを承認した。国中が津波災害で大騒ぎしているというのに、下関では何故このような事が起きるのか?
中国の古書・易経は「君子は治にいて乱を忘れず」(高潔で知徳を備え民を指導する賢者は、世が平安なときも災難が起き世が乱れることを忘れない)と説く。高潮で浸水した海岸の埋め立て地に、市民の反対を押し切つてまで消防署を建設するとは、今の長州・下関には君子の名に値する政治家は居ないのだろうか?
いずれにしても、下関市民は消防署焼失という歴史から得た教訓を思い出し、同様の災禍を繰り返さぬよう一致団結して行動すべきと思う。
さえきまさひろ、かんもん北九州フアンクラブ会員、、相模原市在住。