「安心パウチ」付きの装具を自作するステップは、
(その1) 使う材料と道具の準備
(その2) 型紙の設計
(その3) 「安心パウチユニット」の制作………………今回の解説
(その4) ユニットを面板に取付けて完成!
初めに、粘着シート(固定用伸縮性粘着シート)を切り抜く作業から取り掛かります。
粘着シートの剥離紙側を上面にして下敷きに置き、その上に粘着シートの型紙を置きます。その際、型紙を設計した時と同じ方向になるようにして重ねて下さい。(写真左) 次に、型紙の「内側ライン」と「外側ライン」を鉛筆などで剥離紙に写します。「外側ライン」はハサミでカットして下さい。「内側ライン」は円形なので、コンパスカッターか、又はハサミでカットします。コンパスカッターを使用する場合は、小学校で学んだ円の中心点を求める方法を思い出して下さい。 「内側ライン」と「外側ライン」をカットして粘着シートは出来上がりです。(写真右)
次にポリ袋の加工ですが、「簡易タイプ」と「標準タイプ」で方法が異なります。最初に「簡易タイプ」を説明します。
では「簡易タイプの安心パウチ」のポリ袋の加工についてです。
「簡易タイプのチャック付きポリ袋の型紙」の上に「チャック付きポリ袋」を置きます。(写真左) その際、チャックの位置が型紙を設計した時と同じ方向になるように合わせて下さい。 型紙に記されている円の中心位置をポリ袋に写し取ります。 次に、下敷きの上にチャック付きポリ袋を固定し、円の中心位置から型紙にメモされている半径の寸法に従ってコンパスカッターで円を繰り抜きます。ポリ袋のビニールを二枚とも繰り抜いて出来上がりです。(写真右)
次に「標準タイプの安心パウチ」のポリ袋の加工についてです。
「標準タイプのポリ袋の型紙」に合わせてポリ袋の周囲をシーラーで閉じて行く作業になります。慣れない間は、先ず初めに、型紙の外周ラインと穴の中心位置をポリ袋にマジックで写して下さい。
ポリ袋が閉じられている両側と上部はそのまま利用するので、シーラーで閉じるラインは5か所になります。(写真左) シーラーは熱せられた直線のシリコン部材の間にポリ袋を挟み込んで熱溶着します。(写真中央) よって、マジックで引いたラインに対して1か所毎に、シーラーで熱溶着していきます。5か所が済んだら、熱溶着部分の外側の不要な部分をハサミでカットします。
次に、下敷きにビニール袋を固定し、型紙にメモされている半径の寸法に従って円の中心位置からコンパスカッターで円形にカットします。 ポリ袋の二枚のビニールを二枚ともカットして出来上がりです。(写真右)
次に粘着シートにポリ袋を接着する作業です。
以下からの作業は「簡易タイプ」でも「標準タイプ」でも同じです。
粘着シートの剥離紙を下側にして下敷きに置きます。 粘着シートの穴の縁に沿ってボンドGPクリヤーを押し出しながら1㎜程度の巾でボンドを乗せて行きます。ボンドが多過ぎると内側にはみ出して面倒な事になるし、少な過ぎるとハガレの原因になるので注意してください。 穴の周囲にボンドを乗せ終えたら、ポリ袋の位置を合わせて、上から被せ、軽く押さえ付けて接着します。(写真左) やり直しが利かないので、この作業が一番の難関といえます。
位置合わせは、粘着シートの穴とポリ袋の穴が同心円の位置関係になる位置です。 慣れれば目視で上下左右の位置を調整しながら接着できます。 しかし最初は難しいと思われるので、下敷きの上にポリ袋の型紙を置き、その上に粘着シートの穴が同心円になるよう置きます。(写真中央) この状態で粘着シートにボンドを乗せ終えてから、ポリ袋を型紙の外形に合わせ、上から押さえて接着する方法でも良いでしょう。 接着されたボンドの浸透具合をビニール越しに確認できるので、接着されていない部分は補修して下さい。(写真右)
最後に、粘着シートの穴からはみ出ているポリ袋をカットする作業です。
粘着シートとポリ袋を接着し終えた段階では、粘着シートの穴から内側方向にビニール1がはみ出しています。よって、粘着シートの内側の縁に沿ってはみ出ているビニールをカットしていきます。 カットする際にビニール2を一緒にカットしないように注意して下さい。 使用するハサミは、面板の開口部をカットする際に使用するカーブ付きの小バサミをお薦めします。 粘着シートの内側に開けられた穴は面板との間にスリットを形成し、漏れた排泄物を取り込む為の重要な穴です。 ビニールの切り残しが無い事をチェックして完成です。
以上で、「安心パウチ」のユニット部分が完成です。 次のステップでは、ユニット部を面板に取付けて「安心パウチ」付き装具の完成になります。
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