禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

そつ啄同時

2014年10月26日 | 小さな法話
鶏の雛が卵から産まれようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音をたてます。これを「そつ」と言います。
このとき、すかさず親鳥が外から殻をつついて破ることを「啄」と言います。
この「そつ」と「啄」が同時であってはじめて、殻が破れて雛が産まれるのです。
これを「そつ啄同時」と言います。
親鳥の啄が、少し早くても、また少し遅くても、中の雛が殻を破って出てこれなくなります。雛の命に関わるたいへん重要な瞬間ということになります。
禅語では、親鳥を師匠に、雛を弟子にみたて、弟子の悟ろうとする心と、師匠の悟らせようとする心が一致し、悟りに至るということをいいます。
同時と言っても、お互いがあらかじめ相談し、つつく時を示し合わせたものではありません。
見方によっては、奇蹟的なことだと感じてしまいますが、これも縁です。
人間のはからいでわからないことは、不可思議という言葉になります。

「真夜」が咲きました。
虫が周りをとんでいたので、花に穴があかないかと思っていましたが、きれいな花が咲きました。




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