禅と薔薇

高島市 曹洞宗 保寿院 禅の話と寺族の薔薇のブログ

諸悪莫作1

2014年12月21日 | 小さな法話
唐の代表的な詩人に白居易があげられます。
エリートコースを歩んでいましたが、身内の不幸に儒教では解決しがたい人間の「死」の問題に直面し、仏教などを学びました。
その後左遷にあった白居易は杭州に赴任します。
その地で、木の上で坐禅をする禅僧、鳥彙道林(ちょうかどうりん)禅師に出会います。
白居易は、木の上で坐禅している道林禅師に「禅師の住処、甚だ危険なり」と言いました。
ところが、「あなたのほうが、もっと危険ですぞ」と道林禅師は即答しました。
白居易の俗なる世界の危うさを指摘されて、白居易は返す言葉もありません。

そこで、白居易はこう尋ねます。
「仏法の大意とはいかなるものか」
その答えが「諸悪莫作・衆善奉行」(悪いことをしないで、善いことをせよ)でした。
「そんなことは三歳の子供でも知っていることです」と返す白居易に、
道林禅師は「三歳の子供でも知っていても、八十の老人でさえこれを実行することはむずかしい」と応じるのです。


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