第4ステージ

思う事をそのままに

いきもの

2021-06-24 20:23:16 | エッセイ
去年植えたユリの球根。

待ちわびた開花。

美しく佇むその姿は
本当に一瞬であった。

全て朽ち果てて行く。
静かに、静かに。

蛍と同じ感覚。

あぁ、どこへ行くの?

みんなどこへ?

なんとなく、孤独を感じる時。

それはふとした瞬間にやってくる。

普段はひとりが当たり前なのに、
誰かに会いたいと思った時。

大人になったら
突然に誘うなんてできないからね。

子供の頃に感じた『寂しい』
よりも重く、リアルな感覚だ。


でも
皆そうなのだろう。

こんな気持ちと、
うまく付き合っているんだろう。

普段は家族に囲まれ、
孤独とは程遠い場所にいる。

けれどふと、
寂しいと思う時がある。

それは
庭の花達やメダカ。
生き物を育てる様になってから
強くなった様に思う。

綺麗に咲いた薔薇達が
ハダニにやられてしまった時。


病気になってしまい、
朽ち果ててしまった時。

しっかり予防していたはずだったのに、
病気にさせてしまった後悔。


生き物って
本当に難しい。

人間も同じ。

必死に何かと闘いながら
生きている。

そう思う。




最後まで読んで頂いた方
ありがとうございました。


ほたる

2021-05-31 23:34:24 | エッセイ
今夜、近くの川へ蛍を見に行った。

昔はよく行ったはずだが、
子供達は蛍を見た記憶が無い様だった。

まだ時間が早かったのか
1匹だけ飛んでいた。

見つけた私は嬉しくて
マスクの中で
顔が緩む。

しばらくすると
次第に小さな光がふわふわと増えた。

子供達には
わざわざ虫を見に行く気持ちが分からない
という感じだった。

けれど
蛍が子供の手の近くに飛んで来て
息子がそっと優しく捕まえた。

手のひらの中で
ふわんふわんと光る小さな虫。

『これが、蛍だよ』
と言うと
『綺麗…大人しくて可愛いね』

としばらく見つめていた。

『かわいそうだから逃がしてやらないとね』

と飛ばしてあげた。

大人になった私には
飛んでいる姿がとても神秘的で
暗闇の中、川のせせらぎが聞こえる。
なんとも幻想的な景色なのだ。

ところが子供たちには
ただ光が舞うだけで、
イルミネーションと変わらないそう。

手に持った感覚や、

愛着が嬉しかった様だ。

あまり生態には詳しくないが、
子供の頃、
捕まえたらすぐに死んでしまった記憶が
強烈に残っていた。

それもあったからなのか、
『蛍の命は短いんだよ』
と話した。

すると息子は
『セミとどっちが短いの?』

と聞いてきた。

『セミって鳴く為に産まれて生きてるの?』

『ねぇ、なんの為に産まれて来たの?』

と真顔で聞かれてしまった。

正解が分からない私は

『人間と一生の時間が違うだけで、
人間とみんな同じだよ』と答えた。

だけど今になって
色んな事を考え出した私は、
『では人間は…?』
と自問自答している。

けれど
こればっかりは答えが出ないままだ。

たまたま人に産まれたのか、

私が親を選んで産まれたのか。

誰にも分からない。


そして何のためか…
それはもっともらしい言葉を並べても
自分にはしっくりこないのだ。

いつか
この体が終わる時に
答えは出るのかもしれない。

だけど
息子の例えの様に
『泣くだけの為に産まれて生きている』
なんて
そんな事は絶対に無いと強く思う。

命はみな限りあるからこそ
愛しくもあり
美しく輝き、切ないのだと。




最後まで読んで頂いた方
ありがとうございました。



一体どこへ

2021-04-29 22:58:18 | エッセイ
雨に打たれながら
傘を閉じてずぶ濡れになりたい。

子供の頃には
平気でやっていただろう。

大人になった私には
そんな事をする勇気はない。

無邪気だったのか?
それともただ先の事など考えていなかった?
他人の目など、見えていなかったのか?

同じ人間のはずなのに、
子供から大人になるという事は
こんなにも変わって行くものなんですね。

他人を信じる思いの深さ。

これも大人になった私と
きっと違う。

今は34年
ここから先まだまだ年数があるとして、
一体どう変わって行くのでしょう?

今よりもっともっと
体が衰え、
他人に助けてもらう様な歳になった時

私は一体どんな人間?

そして今
この日々の果てには
どんな景色が待っている…?


よく自分に問いかける
『一体どこへ辿り着きたいの』

そんな事を考え出すと

弱い私は
急に不安になり、寂しくなり、
悲しい気持ちになってしまいます。

だからすぐ、
ま、今はこんなもんでいいよと
自分に言い聞かす。

深く考え出すと、
答えもない癖に
どこまでも問いかけ続けるから。

やり直す事なんて出来ない過去に
『間違いはいつからか』
なんて思い返したり。

まだ来ていない未来に
『この先○○なったらどうしよう』
とか。


今を必死に生きているか?
と聞かれた時、
即答は出来ないかもしれない。

けれど
今、幸せですか?
と聞かれたら
きっと即答できると思う。

『幸せだよ?何にもないけどね

と…。

水族館のスナメリが
優雅に泳いでいる姿に見とれてしまった。

それと同時に
ただ人間の為にそこにいて、
限られた狭い水槽の中で

まるで満面の笑みの様な口元。

私には笑っている様にしか見えなかった。


その姿を見て
なんだか
胸がギュッと苦しくなった。


最後まで読んで頂いた方
ありがとうございました



暗闇の中で心泣き叫ぶ誰かがいるなら

2021-04-13 00:29:53 | エッセイ
昔むかし
自分を大事にできない女がいました。

私です。

小さい頃から
じゃじゃ馬と呼ばれ
姉や妹の様に女の子らしくなれず。

勉強の仕方も分からず。
してこなかったのではなく、
本当に分からなかった。

これが発達障害だったと分かるのは
もっともっと大人になってからの話。

親には叱られ続け、
先生には小学校も卒業できるレベルではないと言われた。

親に絶望され、拒絶された。

義務教育
それは私には無意味だった。

そして親友だと思っていた
幼なじみ達が
中学生になってから
急に知らない子になった。

そう、今でいう“いじめ”だ

はじめは戸惑いながらも
作り笑いをしていた。

だんだん笑えなくなり
涙を流す。
誰に見られる事なく
静かに声を殺して泣く。

学校に行かない事など
許されなかった。
両親は私の言葉は雑音の様に聞こえていたのだろう。

だから耐えた。

ただひたすら耐えた。

ひとりぼっちの世界。
まわりに人はいるが
誰ひとりとして愛してくれないと
悲観していた。

そうして過ごすうちに
身体中にはためらい傷が増えた。
きっと本気で死のうと思った訳ではなく
そうする事で落ち着けたのだと思う。

だんだんと
自分がどうでもよくなり、
何とでもなれ
誰ひとりとして助けてくれない世界なら
どうなろうとかまわない。

そんな歪んだ感情になった。

それから絵に書いた様に、
まるで何かに復讐するかの様に
私は悪い方へ変わっていった。

学校へは遊びに行くだけで、
授業は受けず
毎日昼間から夜明けまで遊んでいた。

私をいじめていた子達にも
ひどい事をした。

それでも一度変わってしまったモノは
そう簡単には元には戻らなかった。

何をしても

何をしても、

心が晴れる事は無かった。

バカだから、沢山騙された。

女として殺された日もあった。

法に触れる事も沢山した。

身元引き受けに来た父に殴られ、
初めて父が泣いた。
涙を見たのは今まであの一度だけだった。

母が私を怯えた目で見ていたのを
忘れられない。
“腫れ物に触る”とはよく言ったもので
まさにそんな感じだった。

そして両親は
私と離れて暮らす事を勝手に決めた。

そこから
私の人生が変わって行く。

15歳で長男が出来て
両親に猛反対されたが、おかまいなし。

なぜ猛反対されたかというと、
結婚相手は22歳、

当時13歳だった私が原因で離婚した。
子供が産まれたばかりだったのにも関わらず、
中学生(私)を相手に遊んでいたからだ。
結果、
私が未成年の為
誘拐未遂、強制わいせつで逮捕された。

私が18歳になってないから
逮捕されるなら
私が妻になればいいとバカは考えた。

もちろん誰も祝福などしない。

でも子供すぎて
そんな事どうでも良かったのだ。

『愛情溢れる家庭を作る』
なんて定番の気持ちを抱いていた。

だけど、
やっぱりバカだから騙された。
それはもう見事に騙された。
旦那を疑う事をせず、信じていたから。
自分がバカすぎて笑えた。
まわりは『やっぱりね』の反応だった。


結局、私は親に頼らざるをえなかった。

あんなに反対していた親でも、
やはり孫は可愛い様だった。

初めて
私の小さかった頃の話を聞いた。
『可愛かった』
と言っていた。

それすら信じられなかった。

クズな私は
長男を愛せず、親に託して家を出た。

最低最悪な女だった。

それからは
過去にもこのブログでも書いた様に

息子を引き取り
育ててきた。

そして
4年前、病気になり
働けなくなり、
自営業だった為、自己破産もした。
精神的にも限界だった。

3人の子供と当時夫も居たのに
私は『消えたい』と願った。

それを行動に移した。

3日間、意識不明で
集中治療室で目が覚めた。
第一声は

『なんで死ねなかったの?』
だったそうだ。

なぜ私が助かったのか
それは当時高校生だった長男が
救急車を呼んだからだった。

長男は
救急車の中で
何度も私に呼び掛け、反応の無い私を見て

『母さん死ぬのかな、母さんが死んだらどうしよう』
と震えながら泣いていたと
後で駆けつけた妹から聞いた。

最低最悪な娘であり、
最低最悪な母親だった。


今現在の私は
体はボロボロで、相変わらずバカです。
でもバカなりに勉強して
国家資格を取って仕事をし
可愛い息子3人、
たった1人のバカな女で
ちっぽけだった人間から
優しい心を持った人間が3人も産まれた。
大切な友人知人、家族に囲まれ
幸せです。




もし、今
このクソ長い長文を
『もう消えたい、居なくなりたい』
『死にたい』
そう思っている人が見ているなら、
私の言葉を少し聞いて?

どんな生き方だっていい、
どんなに辛くっても
誰かに認めてもらえなくても、
何も信じられなくても

あなたがあなたを
愛してあげてほしい。

どんな形でも
生きてさえいれば
かならず笑顔の日は来る事。

あなたが
あなたを守る。

あなたの体は
一つしかないの。

あなたの幸せは
あなたが思う幸せでいい。
誰かと同じじゃなくていい

だって
あなたはあなたしか居ないんだもの。

他の誰も
あなたの代わりにはなれないよ。

だからあなたは
あなたでいい。

そして
気付いていないだけ、
見えないふりしているだけで
あなたを愛してくれている人は
必ずいるよ。

生きてさえいてくれたら、
いつか私の言っている意味が
必ず理解できる日が来るから。



弱い自分

2021-04-10 18:18:22 | エッセイ
最近よく弱い自分に負けそうになる。

何もかもを投げ出して
楽になりたくなる。

昔からいつもそうだ。

人生一度なら
少しくらいいいじゃないかと。

そして楽な方へ
流されたのではなく、
自分で向かったのだろう。


そうした先に
良いことなんてなかったはず。

それを覚えている自分が
まだ頑張れと言う。

頑張らなくてもいいじゃないと言う
自分もいる。


ほんと、自分に甘いやつ。


こういう時は
あまり深く考えすぎる時間を
持たない様にするのが一番だ。


ただひたすら忙しく毎日を過ごす。

それが一番
悩まなくて済む。

4月上旬の目まぐるしい忙しさが
一段落着いたから
こんなに脱け殻の様になったのかも知れない。

新しい環境の変化に
慣れていないのは
子供達よりも
アタシの方なのかもしれない…。