日銀の追加金融緩和に潜む意図とは?
[HRPニュースファイル258]転載
2012年4月30日
日銀が27日の金融政策決定会合で、
追加金融緩和を決定しました。
内容としては、長期国債購入基金は、65兆円から70兆円に
5兆円積み増しました。また、長期国債の購入は10兆円
増やす一方、金融機関に対する低金利貸し出しは5兆円減額となり、
差し引き5兆円のお金が増える計算です。
さらに、これまで購入対象としていた国債の残存期間
(償還=返済までの残存年数)を2年以下から3年へと拡大
するなど、長期の変数に対しても影響を与える効果を発表
したことが大きな特徴です。詳細→ http://bit.ly/IBf5w5
白川方明日銀総裁も記者会見を行い、金融緩和の強化を
強調しました。→要旨はこちら→ http://bit.ly/JS6zwm
さて、追加緩和を行った日銀の姿勢はある程度よいとしましょう。
問題は、果たしてどこまで本気なのかということです。
市場関係者から見れば、今回の金融緩和はある程度織り込み
済みだったようです(週刊エコノミスト4月24日号参照)。
また、日銀の金融政策に対して学者から政治家まで幅広い意見が
掲載された「週刊エコノミスト」は大変興味深い内容となって
おります。
その中でも、日米の「事実上のインフレ目標」を導入した
日銀とFRB(米連邦準備制度理事会)について、ドイツ証券
シニアエコミストの安達誠司氏の論文は注目に値します。
安達氏は、両者は「似て非なるもの」と言い切ります。
「金融政策の力を信じるFRB」と「及び腰で被害者意識が強い日銀」
という表題通り、日銀の追加緩和の「本気度」に疑問を呈して
いるわけです。
例えば、英訳するにも海外に対して誤解を招いた「目途」という
言葉です。安達氏によれば、FRBのバーナンキ議長は、インフレ2%は
「長期的な目標値」であり、2014年まで低金利を継続することを
はっきりと言及しているに対して、日銀の白川総裁は「目途」
として、達成義務のある「目標」という表現には否定的な
見解を示していることを紹介。
さらに、1920年代の大恐慌に対して、金融政策の重要性を強調する
FRBと高橋是清が行った日銀の国債直接引きが、後の
ハイパーインフレにつながったとする見方は対照的です。
言い換えれば、FRBは、デフレ脱却のためには金融緩和は当然
行うべき政策であるとするのに対して、日銀は金融緩和を通じた
インフレの安定は無理だとしながらも、あえてインフレ政策を
導入した弱腰姿勢に問題があるというわけです。
つまり、日銀が金融緩和をやりすぎると、ハイパーインフレ
となったとする「被害者意識」とインフレに対する及び腰がある以上、
安達氏は日銀の金融緩和は本気ではないというわけです。
こうした歴史認識の違いが、日銀とFRBの金融政策に影響を及ぼして
いるのは間違いないと思われます。
海外の新聞記者も同じ論調も見てみましょう。
例えば、英フィナンシャル・タイムズ紙のF・ニューマン記者は、
日銀の金融政策に関して金融緩和が魔法の解決策でないとしな
がらも、日銀が積極的な行動をためらうリスクを指摘しています。
一度、緩和を決めたならば、真剣さを示す必要があると
結んでいます。
英語版→ http://on.ft.com/IepXSd
日本語訳→ http://bit.ly/KjMRqf
では、翻って真剣さとはなんでしょうか。
普通に考えれば、デフレの脱却と経済成長を実現するまで
日銀として最大限金融政策を行うことです。
そのためには、金融政策を一層大胆に推進していくことも
選択肢の一つです。幸福実現党が主張する日銀による
国債引き受けを実施することも可能です。やる以上は、明確な
成果が出るまで行うべきです。
しかしながら、白川総裁は、記者会見の中で
「金融緩和が毎月続くというわけではない」ということにも
触れています。さらに、日銀の追加緩和に隠れた本心として、
JPモーガン証券のチーフエコノミストの菅野雅明氏は、
「意図は明確だ。緩和打ち止め感を出したいということだ」とし、
日銀は市場や政治家からの追加緩和圧力を打ち止めたいということ
を指摘しています。関連記事→ http://bit.ly/IlcVos
最後に、今後の見通しについて触れておきましょう。
日銀は物価の見通しを発表しています。
実際に、彼らの予想通り1%の目標が達成されたとします。
問題は、その時に利上げをするかどうかです。
いわゆる「出口戦略」ですが、日銀の本音は金融緩和を打ち止め
して、早期に利上げをしたいという思惑が見え隠れします。
最近10年の歴史を見れば、2000年のゼロ金利解除と2006年の
利上げをした実績からみて、日銀が来年から2014年の段階で
消費者物価指数上昇を見据えて引き締めに入ることは十分に
考えられます。
日銀が金融引き締めを行った後には不況が来ている以上、
出口戦略を急ぐことには注意が必要です。
ゆえに、今後は、デフレ脱却から出口戦略を同時にウォッチ
していく必要があるでしょう。
(文責:中野雄太)
執筆者:中野 雄太 (42)
幸福実現党静岡県本部幹事長
公式サイト:http://yutasteve.blog.fc2.com/
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「消費税増税に反対する請願署名」の経過報告〕
Happiness Letter795抜粋
野田政権が推し進めようとしている消費税増税法案に対する
請願署名活動は1月6日より開始され、4月10日までの3ケ月間で、
全国より署名が111,234名の方々から寄せられました。
全国より、ご支援ご協力を賜りましたことを心より感謝申し上げます。
届きました請願書の中には、雨の中、一生懸命、
署名活動を行った形跡のある署名や、お一人で数十人、
数百人の署名を集められた方もいらっしゃり、全国よりの
「絶対に増税を許さない!」という熱い思いが伝わって参りました。
現在、増税反対を表明している小沢一郎氏の「無罪判決」は、
消費税増税法案の国会通過にも影響を与えようとしています。
そのタイミングでの今回の11万を超える請願提出は、
「増税反対」の国会議員を後押して野田政権を揺さぶる
インパクトがあります!
【写真】全国から届いた署名を「増税が国を滅ぼす国民会議」
議長の内山優氏に託し、
固く握手をするついき秀学党首⇒ http://goo.gl/0Eb80
今回、国会請願は、4月27日
「増税が国を滅ぼす国民会議・内山優議長」より国会請願に
向けて衆参各紹介議員へ託され、衆議院議長、参議院議長に
提出されます。
(JTRホームページでの経過報告⇒ http://goo.gl/QZj7E)
消費税増税関連法案を全力で廃案に追い込み、日本の
さらなる経済的没落を断固阻止して参りましょう!!
☆゜・:.。. .。.:・゜
幸福実現党は今年4月16日から6日間の日程で、モンゴル国に
「日蒙政治・経済交流視察団」
(団長・矢内筆勝、党の支援企業の経営者ら5人)を派遣し、
同国の政府関係者や民間人との幅広い交流を進めました。
また、やない筆勝局長をはじめ、視察団はモンゴルの有力な
民放テレビ「チャンネル9」に生出演!
幸福実現党の支持母体である「幸福の科学グループ」の
創設者・大川隆法総裁や教義の紹介、思想のエッセンス等、
約20分に渡って全モンゴルに放映される機会にも恵まれました。
☆゜・*:.。. .。.:*・゜
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関連記事
http://blog.goo.ne.jp/sakurasakuya7/e/0aba5d9734eb3648aaa78f3b2530e162
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