木星の発光、天文愛好家が相次ぎ発見
2010年8月25日 19時55分 (ナショナルジオグラフィック)
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2010年8月20日(日本時間8月21日)、木星の大気圏で謎の輝きを放つ火球をアマチュア天文家が観測した。この1年ほどの間に3回目となる。
木星の発光現象は天体衝突によるものとみられ、想定よりかなり多いのではないかとの意見が天文学者の間で広がっている。また、観測ボランティアへの参加をアマチュア天文家に要請する世界規模の呼びかけも出ているようだ。
木星の謎の発光現象は、2009年7月と2010年6月にも観測されており、非常な短期間で連続的に発生している。(関連ニュース:2009年7月の衝突、2010年6月の衝突)
8月20日の発光現象は、木星の上部の雲層で燃え尽きた比較的小さな流星体が原因と考えられている。
アメリカのコロラド州ボルダーにある非営利団体「宇宙科学研究所(Space Science Institute)」の惑星科学者ハイディ・ハメル氏は、「今回の発光現象の明るさと持続時間は、2010年6月とほぼ同じ規模だ。直径およそ8~13メートルで、大型バスを下回るくらいの大きさと推計されている」と話す。
1994年、ハメル氏の研究チームはハッブル宇宙望遠鏡を用いて、有名なシューメーカー・レビー第9彗星(SL9)の木星衝突を調査した。
SL9は人類が初めて目撃した地球外での物体衝突だが、このような発光現象は極めてまれだという考えが一般的だった。しかし、約1年の間に3度も火球が観測され、木星ではかなり頻繁な天体イベントとの認識が広がり始めている。
「木星への天体衝突は数週間ごとに起きている可能性がある」との意見もある。しかし、木星周辺に衝突の恐れのある天体がいくつあるかはまだわかっていない。
アメリカのメリーランド州グリーンベルトにあるNASAゴダード宇宙飛行センターの惑星系研究所(Planetary Systems Laboratory)の所長エイミー・サイモン・ミラー氏は、「太陽系外縁部に存在するそのような天体は非常に小さいため、衝突前に見つけることは不可能だ。高度な掃天観測でも一つ一つを数え上げることはとてもできない」と解説した。
そこで、アマチュア天文家の出番だ。「木星観測のかなりの部分はアマチュア天文家に依存している。研究者が使用する大型望遠鏡は、ほかの観測にも使用するため時間に制約があり、また、動画撮影機能がないものも多い」とサイモン・ミラー氏は話す。
プロでも難しい木星の発光現象の観測だが、熊本県のアマチュア天文家、立川正之氏にとってはどうやら容易な作業だったようだ。同氏は8月20日の火球の姿を見事に動画に収めている。
そして、立川氏による最初の発見がインターネットに公開された数時間後、東京都の青木和夫氏は同じ発光現象を自分も撮影していたことに気付く。2人は市販の望遠鏡とWebカメラだけで快挙を成し遂げたのだ。
サイモン・ミラー氏は次のように話す。「民生用製品の技術進歩のおかげで、木星の衝突観測が増えている。昔のアマチュア天文家は写真を撮り、スケッチを描くだけだったが、いまでは大半の人が高解像度のデジタル映像を撮影している」。
昨年以降、木星の発光現象に関してさまざまな情報が公開され、話題を集めた。そのおかげで、こういった天体イベントの撮影ノウハウが容易に手に入るようになったという。
前述のハメル氏は、「やる気に満ちたアマチュアたちが集い、インターネットで木星衝突観測のネットワークを世界規模で構築できれば、非常に貴重な存在となるだろう」と語る。「実はこのようなネットワークは既に成長を始めている。今後の課題は、発光現象の持続時間の記録書式や専門機関への連絡方法など、具体的な作業手順の確立だ」。
木星観測を行うアマチュア天文家の増加に伴い、太陽系に存在する流星体の正確な数が明らかになるのではないかと期待されている。
「衝突現象の観察機会が増えれば、木星に向かう軌道天体の数に関する調査が進むと考えられる。これまではどうやら少なく見積もりすぎていたようだ」とハメル氏は話す。
「また、地球の私たちにとっての重要性はもっと直接的だ。地球への衝突コース上の天体についても理解が進むからだ。木星観測を通じて現在の知見を見直せば、危険性のポテンシャルを見極められるようになるだろう」。
http://topics.jp.msn.com/life/photoarticle.aspx?mediaid=732773
( ̄▽ ̄;)
木星の衛星の方・・・なにかあったんでしょうか?
。宇宙人との対話、
。