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小沢氏代表戦出馬の深謀遠慮を読み解く

2010年08月30日 00時46分58秒 | 一般愛国者、 ご紹介記事。
小沢氏代表戦出馬の深謀遠慮を読み解く                      

ビデオニュース・ドットコムhttp://news.livedoor.com/article/detail/4974672/ 記事転載

2010年08月28日

小沢一郎民主党前幹事長が9月の民主党代表選に立候補する意思を表明したことは、多くの人に驚きを持って受け止められた。3ヶ月前に鳩山首相とともに自身の政治とカネの問題の責任を取る形で幹事長職を退いたばかりの小沢氏が、事実上日本の首相を決める与党民主党の代表選に打って出ることに、当初違和感を持つ人がいるのは当然のことかもしれない。

数多い小沢氏への批判の中でも、小沢氏にとってもっとも厳しいものは、これを「起訴逃れのための立候補」ではないかとするの批判だ。代表選に勝利し首相の座に就けば、仮に自身が抱える政治資金規正法違反の嫌疑に対して検察審査会が二度目の起訴相当の議決を出しても、総理在任中は起訴されることはないからだ。

憲法75条は、国務大臣の訴追には内閣総理大臣の同意が必要であることが定められている。そのため、仮に小沢氏が首相になった後に二度目の起訴相当議決が出ても、小沢氏は自らが同意をしなければ、少なくも首相在任中は起訴をされることはないことになる。

もちろん、小沢氏が首相在任中に検察審査会の制度そのものを変えてしまえば、在任期間が終わった後も起訴を免れることも可能になる。検察のあり方を厳しく批判してきた小沢氏が、抜本的な検察改革に乗り出したとしても不思議はない。

しかし、実は小沢氏には起訴逃れなどまったく必要としないウルトラCがある。代表選に出馬するとなれば、当然小沢氏は記者会見の場などで「もし代表選に勝ち、総理になった後で、検察審査会から二度目の起訴相当の議決が出た場合、総理として自身の起訴に同意するか」との質問が出るはずだ。そこで小沢氏が「総理になったらなどという仮定の質問には答えられない」のような従来の説明ベタ路線で答えてしまえば、全ては台無しになる。

しかし、そこで小沢氏が「同意する」と宣言したらどうなるだろうか。

元検事の郷原信郎氏も述べているが、小沢氏の政治資金規正法違反疑惑は、小沢氏逮捕に執念を燃やす東京地検特捜部が二度までも不起訴、つまり裁判で有罪にできる見込みが無いので起訴を断念した事件だ。つまり、実際に裁判になれば、有罪になる見込みは限りなくゼロに近いといっていい。

しかし、仮に有罪になる可能性がゼロに近かったとしても、小沢氏にとって、起訴され裁判で被告人席に座らせられることの政治的なリスクは絶大だった。自身の秘書だった石川知裕衆院議員が、起訴された段階で民主党を離党していることから、小沢氏も起訴されれば離党を余儀なくされる可能性も高かった。

ところが、総理になり、実際は自分の権限で起訴を逃れることが可能になった時に、あえて自ら進んで起訴を受け入れ、被告人になる道を選択したらどうなるだろうか。元々小沢氏にとって、裁判そのものは怖くない。ただ、裁判で被告人席に座らせられることの政治的なコストが最大のリスクだった。それを自ら進んで被告人席に座る道を選択した瞬間に、そのリスクは雲散霧消するばかりか、もしかするとそれが何倍にもメリットとなって返ってくる可能性さえあるかもしれない。

現時点でそのような深謀遠慮が小沢氏にあったかどうかは、知るよしもない。また、それもこれも全て、小沢氏が代表選に勝てなければ、単なる画に描いた餅でしかない。

今週のニュース・コメンタリーでは、小沢氏の代表選出馬と、一度は政界引退まで表明したはずの鳩山前首相がそれを後押ししたことの意味を、神保哲生と宮台真司が議論した。
 
 
 以上
 
 
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