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デフレ脱却だけでは不十分?増税とエネルギー問題が日本経済に及ぼす影響

2012年07月19日 12時05分59秒 | リバティ 学園 幸福実現党 関連  

デフレ脱却だけでは不十分?増税とエネルギー問題が日本経済に及ぼす影響 
 
                             

[HRPニュースファイル338]転載

2012年7月18日

今回は、増税とエネルギー問題を題材にしながら
、デフレ脱却を再考します。


学習院大学の岩田規久男教授の著書『インフレとデフレ』に従えば、
日本経済の1980年から1990年までの10年間の平均インフレ率は2.6%、
91年から01年は0.7%、02年から07年は-0.2%、08年から11年は-0.3%
となっています。

アメリカやイギリスなどの主要先進国でも1980年代以降は
インフレ率の低下=ディスインフレ傾向ですが、日本の水準は際立っている
ことが分かります。特に、岩田教授が主張している論点は、08年の
リーマンショック以降、先進国でデフレなのは日本だけだということ。

ショックの震源地であるアメリカは、08年から11年までの平均インフレ率は
2%です。つまり、日本のデフレは政策に問題があるということです。

物価水準の操作は、基本的に日本銀行(以後日銀)が担当します。
2月に事実上のインフレ目標導入を決定した日銀が発表した
「中長期的な物価安定の目途について」にも、「物価の安定を図る
ことを通じて、国民経済の健全な発展に資すること」を基本理念と
することが書かれています。

http://bit.ly/LWRFth

日銀は、消費者物価指数の上昇率を当面は1%を目途としており、
長期国債購入基金の積み増しを行いました。過去の日銀の姿勢からは
半歩前進とはいえ、まだまだ本格的なデフレ脱却からは遠い点を、
私の論考の中でも数回紹介しています。→日銀の金融政策「据え置き」
では不十分

そこで、最近話題になっている増税とエネルギー問題を絡め、これまで
考慮されていない「デフレの脱却」の論点をあげておきましょう。

基本路線は、日銀の金融政策と財政出動によるポリシーミックス
(政策の組み合わせ)です。経済が順調に拡大し、物価も少しずつ
上がっていく限り問題はありません。雇用が創出され、成長率が高まれば、
デフレ脱却と成長の実現により、国民の生活は楽になります。

しかしながら、一般物価指数は政策以外の要因によっても変動します。

例えば、資源価格高騰がインフレにつながるケースです。

わが国では、1970年代に二度のオイルショックがありました。

中東の産油国で形成されるOPEC(石油輸出国機構)が石油の輸出を全面的に
停止したことが原因で起こったインフレは、庶民の生活に大きな影響を与え
ました。その後、産油国の意図的な原油価格つり上げは起こりにくく
なりましたが、中東では紛争や戦争が起こる可能性が高いのは否定
できません。

仮にホルムズ海峡で問題が起きた場合、わが国は石油の輸入に四苦八苦する
ことになるでしょう。その結果、原油価格高騰による電気代負担の上昇だけ
ではなく一般物価水準も上昇する可能性があります。資源を輸入に頼っている
わが国は、資源価格の変動に脆弱であるということを再認識するべきです。

さらに問題なのは、インフレが不況時に起こるケースです。最悪の場合、
インフレと不況が同時に襲うスタグフレーションが再来する可能性があること。

その結果としてデフレが脱却できたとしても、失業率の増大や成長率の低下
という高い代償を払わなければなりません。

もう一つが、野田首相が政治生命をかけて取り組んでいる消費税増税問題です。

増税をすることで、短期的には物価が上昇します。例えば、2014年に8%へ、
2015年には10%へと上がることによって、一般物価も1%以上上昇したならば、
日銀は労せず中長期的な目途を達成したことになります(あくまでも仮定の話)。
ただし、この議論に足りないのは、増税による消費や投資の落ち込みに
よる成長率の低下によって、再びデフレとなることを想定していないこと
です。
1997年4月に消費税が3%から5%に上がった後に何が起きたかを考えれば、
増税がもたらす効果は明らかでしょう。

「デフレの脱却」だけでは、論点はいくらでもとれるので、やはり、高い
成長と雇用の創出を最優先し、その結果としてデフレ脱却ができるとした方
がよいでしょう。さもなければ、予期せぬ短期的なインフレが生じた場合、
「インフレを抑制するために増税をして財政再建をするべき」という論点が
出てくる可能だってあるからです。
日銀は、インフレ懸念があるだけでも金融引き締めに入り
ます。

そすれば、日本経済は一層冷え込むことになります。


幸福実現党は、日本経済がさらなる長期不況に突入しないためにも、
増税ストップと原発の再稼働などを通じてエネルギーの安定供給を
継続して主張していきたいと考えます。(文責:中野雄太)


 執筆者:中野 雄太 (53)
幸福実現党静岡県本部幹事長
公式サイト : http://yutasteve.blog.fc2.com/

 

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