政府活動の成果を明確にする公会計の役割
[HRPニュースファイル810]転載 人気ブログランキングへ
◇自由主義と無政府主義は同じではない
市場で供給できないサービスを公共財と呼びます。公共財は民間では
代替できにくいと考えられているもので、司法制度や国防が代表的です。
自由主義陣営の中には、無政府主義という考え方がありますが、
現代社会においては政府の完全否定は極端すぎると言えるでしょう。
自由主義とは本来、無政府主義と必ずしも同じではありません。
ノーベル経済学者であり、自由主義哲学の構築にも貢献した
F・ハイエクでさえ、『法と立法と自由』の中で課税権の行使を認めています。
ただし、公共財の提供者として政府が常に関わり続ける必要性はない
というのが重要な論点です。
例えばハイエクは、中央銀行の民営化を提唱しました。貨幣の発行権を
中央銀行が独占せず、民間の銀行にも発行させて競争させるメリット説き
ました。幸福実現党もメガバンクからの紙幣発行を提言していますが、
理論的な背景にはハイエクの思想があります。
最近では、公民連携(Public-Private Partnershipの頭文字をとって
PPPとも呼ばれる)と呼ばれる行政手法が注目されています。
つまり、役所の仕事を民間が代替することで自治体の行政コスト削減が
できることを意味します。ハイエクの考えが、具体的な手法となった姿
だと言えるでしょう(参考文献:O・ポーター著『自治体を民間が運営する
都市』米国サンディー・スプリングスの衝撃)。
筆者が2月に参加したアジア・リバティーフォーラムの中でも、自由主義者
の共通の理念は、私有財産の保証、市場メカニズム、そして限定的な
政府活動Limited Government Activitiesだと教わりました。
「経済学の父」と呼ばれたアダム・スミスの提唱した経済哲学も、ほぼ
同じ内容です(スミスは分業と呼んでいたが、市場メカニズムにおける
交換の利益と生産性向上を指す。『諸国民の富』参照)。
◇政府の仕事に経営の発想を取り入れる
よく「お役所仕事」と呼ばれる言葉は、行政の非効率性を表します。
役所では予算をいかに使い切るかが課題で、余った場合は翌年の
予算は切られます。決算期になると予算の費消が行われるのは、
予算カットを恐る役所の自己保身にあるわけです。
一方、民間では予算が余れば翌年に繰り越すなどして効率的な資金運用
が前提とされます。企業は利益を出すことが最優先なので、
予算を費消するインセンティブはありません(節税対策として意図的に
赤字を作る企業は別)。
◇行政の成果を表す公会計
経営とは、最小のコストとリスクで最大の利益をあげることです。税金を使用
して公共サービスを提供する国家経営や地方自治体にも経営が必要なのは
言うまでもありません。著名な経営コンサルタントしてアメリカで活躍した
P・ドラッカーも同じことを主張しています。そして、成果の貨幣的評価が会計
なのです。会計とは、単なる数字の羅列や財務諸表の作成ではなく、資源を
預かる者の成果を測る指標なのです。その意味では、企業会計の
損益計算書にあたるものが公会計の成果報告書です。
行政コスト計算書も大事です。しかしながら、行政コストだけでは、行政の
成果まで測ることはできません。行政の貨幣的成果とは、発生費用から
受益者の負担などを差し引くことで求められます。両者が均衡していれば
サービスと費用は釣り合っています。
受益者の負担以上に費用が高い場合は、経営に問題がある証拠です。
費用の財源は税金なので、この値が大きければ「将来の税金」として増税
される可能性が高くなります。
◇会計の情報開示と国民の関心
公会計は、納税者に政府活動の会計情報を提供します。
会計情報に基づいて首長や内閣総理大臣が納税者の負担を減らす
ことができたかどうかの成果を測る上では有益です。費用が増大した
場合は、国民や市民に説明をしなければいけません。最初から増税を
主張する経営者は、赤字を価格引き上げによって賄おうとするような
ものです。民間では、そのような会社は倒産することになるでしょう。
17世紀の思想家であるモンテスキューは、「彼らは常に政府の窮乏に
ついて語り、われわれの窮乏についてはけっして語らない」と著書
『法の精神』に記しました。
しかしながら、現代では、有権者が正しい情報を目にすることなく、
選挙のない時に増税が進行します。その根拠が「国の借金が1000兆円」
とか「一人あたり800万円の借金」といって財政の窮乏を語って増税を
正当化していますが、国民負担が増えることについては触れません。
モンテスキューの指摘は現在でも当てはまっています。別の見方をすれば、
国民が政府活動の成果に関心がないので、財政の窮乏は生活の悪化と
思い込んでしまいます。つまり、財務省や増税派の政治家は、
国民の無関心を利用しているわけです。
もし会計情報の浸透と国民の関心の高まりがあれば、政治家や役人が
税金の無駄使いをすることが難しくなります。ましてや、増税などは
主張できなくなるのです。
現在の公会計は、地方レベルで初歩的な導入が始まっています。
市議や県議、知事を目指す方は、公会計とPPPの導入を公約としても
よいでしょう。いずれ政府にも適用しますが、まずは地方から実績を
つくることも必要です。明治維新が地方から始まったように、改革は
地方レベルから始まるかもしれません。幸福実現党としても、公会計と
PPPは今後も研究を重ねて政策提言をしていく所存です。
(文責:中野雄太)
☆゜・*:.。. .。.:*・゜
◎本メルマガは自由に転送、転載いただいて結構です。
◎幸福実現党 公式サイト http://hr-party.jp
;
政府の
財務諸表を出させてね・・・
と、幸福実現党のかたにメールした・・・事があります。
特に国民の資産部分と
財務省の必要経費・・・
ですね・・・
何処の新聞もなんの疑問もなく
増税やむなしって
大変変なのでね・・・
小遣い使いっぱなしの子供には
びんた張ってでも
親の責任(国民が主権者・・親だから)
正直に言いなさい!
って成る筈なんだけどね・・・
勝栄二郎のおしりぺんぺんしてくれないかなぁ
思想信条を明らかにしていないのが、怪しく感じると言うか。
公約をそれぞれ見ても、実現党と同等レベルか少し下ぐらいのものも無いですしね。
逆に言えば、地方はこうあれみたいな提言も必要なのかな?結局、消去法になり投票する気は失せますよね。