『視線は早くも、“小沢”後に!
~アメリカの黄昏(たそがれ)と
鳩山政権の命運~』
世界の眼がわかる!
ヘラトリ・トピックス〔第49号〕より
この「ヘラトリ」で予想していたとおり、
~「小沢さんの二度目の事情聴取」が、実は、
31(日)の午後に行われていた~との報道が、1(月)夕方、
一斉に流れました。
この記事は、皆様のお手元に配信される2(火)朝の段階では、
まだ、次の進展はないという前提で書かれていますが、
事態がどうなるかわかりません。
4(木)が、「逮捕された石川議員の拘留期限である」という、
今のタイミングを考えると、
「この時期に再度の事情聴取を仕掛けてきた」
ということは、冷静に見れば、「検察側が証拠固めをほぼ終わり、
最後の申し開きの機会を小沢サイドに与えた」と見て取れます。
実際、事件の“裏門”である、「ゼネコンからの金銭の授受」
については、新聞報道から推測する限り、ほぼ証拠固めは
終わったと思われます。
また、事件の“表門”である「収支報告書の虚偽記載に関する
小沢氏の関与」についても、最大のポイントである大久保容疑者
(元秘書)のところは、まだ不鮮明ですが、それ以外の二人の
元秘書(石川/池田)との関わりのところだけでも、立件
できない訳ではないところまで、肉薄してきた様に思われます。
いざとなれば、裏門の件だけで起訴する手も、ないでは
ありませんから(その場合の罪状が何になるかは、コメントを
控えますけれども)、以上を総合判断すれば、将棋で言えば“王手”
チェスで言えば“チェックメイト”で、事実上、勝負がついた
と思われます。
逆に言えば、これだけ固めた後での事情聴取において、小沢氏は、
前回同様、「全面否定」で押し通した様ですから、このあと来る
検察の反応は、かなり強硬なものになることが予想されます。
検察も、92年の金丸事件で、時の金丸副総裁を、逮捕も事情聴取
もなく、略式起訴だけで済ませ、その後世論(マスコミ)の
袋だたきにあうという、痛い目に遭っていますから、今回、
小沢氏が全くの無傷で終わるという結末は、ないと思います。
仮に、そちら方向の幕引きに向かった場合には、(敢えて名前は
挙げませんが)少なくとも、ある二つの強力なメディアが、絶対に
それを許さないでしょう。
(念の為申し上げると、その二つには、
産経は含んでおりません。それ以外でです。)
そして、憚りながら、この「ヘラトリ」も、そのときには、
牙を剥くことになるでしょうね(笑)。
ということで、「ヘラトリ」の眼は、既にその先に向いています。
何らかの判断が出た小沢さんの扱いを、
今後、民主党はどうするのか。(これにも様々なレベルがあります。)
形の上だけ身を引いて、実質“闇将軍”として、参院選を指揮する
というのであれば、世論は絶対に許さないでしょう。
従って、この部分の扱いをめぐって、民主党は、事実上の分裂と
ダッチロールの渦に巻き込まれていくことになるでしょう。
そして、この間に、経済情勢はますます悪化し、遅くとも、
沖縄・普天間基地問題決着の最終期限である5月末までには、
先ほど申し上げた、(党内の)二つの相矛盾する力によって、
民主党は引き裂かれて、鳩山政権は空中分解している公算が大
であることは、因果の理法から観て明らかであると、言わざるを得ません。
そして、大事なことは、この事態に対して、自民党は全く無力である
ということです。(この間、自民党の支持率も下がり続けています。)
いわんや、それ以外の泡沫既存政党に、世を救う力など、
あるはずがありません。
本当に、強烈な発信をしていかなければならない時期が、近づいています。
そこで、今日は、それを考えるに当たって、最後に、2/1付の
ヘラルド・トリビューン紙の記事を取り上げながら、どれ位の責任が
今、我々の上にかかってきているかを明らかにしたいと思います。
トーマス・フリードマンというコラムニストをご存知でしょうか。
おそらく今、アメリカで最も影響力のあるコラムニストで、
主著の『レクサスとオリーブの木』、『フラット化する社会』、
『グリーン革命』は、いずれも世界中でベストセラーになりましたので、
皆様も本屋さんで、タイトルを目にしたことがあるかもしれません。
特に、『レクサスとオリーブの木』は、総裁の御示唆もあって、
「ザ・リバティ」で特集が組まれましたので、覚えておられる方も、
多いと思います。
彼が、2/1付けヘラトリ紙に寄稿文を載せていたのですが、
そのタイトルが、“Never heard that before”
(「こんなセリフ、かつて聞いたことがないよ」)というのです。
実は、毎年この時期に、スイスのダボスという町で、「ダボス会議」
というのが開かれるのですが、そして、この会議は民間主催の会議
ではあるのですが、結構、各国首脳や一線級の経営者、著名な学者
などが参加するので、その年の行方を占うのに、よく参考にされるのです。
鳩山さんも、当初、得意?の(笑)英語を生かして、参加する予定
だったのですが、年が明けて、小沢疑惑が起きたので、あっさり
キャンセルせざるを得なくなりました。
そのダボス会議に参加したトーマス・フリードマンの感想が、
冒頭のタイトル「こんなセリフ、今までだったら聞かなかったよ」
だったのですね。その記事によれば、
「アメリカという国は、こういう国際会議の場では、批判されたり、
からかわれたりするのは、宿命であり、それは、アメリカが国際社会
の背骨(bedrock)であり、頼りにされていることの裏返しでも
あったのだが、今回の会議では、それが違っていた。
というのは、私の記憶にある限り、アメリカに対して、「政治的不安定」
(political instability)という言葉が使われたことは、かつて
なかったからだ。
この「政治的不安定」という言葉は、通常、ロシアとかイラン、
ホンジュラスといった国に対して使う言葉だ。
ところが今回は、外国の友人達から、
「おい、アメリカは一体、どこへ行こうとしているのか?本当のところ
を教えてくれよ」と、真剣に問い詰められる始末なのだ。
世界中の金融機関は、外交政策の専門家を雇って、カザフスタンとか
アルゼンチンといった国に投資する前に、その国の政治的リスクについて、
分析させるものだが、どうやらアメリカも、その分析・監視リスト
に追加されてしまったらしい。
発端は、オバマ大統領が、結局一年たって、自ら最優先にしていた
「医療保険改革法案」を議会に通すことが出来ずに、事実上白紙に戻ってしまい、
今や、反対党の共和党に擦り寄って、ご機嫌を取っている様子を見て、不安になったのだろう。
そして、彼らがどうやら、本当は聞きたいことは、
「アメリカ式(Washinton Consensus)の時代が終わって、
中国式(Beijing Consensus)の時代が来るのか?」
ということらしいのだ。
アメリカ式(W.C.)とは、開かれた市場と自由選挙、民主主義と言論の自由に代表されるものだが、中国式(B.C.)とは、儒教と共産党の不気味な混血(hybrid)で、一党独裁の下に、政府の強力な指導があり、強固に管理された資本市場と官憲の一方的な意思決定プロセスにより、
普通の国だったら、世論を気にしてとても出来ないような、タフな意思決定や長期投資をやり抜いてしまう体制のことを言うのだ。
(「そのような独裁国家には、出来たら住みたくないものですが。」ヘラトリ弁)」
鳩山政権も、十分ダッチロールしていますが、どうやら世界の目には、
オバマ政権も、かなりダッチロールしているように見えるらしいのです。
「これから、どちらの方向に向かって進んでいこうとしているのか」
が、見えない。
従って、「世界がどちらに向かっていくのか」も、わからない。
その中で、意図不明の中国の台頭だけが、やたらと目につく…。
しかし、少なくとも、多くの国は、中国政府の価値観には、あまり
馴染みたくないので、このアメリカの迷走(日本を含め)が、大きな
不安定要因になっていることが、この一本のコラムからも、ひしひしと
伝わってきます。
我々は、こういう世界に対して、答えを出していかなければならないのです。
もはや頼るべきものがないことが、いやがおうにも伝わってきます。
一つひとつの判断の責任が、非常に重くなってきました。
本当は、小沢・鳩山問題など、さっさと片付けて、前に進まなければ
ならないのですね。頑張りましょう!
(2010.2.1)
2月3日15時52分配信 J-CASTニュース
毎週のように検察批判の記事を大きく掲載している「週刊朝日」(朝日新聞出版)の記事をめぐり、東京地検が編集部側に抗議するという異例の事態に発展している。掲載された記事を執筆したジャーナリストの上杉隆さんが、ツイッターで「東京地検特捜部から編集部に出頭要請がきた」と書き、出頭方法を募集するなどしたため、ツイッター上では騒ぎが広がっている。
週刊朝日では、ここ1か月ほどで検察批判のトーンを強めており、その記事の多くを執筆しているのが上杉さんだ。記事の見出しを見ただけでも、
「検察の狂気 これは犯罪捜査ではなく権力闘争である」(1月29日号)
「子育て女性をも脅かす検察の卑劣」(2月5日号)
と、検察との対決姿勢を強めているように見える。
■「記事は、丁寧な取材を重ねたものであり、自信を持っております」
地検が異例の抗議を行ったのは、2月12日号掲載の「子ども『人質』に女性秘書『恫喝』10時間」という記事。衆院議員で小沢一郎民主党幹事長の元秘書、石川知裕容疑者(36)の秘書が、地検に約10時間にわたって事情聴取を受けたとされる様子を報じたもので、
「『ウソ』をついて呼び出し、10時間近くにわたり『監禁』した。そして虚偽の証言を強要し、『恫喝』し続けた」
などと地検を批判した。
この記事に対して、地検は2010年2月3日、異例の抗議に踏み切った。週刊朝日編集部によると、地検側から抗議をしたい旨、電話でコンタクトがあったが、山口一臣編集長が出張中であることを伝えたところ、
「記事内容の何点かについて虚偽の点があり遺憾。厳重に抗議する」
といった趣旨のファクスが送られてきたという。
編集部では特に検察に出向く必要はないと判断している様子で、山口一臣編集長は
「2月12日号『子ども「人質」に女性秘書「恫喝」10時間』の記事に対し、3日、谷川恒太次席名の『抗議書』を受け取りました。記事は、丁寧な取材を重ねたものであり、自信を持っております」
とのコメントを発表した。
■ツイッター上では「『出頭方法』談義」盛り上がる
周辺には、この情報が「編集部に地検から出頭要請」という形で広がった。例えばジャーナリストの有田芳生さんは13時01頃、ツイッター上で
「『捜査妨害だ!』と激怒する検察は、報道内容に関して山口一臣『週刊朝日』編集長に出頭要請した模様。普通、抗議があれば出向くのが社会の常識」
と発言。当の筆者にあたる上杉さんも13時25分に
「旧き友を暢気にランチに誘っていたら、東京地検特捜部から編集部に出頭要請がきた昼下がり。へへへ」
と書き、13時45分には、ツイッター利用者に
「週刊朝日では東京地検への出頭方法を募集します(無断)。 例:(1)電車で霞ヶ関駅下車。(2)リムジンで地検玄関前に乗りつけ。(3)タクシーを回して逆に呼びつける…などなど。その他、素敵なアイディア、奮ってご応募ください(笑)」
と、出頭方法を募集した。さらに、「#syutto」という、特定のテーマについて話し合うための機能である「ハッシュタグ」まで設定され、
「ustream中継やったら凄い視聴率になるだろうねえ」
と、出頭方法についての議論が盛り上がり続けている。
2月3日15時52分配信 J-CASTニュース
毎週のように検察批判の記事を大きく掲載している「週刊朝日」(朝日新聞出版)の記事をめぐり、東京地検が編集部側に抗議するという異例の事態に発展している。掲載された記事を執筆したジャーナリストの上杉隆さんが、ツイッターで「東京地検特捜部から編集部に出頭要請がきた」と書き、出頭方法を募集するなどしたため、ツイッター上では騒ぎが広がっている。
週刊朝日では、ここ1か月ほどで検察批判のトーンを強めており、その記事の多くを執筆しているのが上杉さんだ。記事の見出しを見ただけでも、
「検察の狂気 これは犯罪捜査ではなく権力闘争である」(1月29日号)
「子育て女性をも脅かす検察の卑劣」(2月5日号)
と、検察との対決姿勢を強めているように見える。
■「記事は、丁寧な取材を重ねたものであり、自信を持っております」
地検が異例の抗議を行ったのは、2月12日号掲載の「子ども『人質』に女性秘書『恫喝』10時間」という記事。衆院議員で小沢一郎民主党幹事長の元秘書、石川知裕容疑者(36)の秘書が、地検に約10時間にわたって事情聴取を受けたとされる様子を報じたもので、
「『ウソ』をついて呼び出し、10時間近くにわたり『監禁』した。そして虚偽の証言を強要し、『恫喝』し続けた」
などと地検を批判した。
この記事に対して、地検は2010年2月3日、異例の抗議に踏み切った。週刊朝日編集部によると、地検側から抗議をしたい旨、電話でコンタクトがあったが、山口一臣編集長が出張中であることを伝えたところ、
「記事内容の何点かについて虚偽の点があり遺憾。厳重に抗議する」
といった趣旨のファクスが送られてきたという。
編集部では特に検察に出向く必要はないと判断している様子で、山口一臣編集長は
「2月12日号『子ども「人質」に女性秘書「恫喝」10時間』の記事に対し、3日、谷川恒太次席名の『抗議書』を受け取りました。記事は、丁寧な取材を重ねたものであり、自信を持っております」
とのコメントを発表した。
■ツイッター上では「『出頭方法』談義」盛り上がる
周辺には、この情報が「編集部に地検から出頭要請」という形で広がった。例えばジャーナリストの有田芳生さんは13時01頃、ツイッター上で
「『捜査妨害だ!』と激怒する検察は、報道内容に関して山口一臣『週刊朝日』編集長に出頭要請した模様。普通、抗議があれば出向くのが社会の常識」
と発言。当の筆者にあたる上杉さんも13時25分に
「旧き友を暢気にランチに誘っていたら、東京地検特捜部から編集部に出頭要請がきた昼下がり。へへへ」
と書き、13時45分には、ツイッター利用者に
「週刊朝日では東京地検への出頭方法を募集します(無断)。 例:(1)電車で霞ヶ関駅下車。(2)リムジンで地検玄関前に乗りつけ。(3)タクシーを回して逆に呼びつける…などなど。その他、素敵なアイディア、奮ってご応募ください(笑)」
と、出頭方法を募集した。さらに、「#syutto」という、特定のテーマについて話し合うための機能である「ハッシュタグ」まで設定され、
「ustream中継やったら凄い視聴率になるだろうねえ」
と、出頭方法についての議論が盛り上がり続けている。