100億人を食わせていける農業を目指そう!
2011.11.29
佐高芳行氏のブログ転載
11月28日の日経新聞23面に
「高騰する食料価格」という記事が掲載されている。
要は経済協力開発機構(OECD)の発表では、今世紀に入り、
食料価格の高騰が顕著であり、今後とうもろこし等の
穀物価格が2001~10年の平均に比べ更に20%、
食肉価格が30%上昇すると試算されているという話だ。
食料の高騰の背景には途上国の急激な経済発展や世界の
構造的変化がある。
特にこの地球上の人口が既に70億人を超え、
100億人になりなんとするような爆発的な人口の増加
がある。
米農務省の統計によれば世界の主要穀物消費量は’87年から’
98年の間に12%増えたが、人口の伸びはそれ以上であり
20%であったということだ。
特に中国等の経済成長が顕著になった’98年から今年までの
増加率は、穀物生産の増加が17%であるのに対し、
人口のほうは24%も伸びている。
現在の貧富の差もさることながら現在世界で慢性的な飢餓状態
にある人々は10億人近いという。
この飢餓人口。これから更に増えてゆくと考えられる。
中国でも今の経済発展が続くと地方に大量に留まっていた
低所得層が都心に出てくればそれだけ食料価格も高騰する
ことが予想できる。
そんな世界の人口が100億人になる時に食糧不足が更に
大きくなった場合、人間の持つ最も醜い争いが展開される。
それが「食物を争ってお互いの肉を食らいあう」ということ。
やや過激な表現になりましたが、要は戦争により他国の食料を
奪ったり、他国の富を奪うことが起きるということです。
東日本大震災で高い精神性を世界に現した日本人に限って
そんなことは無いと信じますが、ちっと洪水や、地震、台風が
発生した時にスーパーから物を略奪するような国家が世界には
あふれている。
いや悲しいかな、むしろそれが標準的かも知れない。
だから日本はそういう醜い争いをさせないために、農業生産性
を今のカロリーベースで40%だの何だの(この数値に
ついてはいつかまた)で留まっているべきではなく、
200%、300%の農業生産性を持ち、世界を食べさせて
ゆくべきである。
中略
いつまでも小さな枠に閉じこもって自分たちの生活を考える
のではなく、もっともっと大きく世界の悩みに直面すべき。
農業を護る必要はありますが、農家を過剰に守る必要は無い。
当然セーフティネットは必要でしょうが、一定期間過ぎれば
自己責任で経営する健全な農業を。
極端な話をすればもしTOYOTAが農業法人を作ったら赤字に
なると思いますか?
またSONYが農業法人を作ったら最新のバイオを通じた工場型の
農業経営でもするのではないでしょうか。
日本の本来の生産性から考えたら、必ず日本の農業は
それだけの力を持つに至る。
日本には世界を食わせる義務がある!そう思います。
http://bikomainu.blog110.fc2.com/blog-entry-777.html
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