「核安保サミット」に見る、野田外交の無為無策
2012年3月28日 黒川白雲氏、ブログ転載
↓テポドン2号
民主党政権の外交無策により、日本は国際社会から「つまはじき」
となりつつあります。
第2回核安全保障サミットが、3月26日から韓国の首都ソウル市で
行われています。
サミットは議長となる李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領をはじめ、
アメリカのバラク・オバマ大統領、中国の胡錦濤国家主席、
日本の野田佳彦首相ら、53カ国の首脳または首席代表、欧州連合(EU)
と国連、国際原子力機関(IAEA)、国際刑事警察機構(インターポール)
のトップ、計58人が出席する、最大規模の安全保障フォーラムです。
(3/26 聯合ニュース「<核サミット>きょう開幕
53カ国・国際機関の代表出席⇒ http://goo.gl/ktbOH)
野田佳彦首相は3月26日夜、核安全保障サミットに出席するため
政府専用機でソウル入りしました。
野田首相は、出発に先立って記者団に「北朝鮮がミサイル発射を準備
していることは間違いなく国連安保理決議違反につながる。
それを国際社会に訴えて北朝鮮に自制を求め、日本の考えを各国首脳
と共有したい」と表明し、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射阻止に
向け各国に協力を呼びかける考えですが、米中韓など主要国首脳との
会談は特に予定されておらず意気込みが全く見られません。
一方、バラク・オバマ大統領は25日に一足先にソウル入りし、
朝鮮半島の南北を隔てる軍事境界線に隣接する非武装地帯(DMZ)を
訪問したのを皮切りに、サミットのホスト国である韓国の
李明博大統領や、核開発問題で揺れるイランの周辺国であるトルコの
エルドアン首相と会談しました。
続いて26日にはロシアのメドヴェージェフ大統領、中国の胡錦濤国家主席
と相次いで会談し、核の拡散防止に向けて積極的な首脳外交をこなして
おり、有言不実行の野田首相と全くの対照をなしていると言えます。
(3/27 産経
「核安保サミット 外交無策つまはじき…首脳会談予定なし」
⇒ http://goo.gl/ztWiS)
オバマ大統領だけではなく、李明博大統領も精力的な外交を
こなしています。
聯合ニュースによると李明博大統領は、サミットに前後した24日から
29日にかけ、27カ国・国際機関の首脳や首席代表28人と相次ぎ会談
する計画です。
特に26日に行われたアラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の
ムハンマド皇太子と会談では、両国が進めているUAE内の
原子力発電所建設事業について協議しています。
(3/26 聯合ニュース「<核サミット>韓国とUAE
原発建設の協力強化で一致」⇒ http://goo.gl/tGLq5)
このようにサミットを前後して行われる首脳会談は合計250回に及び
ますが、その内、日本が関わる首脳会談はただの1回も予定されておらず、
これは極めて異例な事態であると言えます。
日本は、エネルギー問題を解決するために原発を導入しようとしている
アブダビ首長国のような国もある中で、一番必要な原子力発電所事故に
対する貴重な知見を共有する気がないことを示した形となり、存在感を
全く発揮していません。
また、日本が存在感を示すには26日の昼までにソウル入りし、
午後4時30分から始まる公式歓迎式、同6時30分からのワーキングディナー
に参加する必要がありましたが、これをキャンセルした上、更に帰国時間
も予定より3時間ほど早めており、主要国としてサミットに参加して
いるという自覚が全く感じられません。
この野田首相の態度は、平成24年度予算案の年度内成立と
消費税増税関連法案の成立という国内における些細な問題を、日本の
安全保障問題に優先させるという意思を内外に示したことを意味する
もので、北朝鮮やイランの核問題を解決する意志、エネルギー問題を
解決する手段としての原子力発電を推進していくために
福島第一原子力発電所事故の教訓を共有する意志に欠けていたと判断
せざるを得ません。
国際社会をリードしていく意志も胆力も無い野田首相は、
日本の首相として全くの不適格であり、早期退陣に追い込む必要が
あるでしょう。
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。