もうずいぶんの間、使わずに入れたままのものがありまして。
「この土鍋、捨ててもいいかなぁ」
家主に一応聞いてみましたら
「えぇっ!?おでんとかそれでやったらいいじゃん!」
「じゃあこのホットプレートは捨ててもいいかな」
すると家主は
「えぇっ!?ホットケーキとか焼いたらいいじゃん!」
そもそも家主は
鍋は好まないのです。
水炊きやら、寄せ鍋など
卓上コンロで土鍋を囲んで…というスタイルは、
家主が「好きじゃない」と言うのでしていません。
なので
私が『今夜は鍋にしたいなぁ』と思う日は
台所のガスで普通の深鍋で作り
それを豚汁のように各自の器によそって食卓へ、という形にしています。
おでんの場合も
土鍋にぎっしり詰め込むほど
そんな大量には作りませんので深鍋で十分です。
土鍋で炊くご飯は美味しい、
とやってみたこともありますが
土鍋ほどの量を炊くこともないですし
保温もできないので、結局炊飯器が便利です。
ホットプレートも、
子供達が小さい頃はホットケーキだけでなく
お好み焼きだの焼きそばだのテーブルの上でやりました。
でも今ではすべてフライパン。
全員分を一気に作る機会もなかなかないのもそうですし、
フライパンの方が後片付けも楽に思えて。
家族が揃って食卓を囲む、
夕飯は全員揃って「いただきます」…
家主はそれをしたいのだろうと思います。
ですが、
帰宅時間もまちまちで
全員揃って、は不可能ですし
娘たちは
家主と顔を合わせても会話もまともにせず。
それが寂しいんだろうな、と
いじけた態度に滲み出ちゃってるので
よくわかります。
娘たちも社会人ですから
同居してるとは言っても、それぞれに生活があります。
ところが
家主の中には『休日には家族揃って』など
いつまでも子供達が小さかった頃の感覚があるのでしょう。
娘が朝から出かける用意をしているのに気づくと
「休みなのにお出かけですか。大変ですね」
そんなふうに娘に声をかけちゃう家主。
娘は私に
「家にいたって休まらないから」
そう言ったりします。
娘の方も気を遣っているからこそ
家主には直接は言わないのでしょう。
もう親元では窮屈に感じる年頃ですね。
ちゃんと成長している証拠。
毎日の家主の夕食時には
娘たちはまだ帰宅していませんから
「今日も遅いねー」とか
「早く帰ってくればいいのに」とか
家主は晩ごはんを食べながら口癖のように呟いていますが
家主の夕食タイムは夜6時半〜7時(笑)
その時間帯に帰宅するのは定時にあがっても無理なのです。
合わせてもらうのは無理。
期待を押し付けてもいけない。
わかっていながらも
寂しさと自分勝手が態度と言葉に出てしまう、
そんなところなのでしょう。
きっと使わないだろうけどなぁ、と思いつつ
土鍋もホットプレートも
またもとの場所に戻しておきましたが
家主も寂しがって部屋にこもってばかりいないで
土鍋でおでんを用意してみたり
ホットプレートでホットケーキを焼いてみたり
『自分でもやってみよう!』なんて思って
使ってくれていいのに。
家主は料理に興味はないようです。