来年笑えるように

夢の中で、ずっとハマグリを探していた。近所の魚屋にもスーパーにもなくて、なぜか海のそばまでたずねていく……。眠る直前まで、生協のメニューを見ていて、お雛様なのにハマグリがないなぁなんて思ってたからや。はぁぁ。創作してれば、創作の夢が見れてたかもしれないのに。
今日は仕事で、ミスがまったくゼロという輝かしい日だった。仕事を終えたときの気分もとても軽く、帰りは雑貨屋さんへ寄って、ケーキの道具などを買った。
やけに元気があり余ってて、２時間近くキッチンに立って、明日の仕込みまでした。晩ご飯のあとには、シフォンケーキも焼いてみる。小さい型で焼いたんで、みんなでわけると、一口ずつしかなかったけど、焼き立てはふんわりして、美味しく感じられた。
夜９時半。まさかと思ったけど、電話のベルが鳴った。こんな時間に電話がかかってくることは、年に一度もない。とうとうわたしにも運命の日がやってきたか…とカチコチになって、受話器をとると、東京の編集者さんからだった。へなぁ。夫はまた、世間話で盛り上がっていた。
今日一日、何をそんなに期待してたんだろうと恥ずかしくなった。結果ばかりを求めて、今がちっとも創作の世界に入り込んでないのに。
来年の今頃、きっと笑えるように、がんばるのは今なんだと自分に言い聞かせ、みなが寝静まったあと、ノートを広げて、アイデア出しを続けた。