朝から、三女を病院へ連れて行きました。ただの風邪でほっとしましたが、ひどくなると気管支炎になりかねないということで、明日もう一日、休ませてくださいと言われました。
確か、前にも原稿の締めきりギリギリに、三女が病気になったことがあります。その時はPCをはなれて、アイデアを練ったおかげで、いい結果が出ました。今回も、吉と出ますように…と、心の中で手を合わせます。
家に帰り、三女は薬を飲むと、少し不機嫌になったあと、コテンと寝てしまいました。さあ、今のうちに原稿を書きあげようと思った次の瞬間、夫が1冊の本を手に、リビングにやってきました。
「みてみて、これ、チョコレート工場の秘密! 図書館で1か月待って、やっと今日届いてん。この評論社から出ている本の何がすごいかって、訳が詩人の田村隆一さん! 本屋さんでは売っていないから、図書館で借りて読むしかないんよねー。ほら、これ、先に読みいやぁ。すぐ読めるで。いま書いてる原稿の参考になるんちゃう? さっと読めるわ。すぐ読み」
うう〜、せっかく集中しようとしていたのに…。気持ちがグラグラゆらぎます。ちょっとぐらいならいいかな。この本を読むことで、作品に大切なものが発見できるかもしれないし…。いやいや、でも、明日も三女がお休みなのに、いま書かないと、またいつ書けるかわかりません。
ああ、でも、ちょっとだけなら…とずるずる引き込まれて読み始め、はっと気づくと、2時すぎ! 二女が帰ってくると、これまた何もできません。あわてて、原稿に戻ります。53枚目まで進みましたが、全く終息に向かいません。難関を作ってどうする! あー、ゴールの旗を通り過ぎたのに、まだまだ止まれないランナーのようです。これは推敲も大変そうです。