郵便局で私が郵便を出している間、「ソファーで待っていてね」と言って、私のスマホを持ったまま待っていたのですが……、
28通の封筒を出し終えて、ふと後ろを見ると、ソファーにいません!
郵便局のなかを見回しましたが、どこにも姿はなく。
もしかすると、忘れ物を思い出して、自宅に帰ったのかと戻ってみましたが、家の前にもいません。
今日は、「なんばパークスの映画館でチュロスを食べたいです」と言って、スケジュールにも入力していたので、もしかして、一人で出かけたのかも!と驚いて、駅に向かいました。
駅員さんに、
「白い服を着た女の子が通りませんでしたか?」
と聞くと、
「通りましたよ。ホームにいるんじゃないですか」と。
急いでホームに降りましたが、見当たりません。
電車が行ったところだったので、もしかしたら、乗ってしまったのではないかと、次の電車に乗りました。
私のスマホを娘が持っているので、どこに連絡を取ることもできないまま、心斎橋駅までが気の遠くなるほど長く感じられました。
ひと駅ごとに、ホームでウロウロしているんじゃないかと探しましたが、見当たりません。
いよいよ心斎橋駅に着いたとき、駅のホームに女性の駅員さんがおられたので、聞いてみました。
「障がいのある娘とはぐれたんですけど、なんばの改札を出ないように止めることはできますか?」
「はい、できます」
即答してくださって、駅長室に行くように言われました。
階段を上がり、駅長室の駅員さんにもう一度、説明すると、
「改札がいっぱいあるので、難しいかも」という返事。
一応、特徴を聞いておきますと言われ、説明していたとき、もうひとりの駅員さんが駆け寄ってこられました。
「その子なら、今、部屋の中にいますよ。間違いないと思います」
まさかと思いながら急いで行くと、いました!
イスに座って、にこにこと。
親切な方が、一人でいるところを見つけ、駅長室に連れてきてくださったそうです。
お名前だけでもと思いましたが、急いでいるということで、そのまま立ち去られたそうです。
もしかして……と最悪のことも頭をよぎっただけに、心底ほっとしました。
本人は、ただただ、にこにこしています。

「電車は一人で乗ったら、だめよ」と言っても、にこにこ笑うだけ。


無事に保護されて、ほっとしました。
お忙しいなか、駅長室まで連れて行ってくださった方、本当にありがとうございます。
日本はやさしい方ばかりでよかったと、胸をなでおろす思いです。

こちらが行きたかったなんばパークスの8階にある映画館です。
じっとしているのが苦手で、映画を観ることはできませんが、ここのチュロスが大好きです。
帰り道、もう一度、手をつなぐことができてよかったと、感謝の思いでいっぱいになりました。