【コピーライターになろう!】最初は失敗の連続。
おはようございます。
昨日12月28日は仕事納め。官公庁や一部の企業では、今日から年末年始のお休みに入るようですね。
さて、今日の【コピーライターになろう!】は「最初は失敗の連続」です。
24歳で上京し、勤めた制作プロダクションの社長は、とにかくよく怒る人でした。
社内のスタッフ、業者さん、はたまた、プライベートでのクレームなど。
狭いマンションの一室で、直接、デザイナーさんを叱り飛ばしたり、電話ごしに怒鳴ったり。
聞いているだけでも、気持ちがどんどんメリ込みんでいきました。
常に超不機嫌な社長でしたが、入社して半年も経つと、チラシやパンフレットのラフを持って行った際、めちゃくちゃ誉めてくれるようになりました。
「これ、いいね〜」
「いいじゃない!」
「面白いね〜」
人が変わったように誉めてくれます。
デザイナー出身なので、もっと、こんなふうにしてみてはどうだろう。こんなビジュアルにしてみては?と、どんどんアイディアを出されます。
一緒に作っているような感覚で、こちらもワクワクしてきました。
が! 突然、社長がものすごい剣幕で怒鳴り始めたことがあります。
あろうことか、一番大きな文字で書いていたキャッチコピーの文字が間違っていたのです!
「どうなってるんだーっ!!」
マンションじゅうに響き渡りそうなほどの大声で叱られました。
それからも、ラフを持って行っては誉めていただき、間違いがあれば、怒られることの繰り返し……。
「信頼」という名の積み木を積み上げては、失敗をしてガラガラと崩れ、また一から積み直し、また崩れては積み直す繰り返し。
一度失った信頼を取り戻すのは大変で、3合目、5合目まで登れば、またその続きから登れるのかと思いきや、ゼロからの出発です。
精神的にもつらいなぁという時期、闇の底をさまようような時期が長く続きましたが、ようやく認めていただけるようになると、社長になんでも相談できるようになりました。
一見、やみくもに怒鳴っているように感じていましたが、社長が怒られることは理にかなっていたのです。
あるときは、後輩のコピーライターが、お茶を入れたあとのお茶の葉を捨てていなかったことで、怒鳴りまくっていたことがあります。
そのときは、「それぐらいのことで……」と思いましたが、しつけに厳しい方で、教えていただいたことは、お客様のところにお伺いした際も大切だと、あとから気づかされました。
なんでもかんでも怒るわけではなく、私がカタログの校正で、単位の「g」と「mg」のスペックを間違えた際は、訂正シール3万円の損害が出たにも関わらず、まったく叱られませんでした。
米粒ほどの細かなシールを2000部のカタログに貼ってくださったのは、お客様。社長が電話口で謝っておられるのを聞いていると、申し訳ない気持ちでいっぱいになり、叱られるよりつらかったことを覚えています。
「訂正シール3万円」。今はデジタルのお仕事も多く、簡単に直せる場合もありますが、このことがあったおかげで、私はその後のコピーライター人生でも、校正にはかなり慎重になるようになりました。
そうして、少しずつ社長に信頼していただくと、TECさんやウシオ電気さんのお仕事だけでなく、富士フイルムや資生堂のお仕事もまかせていただけるようになります。
取材では全国に行かせていただきました。
ただ、最初の頃は取材が苦手で苦手で。沈黙が長く続いたり、同行したクライアントにダメ出しをされることもありました。
明日は、失敗続きだった取材のお話を書かせていただきます。
【コピーライターになろう!】