煮詰まってしまったとき、私は一旦原稿を寝かせて、別の作品に取りかかります。まさに今日も煮詰まりました。
今日こそ5枚童話を完成させようと、PCのファイルを開きます。アイデアファイルから、原稿用紙のファイルに植え替えた作品が、いいかんじの分量になっています。昨日見つけた問題点をチェック。細かい部分を直していきます。
午後1時。なんとか書き上がり、プリントアウト。珍しく起承転結の「結」が先に浮かんだ作品。けれど読んでいる途中で「結」がバレないだろうか…。伏線も2、3か所張っておきたいし…と何度も読み返します。シーンが映像のようにクッキリ浮かぶか、読者がついてこれないような急展開がないかなど…。書き上げてすぐは全く客観的になれません。そういうときは、しばらく原稿を寝かせるようにしています。
そして、その間に2本目を書き出します。こちらは、2枚目までの流れがとても気に入っていますが、「転結」が決まっていない作品。こんな展開もあるし、こんな展開のほうが面白いかも…と展開案がいくつか浮かびますが、急ぎすぎないように気をつけます。
じっくり考えたい場合は、ムリに最後まで書こうとせず、できた部分までをプリントアウトします。あとはプリントアウトした原稿に手書きで不足する部分を書きこんでいきます。
ただ、まだまだ納得できないというときもよくあります。書き出し1行目から心踊るような手ごたえがほしいのに、手ごたえが感じられずに締め切りだけが迫ってくる場合も…。
どうしよう、時間がない…と気持ちが焦るとき、心のなかでは半泣きになっているのですが、そんなときは何でもいいので、そばにある本を読み始めます。物語でも何でもない、人生についての本でも料理の本でも何でもいいと思います。クールダウンするために広げた本で、思いがけない一行に出会えることもよくあります。
『もし、◯◯が人間だったとしたら……』と、アイデアの原石が転がり落ちてくることも。ただ、すぐに磨きたくても、主婦として母親としてのお仕事がある場合、私の創作タイムはそこで終了です。原石を大切にしまい、家事と育児に専念します。あとは寝ても覚めても、頭の片隅で原石のことを考え続けます。原石が光るまで…、これもなかなか楽しい作業です。