70の瞳

笑いあり涙あり、36人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

学びの秋

2024-11-26 17:44:05 | 愛すべき子どもたち

秩父山系の山々もようやく色づき始めた1日、職場から離れた施設を借りて職員の一日研修を行いました。

まずはアイスブレイキング。普段、仕事で多くの時間を過ごす同僚ですが、お互い知らない側面もたくさんあります。カードの力を借りて、知らなかった、気づかなかった人となりに触れます。

続いて法人理念のふりかえり、近づく50周年に向けての計画案などの共有をしました。その後は、来年度に予定されている管理システムの紹介と体験。子どもたちの日々の生活を支えるためには欠かせないツールなのでみんな真剣です。

そして本日のメイン・イベント。児童養護施設「東京育成園」前園長、現理事で上馬キリスト教会牧師、牧会カウンセラー(LPC認定) 、大学・専門学校講師などを歴任しておられる渡辺俊彦先生による講演です。様々な課題を抱えて入所をしてくる子どもたちの課題に気づき、適切な支援をしていくためにはまず自分自身をよく知る=自己覚知の重要性とその方法が語られました。


より良い支援をするためのたくさんの示唆と洞察をいただく機会になりました。


子どもの日

2024-11-22 11:06:54 | 愛すべき子どもたち

七五三は、現代に比べて医療が十分ではなく子どもの死亡率が高かった平安時代、その年齢まで子どもが成長できたことを祝い神社・寺などを詣でたことに由来する日本の年中行事。11月中旬に行われます。
11月中旬、20日は世界子どもの日でもあります。こちらは、1959年11月20日の国連「子どもの権利宣言」の採択、1989年11月20日に、すべての子どもに人権を保障する初めての国際条約「子どもの権利条約」の採択を覚える日です。今年は日本が子どもの権利条約を批准してから30年の節目でもあります。
毎年、ユニセフはこの世界こどもの日に合わせて「世界子供白書」を発表します。今年の白書は、気候変動、人口構成の変化、AIなど先端技術の生活への影響増加など大きく変化する世界において、子どもたちの権利を守るための行動が今取られなければ、子どもたちが生きる未来が危機に瀕すると警鐘を鳴らしました。

国内外を問わず、すべての子どもがその権利を守られて成長し、豊かな生活が送れるようにすることは大人の責任です。

さんあいの七五三。晴れ着の気付は大人3人がかりで。本日の主役の準備が進みます。

穏やかな秋の日に、子どもたちがこれからも健やかに成長してくれることを祈ると共に、未来を見据えてその権利を守る取り組みを続けていく決意を新たにしました。


少し早めの大掃除

2024-11-14 20:38:20 | 愛すべき子どもたち

11月14日は全国的には平日ですが、埼玉県民にとっては特別な「埼玉県民の日」。公立の小中高等学校はお休みです。さんあいでは、そのお休みを利用して大掃除を実施。例年は12月の週末にすることが多かったのですが、今年はまだ寒くなる前に行うことにしました。

かしのきのお部屋では段取りを決めて掲示。みんなで一丸となって取り組もう!という意気込みが感じられます。

まずは各自のお部屋から。

リビングではみんなで衣類の整理。長く暑い日が続き、ちょうど衣替えのタイミングでもあります。

たくさん出たゴミも子どもと職員で協力して片づけます。

そして今年も頼もしい卒園生が3人も応援に来てくれました。大きくてたいへんなベッドの分解、組み立ても手際よく、見事です。子どもたちのおやつも差し入れてくれました。ありがとう!

しっかり働いたので、みんなお腹がぺこぺこ。お昼はホールで職員が用意をした昼食に舌鼓。

今日のおにぎりはNPO法人見沼ファーム21から寄贈いただいた「見沼たんぼありがとう米」で作りました。美味しい新米のおにぎりは大好評で2回、3回とお替りをする子どもたちの姿が見られました。こちらもご支援、ありがとうございました。

 


平和なハロウィン

2024-11-06 16:58:15 | 愛すべき子どもたち

栄養士が何やら作っているのを見せてもらうと・・・・デザートの上でお化けたちが踊っています。

そう、今日はハロウィン。子どもたちを喜ばそうと職員が腕を振るった夕飯の食卓にもお化けたちが踊っていました。

夕方の園庭は、仮装をした子どもたちでにぎわいました。職員の中には自費でお菓子を用意してくれる者もおり、子どもたちを喜ばせてくれました。

すっかり日本の季節行事のようになったハロウィンですが、元は悪霊を追い払うというヨーロッパはケルト人の祭りに由来するものだそうです。

妬みや嫉妬、不満といった悪霊たちが私たちにいたずらをしないように、子どもたちには、たくさんの人たちによって支えられていることを覚え、感謝の心を持って育っていってほしいと願います。


キャンプだホイ

2024-10-30 01:46:41 | 愛すべき子どもたち

定期的に開催している小学生会議の中で、子どもたちから「キャンプをやりたい」という希望が出されました。そこで涼しくなった秋の週末、子どもたちと秩父のキャンプ場に向かいました。

キャンプでは男女混合の5~6人のグループを作っていろいろなプログラムをしました。職員としては、子どもたちが協力してする活動を通してチームワークの大切さを学んだり、力を合わせることで達成感を得たりしてくれることを期待しています。

あまり包丁を持ったことがない子たちも美味しい食事を作るために果敢に挑戦。

ガスではなく薪で火を焚いての調理。空間、メンバー、やり方すべてが非日常の中では、子どもたちもいつもとは違う顔、やる気を見せてくれます。

いつものカレーも、自然の中で食べるといつも以上の味がします。

キャンプファイアー。暗がりの中で火を囲むとさまざまな思いが去来します。

帰路は、グループごとに分かれてのオリエンテーリング。地図を頼りに、ちゃんとたどり着けるかちょっぴり不安になりながらも目的地まで歩きます。

キャンプをすることで得られる様々な出会い、体験の喜びを歌った『キャンプだホイ』という曲にあるとおり、子どもたちは集団での活動を通してさまざまな新しい・はじめてのことを体験し、他者の中で生きている・活かされていることを実感し、成長します。

個別性を重視し、より小さい単位に向かう児童養護施設ではありますが、施設故の集団的側面も良い意味で活かしていきたいと思います。


栗拾い

2024-10-21 18:32:11 | 愛すべき子どもたち

地域の農家の方から、栗拾いにお誘いをいただきました。とげがあり危ないので、中学生以上の希望する男の子で挑戦しました。

初めて栗林に入る子もいます。とげに気を付けながら、開いている実を見つけます。

直接、手では触らずに、トングと足を使って上手に実を取り出します。バケツに何杯もの栗を収穫することができました。

収穫した栗は園に持ち帰り、すぐに茹でて各部屋に配ります。この部屋では栗ご飯にして美味しくいただきました。

ほくほくした美味しい栗ご飯。今日も地域の皆さんのご厚意で、秋の味覚を堪能させていただきました。

ごちそうさまでした!


動物愛護フェスティバル

2024-10-18 17:56:47 | 愛すべき子どもたち

恒例になっているアニマル・クラブの秋の行事、県の動物愛護フェスティバルへの参加ですが、今年は加須の会場に行ってきました。距離は遠かったのですが、広い会場でたくさんの団体が参加して賑やかでした。

お絵描きコーナー。見本のようにスケッチをすることで動物をよ~く観察するんだよ・・・と大人は思うのですが、子どもたちはみんな好きな動物の絵を好きなように描いていました。

セラピー犬たちとのふれあいコーナー。みんなよく訓練されていています。それを支えているのはたくさんのボランティアさん達。子どもたちにとっても良いお手本です。

そのボランティアさん達が紹介してくれたのが飼っている犬や猫の体内にマイクロチップを埋め込む技術。特別な装置を使って、動物の体内に埋め込まれたチップを読むことで、その飼い主や動物自身の情報を読み取ることができます。これをすることで動物が迷子になっても、飼い主のもとに届けてもらえたり、不正を防止することができます。

いろいろなことを体験し、学んだ秋の一日でした。


収穫の秋

2024-10-10 21:15:54 | 愛すべき子どもたち

朝晩は涼しくなって確実に秋が来たことを感じられるようになりました。周辺の畑でもブロッコリーの収穫が始まりました。さんあいの畑の土の中ではしっかりとサツマイモが成長しています。そこで里親さん達の手も借りながら、子どもたちと芋ほりを行いました。

都会では、弦が生い茂った地面の下でサツマイモが育つことを知らずに大きくなる子たちもいるようです。さんあいの子どもたちは、神様が与えてくださった豊かな恵みが成長して、自分の食卓に並ぶまでを目や手で楽しみ、そして口で味わうことができます。

サツマイモの畑の隣には秋茄子も。

暑い夏が長引いたために秋が短くなりそうですが、みんなでその秋を堪能したいと思います。

 


お小遣い

2024-10-04 19:29:46 | 愛すべき子どもたち

一般の家庭と同様、児童養護施設でもこども達が日々の生活の中で自分で自由に使えるお金を持てるようお小遣いを渡しています。金額は同年代の子どもたちや地域の状況をみながら決められています。お小遣いは、子どもたちにとっては計算を覚える機会であったり、自分でお金を貯めて欲しいものにお金を使う計画力を養ったり、ひいては退所をして自立を始めるために経済観念を養っていくためのステップともなるものです。

さんあいでは毎月のお小遣いを施設長が直接、子どもたち一人ひとりに手渡しをするようにしています。

小学生になるとお小遣いも千円を超えるのでお札で渡されます。今月はいよいよ新札が混ざるようになりました。

「あ、渋沢栄一だ!」いやいや、それは北里柴三郎さんです。

子どもたちのお小遣いを含む生活にかかる費用は、基本的に行政からの措置費によって賄われています。

10月も多くの品物の値段が上がりました。子ども会議では、子どもたちからお小遣いの額を引き上げて欲しい、という要望が出されています。施設単独の努力ではどうしようもないこともあることを子どもたちには説明、理解をしてもらい、たいせつに使おうね、と話しています。


マメちゃん逝く

2024-09-25 19:05:54 | 愛すべき子どもたち

この時期らしい涼しさが感じられるようになった朝、ウサギのマメちゃんが天に旅立ってしまいました。前日まで元気にしていたマメちゃんですが、ぶどうの木で動物たちのお世話をしてくれている子どもたちが、冷たくなっているマメちゃんを見つけたのです。

子どもたちを集めて理事長先生からお話し。マメちゃんはフレミッシュ・ジャイアントという種類で、平均寿命は7‐8年ということ。生まれて2年ほどのマメちゃんでしたが、それよりもかなり早い短い命でした。でも、その短い間にたくさんの楽しい時間を与えてくれたことに皆で感謝をしました。

同じ動物小屋でマメちゃんと起居を共にしてきたポニーちゃんも神妙な面持ちで話しを聞いています。

皆で順番にマメちゃんのなきがらにお別れをしました。

お墓には皆で好物の小松菜を供えました。

最後に皆で祈りを合わせました。悲しいできごとですが、子どもたち一人一人が、このことを通して生きるために大切なことを学んでくれることを願ってやみません。