全国には約600ほどの児童養護施設があり、そのネットワーク組織として「全国児童養護施設協議会」がある。その協議会では、「児童養護」という季刊誌を発行しているが、最新号にさんあいの職員の記事が掲載された。子どもたちと共に歩んでいる職員の気持ちが気持ちが語られている。抜粋ではあるがここに紹介したい。
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施設長がいつも職員に伝える言葉がある。「自分の子どもだったらどうするか」
当然施設であるから、限界はある。何でも思い通りになる訳ではないが、現状でいいのか?より良い支援はないのか?と考え、気づこうとする心を教えられているように思う。
その中で感じたことは、施設という枠の中でどうしても職員自身も受け身になってしまいがちであるということである。
「最近焼きそば出ないね」という子どもからの言葉を聞いてはっとしたことがある。「焼きそば作って」ではなく「出ない」。昨年から職員が調理をしているが、献立は栄養士が立てている。私自身も調理はしているものの、決められたメニューを作っているという受け身な気持ちがあったことは確かである。子どもへの伝え方も「今日は魚だって」なのか、「今日は魚を焼くよ」なのか。子ども達が、今いる場所を大切に思い、ここに根を張り育っていくためには、職員自身が生活全体に責任を持ち、主体的であるべきである。そうすれば文句も少なくなり、前向きになる。
今でも思い出す嬉しい一言がある。一大イベントのお部屋旅行にでかけ、思う存分楽しんで帰ってきた時の子どもの言葉である。
「やっぱり我が家が一番だな~」そう言ってごろんと居間に寝転がった。何気ない光景。深い意味はないかもしれない。それでも、ここが帰る場所で、居ていい場所だと思えていること。疲れも吹っ飛ぶ感動だった。
「おかえり」と言える幸せを感じながら、今日もまた、子ども達と歩いていきたい。