三寿会ブログ

社会福祉法人三寿会の日々の活動を掲載しています

当たり前の日常はプライドが作る♪

2015-06-23 17:54:23 | 日記

随分間が空いてしまいました。。。本当にごめんなさい。

反省 反省。。。

さて、仕切り直しです。ふぅ~。。。

 

私たち介護の世界では、しばしば”当たり前の生活を提供するための支援”ということが言われます。

なんでわざわざ”当たり前に当たり前のことを提供する”などというのでしょうね私はとても不思議だったのです。

私はもともと病院で看護師として働いていたので、患者さんがしっかり病気を治すことができるよう医者と患者さんの間に立ち、気持ちの橋渡しをしたり、効果的に治療が進むように心身のケアとサポートをすることが仕事でした

つまり、「明日の健康を取り戻す」支援ですね。言い換えれば、明日の健康を取り戻すために辛い治療やリハビリをどう乗り越えていただくか。。。「明日の健康を取り戻すために今をどう我慢していただくか?」の支援をずっとしてきたわけです

ところが、特養って平均年齢が80歳後半。100歳以上のかたも複数いらっしゃる。その方々の生活を支援する時は、「今を我慢して明日を考える」のではなく、「今この一瞬をどう気持ちよく、わがままに生活していただくか?」が最優先となります。お年寄りの皆さんにとって残された時間はそんなに多くないのですから。。。

 

家庭で生活するように、全ての方に1対1で関わることはとても難しい現実もあります。しかし、限られた時間と人手、苑にあるありったけの資源でお年寄りの支援を考える毎日です。

当たり前の日常ってなんだろう?何気なく過ぎる毎日だよね。だけどたまには楽しみも欲しいよね。会いたい人に会いたいね。うれしい時は一人で笑うのではなく、周りの人と一緒に笑いたいよね。悲しい時は誰かが一緒に泣いて欲しいよね。。。なんて事を考えながら。。。

ということで、今日はディサービスでハーモニカアンサンブルのハイタッチ&パープルさんが来てくださりました。

  

以前、NHK プロフェッショナル仕事の流儀で羽田空港の清掃員さんが取り上げられていました。世界一きれいな空港として認められているのだそうです。その清掃員さんがおっしゃっていた言葉が、「当たり前の日常はプライドが作る」   かっこよかったです。

三寿苑 坂上

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うわ~っと、ひやりはっと\(◎o◎)/!

2015-06-04 18:29:06 | 日記

 

みなさん”ひやりはっと”って知ってますか

「もう少しで事故になりそうだった」「この状態を放置すると事故を招くことがあるぞ」など、ひやりとしたことやハッとした場面を記録してチームメンバー全員で再発防止に活用する記録のことを言います。

この他に、未然に防げず事故が起こってしまった時の報告書。三寿苑では状況報告書という名前になっています。

白状しますが、私はひやりはっとも状況報告書も、ちょびっと「書くのがしんどいなぁ」と思ってしまいます。。。

しかし。。。次に同じような事故を未然に防ぐにはこの記録が一番効果絶大。

大きな事故が起きてしまえば、ご利用者やご家族にホントに申し訳ないし、私自身後でとっても辛い気持ちになるのはもっともっとしんどいので出来るだけ早くチームで話し合うようにしていました。

  こ~んな感じの内容です。三寿苑で実際に使っているものはもっと細かく書くようになっていますが。。。

 

この報告書、慣れないと「再発防止策」を書くのがとっても難しい。

”なぜ?”をしっかり掘り下げないと、その時携わった「職員○○さんのせい」になっちゃうし、「次から見守りや確認をしっかりします。」という防止策になりがちだからです。

その点、昨日回ってきたおわらの里の状況報告書は、おおっ素晴らしい  思わずつぶやいてしまいました。

その内容をかいつまんで書くと、

★下剤の座薬を入れる時間が予定の時間ではなかった。

★幸いなことにご利用者は体調も変わりなく、便がすっきり出て楽になった。

★しかし、今後万が一、みんながチーム内で決められたルールに従って対応できなければ大きな事故につながる可能性が大きいのでチームで改善策を考えた。

というものです。何がおおっ素晴らしい だったかというと、「時間を間違ったその人」のせいにせず、「どんな人が携わっても間違えにくい方法はないのかな?」という視点からスタートした分析になっていたこと。

間違えやすい状況があったのかどうかを考えて、新人であろうがベテランであろうが間違えなくても良いようにルールを変えたというところがいいねでした。

 

こんな視点から考えると、例えば「転倒防止」も「転ばせないように見守る(なんだかいい感じにも見えるけれど、言い換えれば”できれば24時間監視する”)」という発想から、「出来るだけお年寄り本人のペースに合わせて自由に生活してもらいたい。でも万が一転んでも大きなけがにならないように環境を工夫しよう。」になるのです。

 

そして、みんなで考えてくれたのがこれ↓  称名の里のとある方のベッド。。。

★安定してつかめるL字のベッド柵。

★滑らず立ち上がり安くかつ転んでも骨折しにくいように足元にクッション。

★よろめいて壁の角にあたっても怪我しないように、角のクッションガード。。。

 これでケガは ゼ~ロ~  になることは難しいかもしれませんが、皆でねじり鉢巻き。。。毎日知恵を絞ってくれています。

三寿苑 坂上

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行為の意味。。。

2015-06-03 16:55:56 | 日記

ちょっと前のCMですが、みなさん印象に残っている方も多いのではないかしら。

 

 ” 「心」は誰にも見えない。けれど「心遣い」は見える。”

   ”  「思い」は誰にも見えない。けれど「思いやり」は見える。”
 
これ、実は宮沢章二さんという詩人が「行為の意味」という本に乗せた詩なんですって。
 
この後の詩は、    ”あたたかい心も、やさしい思いも、行いによってはじめて見える。”と続きます。
 
いくら心に思っていても、他人に分かるように表現しなければ思っていないのと同じこと。
 
反対に、自分は優しく思いやりを持って接しているつもりなのに、他人から見た行いが雑に見えたり乱暴に見えたりすれば冷たい人と見られたり思いやりがないとみられてしまう。行いによってよくも悪くも見えてしまう。。。だから、表現ってとっても大事。
 
 
言葉って難しい。介護の場面では、一にも二にも「言葉がけ」と言われるだけに、ほんっとに奥が深いなぁ。
 
先日、立山の里のIさんという職員さんと話をしていて、「一度にコールが鳴ったり、呼ばれたり、色んなことが重なると余裕がなくなって。。。慌てた口調になってしまう。」と。。。
 
わかる、わかるよ~。私もご利用者の一番近いところで長く働いていたから、気持ちわかるわ~。病院勤務だったからなおの事、「看護婦さ~ん!」と呼ばれるそばから「急患です!」「点滴ないよ!」という毎日
 
そして彼に聞かれました。「坂上さんはそんな時、心がけていたことはありますか
 
私も忍者のように分身の術は使えないので、体一つでできることとできないことがあります。
当然優先順位を考えて、対応せざるを得ないことばかり
 
そんな中で唯一これだけは。。。と努力していたことは、後回しせざるを得ない状況の場合は、後になる事をお詫びしてから「遅くなっても後で必ず行きます。」と説明し、どんなに遅くなっても(仮に、点滴など他の職員がフォローしてくれた後でも)後必ず顔をだすように努力していたという話をしました。夜勤で一人の時は、フォローしてもらえないことの方が多いですが、後回しになっても少なくとも「ごめんなさい。」の気持ちは伝えたかったというのもあります。
 
自分は100%できていたなんてことは思っていません。むしろどんなに努力しても100%なんてことは絶対にないからこそ、これだけは努力しようという決め事を一つ作っていたに過ぎないですが。。。彼の質問に対する答えになったかどうかは。。。謎です。。。
 
 
と、いうことで。。。どの職員も、介護の場面ひとつひとつの支援の中で、想いを少しでも伝ようと日々奮闘しています。
 
今日は、立山の里。。。介護福祉士のTさんに髭剃りをしてもらって「益々いい男になったねぇ~」とご満悦なIさん。髭剃りをした後は、表情まで若々しく違って見えます。
  
 
その横で、「私も写真撮って~」とIさん。先ほどのIさんと同学年だそう。ちょっと緊張気味です
 
 
ご利用者Nさんをベッドから優しく声をかけて起こしていた職員のMさん。シャッターを押すタイミングがいまいちで、この後Nさんにっこ~っと笑ってくださったのに取れませんでした。ごめんなさい
 
三寿苑  今日の一コマでした。
 
三寿苑 坂上
 
 
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