記憶が定かではないので、間違いがありましたら訂正の書き込み、お願いいたします。
20年以上前に、萩本欽一氏(欽ちゃん)が、民放各局で20%を超える番組を持っていて、「100%の男」なんて呼ばれていたことは、今や伝説と化していますよね。
特別番組で、各局持ち回りをし、それぞれの番組を合体。
レギュラー全員が多局の番組のコントに挑戦、なんてことも・・・。
今では絶対ありえないことです。本当にすごかった!
番組最後にザーッと流れるテロップ、覚えている方、いらっしゃるでしょうか?
「パジャマ党」「サラダ党」と名前が出て、その中には、遠藤察男氏や君塚良一氏など、今や脚本家として有名になった方が数多く名前を連ねていました。
欽ちゃんが若手放送作家を育てるために結成したグループに所属していた人たちです。
何かの雑誌で、欽ちゃんが「ものより、人に投資する」と言っていたのを覚えています。
今では「仮装大賞」の司会も、将来を想定してか、SMAPの香取慎吾君をパートナーにし、しっかり後進を育てています。
こんな欽ちゃんを思い出しながら、じっくりどっぷり浸かったドラマ。
それが「商道」(全50話)です。
他のコラムでも書きましたが、「大長今」、「ホジュン(許浚)」と同様の、イ・ビョンフンPDの十八番とする史劇。
1800年頃(正確ではないかもしれませんが)を舞台にした、朝鮮に実在した商人の半生を、ライバルとの対決、引き裂かれる愛、親子の情などを交えて、描いています。
主人公のサンオクは、最初、通訳(中国語)を目指し、父とともに中国へ。
しかし、将来延々と敵対することになる、松商の大房(現在で言えば会社の社長のようなもの)の罠にかかり、父は無実の罪で処刑されてしまいます。
父の無念で怒りに燃えるサンオクは、復讐のために、松房のライバル、湾商に弟子入りし、”怨”の念を抱いて生きていくのですが、彼は湾商の大房(サンオクの父の元親友)に「商売とは、財物より人を残すものだ」とさとされます。
様々な困難に出会い、葛藤の末、サンオクは師匠の教えをやがて理解し、実行に移していく・・・という波乱万丈の物語です。
商人が財物を優先しないなんて偽善だ──と正直最初は思っていたのですが、サンオクは本当に最後には、財産も身分も人に分け与えてしまいます。
そしてラストシーン。
サンオクは革命を起こすためにスパイとして湾商に一時潜入していた、元部下ホン・デスの墓をおまいりします。
一時はサンオクを、同志として勧誘し、革命の夢を語った後、儚く散っていった人物です。
サンオクは彼のために投獄され、正直、みている側としては、”大迷惑” (失礼^_^; )な人物でしたが、全ては国への愛のためでした。
わけ隔てなく、人を慈しむサンオクの人柄が出ていて、厳粛で、美しいラストシーン・・・。
「ホジュン」もそうですが、ドラマの幕切れは本当に重要です。
このドラマも、見ていて思わず拍手したくなったのを今でも覚えています。