先日、WOWOWで、珍しくアメリカの連続ドラマを観ました。
本当はあまりの長さ(「24」に比べれば屁でもないけれど…)に及び腰だったのですが、思い切って観て本当に良かった!!
──そう心から思える素晴らしい作品でしたp(*^-^*)q♪
原作はトニー賞やピュリツァー賞に輝き、ロンドンのナショナル・シアターが”20世紀の最も偉大な戯曲10本”のひとつに選んだトニー・クシュナーの同名戯曲。
この傑作に惚れ込んだ名優たち――現代のアメリカを代表する俳優でありTVドラマ初主演となるアル・パチーノ、メリル・ストリープ、エマ・トンプソンなど――が、名匠マイク・ニコルズ監督の演出のもとで一世一代の熱演を披露。
一説によれば全6話(約6時間30分)に、6,500万ドル(約70億円)という、TVのスケールをはるかに上回る制作費を投じたとのこと…。
物語の舞台は1980年代のニューヨーク。
AIDS(後天性免疫不全症候群)に生活を一変させられる同性愛者たちとその家族。彼らが繰り広げる苦悩と葛藤、絶望と希望のドラマが、現実と幻想が交錯する奥行き豊かな劇的空間で展開され、政治・人種・宗教などアメリカ社会が抱えた諸問題までもが照射されるヒューマン・ストーリー。
何が凄いって、まずエミー賞に次ぐTV界の権威、第61回ゴールデン・グローブ賞のミニ・シリーズ/TVムービー部門では、この部門で獲得できる5つの賞を完全制覇。
他にも、DGA賞(アメリカ監督組合賞)、SAG賞(アメリカ俳優組合賞)、ASC賞(アメリカ撮影組合賞)、アメリカ美術監督組合賞、エディ賞(アメリカ編集組合賞)、CGD賞(アメリカ衣装デザイナー組合主催)、CAS賞(アメリカ音響組合主催)といったTV・映画業界の各賞を総ナメにし、放送映画批評家協会賞、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞、TV批評家協会賞などで批評家方面からも絶賛された”お墨付き”なのです。
──なんて、私はこれらの賞の権威がどれほどのものか、実はよくわかりません。
ただ、エミー賞やゴールデングローブ賞は、アカデミー賞に勝るとも劣らない、すっごい栄冠であることは認識しているつもりです。(^_^)。.:*:・'゜☆
そもそもの経緯をざっと説明いたしますと、
「エンジェルス・イン・アメリカ」の原作は、トニー・クシュナーによる2部作の戯曲
「エンジェルス・イン・アメリカ―国家的テーマに関するゲイ・ファンタジア(Angels in America: A Gay Fantasia on National Themes)」。
1989年、サンフランシスコで第1部が上演され、1992年にロサンゼルスで第1部と第2部「ペレストロイカ(Perestroika)」が一挙上演される。
クシュナーによる原作は1993年にピュリツァー賞に輝き、同年ブロードウェイで初めて演じられ、トニー賞で第1部が、翌1994年の同賞で第2部が、それぞれ最優秀演劇作品賞に輝いた。
以降、日本をはじめ、ドイツ、スウェーデン、スイス、ギリシャ、イスラエルなど20か国以上で上演された──。
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ちなみに登場人物の1人であり、TV版でアル・パチーノが演じている大物弁護士、ロイ・コーンは実在の人物です。
第二次世界大戦直後にアメリカで吹き荒れた共産主義弾圧運動、いわゆる赤狩りで黒幕をつとめたのですが、共産主義者だけではなく、同性愛者も攻撃したコーンが、後にAIDSにかかったというのは、なんとも皮肉な事実です。
また今回の映像化は、原作の精神を再現しようとした名優たちの熱演(多くの俳優が複数の役どころを演じる趣向は舞台版と同じ)が見ものですが、随所で使われるVFX(天使の出現シーンなど)、舞台では難しい映像的な表現も新たな見どころとなっています。
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●主なキャスト●
アル・パチーノ…ロイ・コーン(法曹界の黒幕でユダヤ人弁護士。ジョーを司法省へ推薦しようとする。一方で、医者からエイズと宣告され、彼の元に死者が訪れるように…)
エマ・トンプソン…天使(プライヤーの前に突然現れる謎の天使。彼に謎の一言を残す)、エミリー、ブロンクスのホームレス
メリル・ストリープ…ハンナ・ピット(息子(ジョー)からゲイであることを告白され上京することになる。ひょんなことからプライアーと知り合い、世話をすることに)、エセル・ローゼンバーグ、ラビ、他
メアリー・ルイーズ・パーカー…ハーパー・ピット(ジョーの妻で薬物依存症。夫がゲイだと知り、幻覚の世界に入り込む)
ジェフリー・ライト…ベリーズ(病床のプライヤーを慰める元恋人の看護師。現在は、プライヤーと親友関係)、ミスター・ライズ、他
ジャスティン・カーク…プライアー・ウォルター(自分がエイズであることをルイスに告白し見捨てられる。一人残された彼は天使の訪問を受ける。天使には「使命がある」と告げられるが…)
パトリック・ウィルソン…ジョー・ピット(連邦判事の首席書記官。モルモン教徒。自分がゲイであることに動揺する。一方、ルイスから接近され…)
ベン・シェンクマン…ルイス・イロンソン(ジョーと同じ裁判所のワープロ係。恋人プライヤーがエイズだと知り、彼の前から姿を消す。そしてジョーの新しい恋人となる)、他
●●あらすじ●●
●第1章・悪い知らせ●
←ルイス(右)とプライアー(左)
ミレニアムの近づくニューヨーク。ユダヤ人青年ルイスは、ゲイの恋人プライアーにエイズであることを打ち明けられ、動揺する。
一方、連邦判事の書記官ジョーは、法曹界の黒幕ロイ・コーンから司法省入りを持ちかけられるが、ジョーの妻ハーパーは薬物依存症で、幻覚の世界に入り浸っており、ジョーにとっては”お荷物”。そんな中、ロイは主治医からエイズであることを告げられて…。
●第2章・試験管の中で●
←ハーパーとジョー
入院したプライアーを見捨てたルイスは、職場でジョーと親しくなっていく。夫がゲイだと知ったハーパーは、愛のない夫との生活に耐え切れず、幻覚の世界へ逃げ込む日々…。
病床のプライアーを慰めるのは元恋人の看護師ベリーズと、天空から聞こえてくる謎の声だった。モルモン教徒のジョーは心の葛藤に疲れ果て、とうとう母親ハンナに、自分がゲイであることを告白するが…。
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序盤でまず感じるのは、
『カトリックか?モルモン教か?』
『ゲイなのか?ノーマルなのか?』
『民主党か?共和党か?』
『白人か?有色人種か?』
『ユダヤか?そうではないか?』etc.
様々なしがらみ、秘密、罪悪感、それらに対する葛藤の中で彼らは生きているということです。
ジョーが薬物中毒の妻のこと、そして自分が同性愛者だという現実に、あれほど悩むのは”モルモン教徒”だから…。
そして【確実に訪れる死】を目の当たりにしたとき、自分は、愛するものたちは何を選択するのか──?
あまりに複雑に絡み合った人物相関図(しかも一人の役者が何役もこなしてるし)、そして現代アメリカの”病”とも言える社会問題をえぐるドラマですが、1話を観終わるのはアッという間!
登場人物に感情移入しやすく、みんな魅力的!演出も素晴らしいです
しかもオモシロさは、終盤に向かってどんどん増していきます!
では、続きの”3話以降”は記事の「後編」へ──
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そんなに賞を受賞していたのか!びっくり。
うう、できるだけ早いうちに見ます!
え?それは何だ?
全然チェックしてません。スルーの記憶すらありません!!
(後で番組表見直そう)
これは思ったよりすらすら観れますよ。
とてもいいドラマでした!