《この記事は2006年に投稿したものを再投稿したものです》
これまでいろんな韓国ドラマを観てきましたが、ある作品を境に
『甘ったるいラブストーリー』(別名“お子ちゃまドラマ”)をあまり受け付けられ
なくなってしまいました。ラブコメやホームドラマは大好きですよ~(o^^o)♪
「砂時計/モレシゲ」----。
視聴率64.5%を獲得し、韓国ドラマ歴代視聴率第3位を記録した名作です。
主演はチェ・ミンス、コ・ヒョンジョン、パク・サンウォン、イ・ジョンジェ。
←ヒロイン、へリン役のコ・ヒョンジョン
BGMはひたすら陰鬱で、韓国における軍事独裁政権時代を背景に描いていて、
何も知らずに見るのははっきり言って無謀なドラマです。
1980年の光州事件(死者2000人以上とも言われる政府による民主化弾圧の
市民無差別殺戮事件)も、当時の映像を交えて生々しく表現し、生きることの
切実さを強烈に描いています。
愛も恋も、ドラマの中の民主化闘争、政治的圧力や道理の通らない数々の陰謀
の前には塵に等しく、自由に生きられない焦燥感があふれ、切ないを通り越して、
苦しいばかり──。
もちろん主人公達の
ほのかに輝く青春時代、胸に秘めた愛、友情
も、丁寧かつ繊細に描かれています。
ただ、ここにこのドラマについて書くこと、これらについて日本人の私があれこれ
語ることは大変おこがましい気がしてなりません。
「お前に何がわかる!」といわれてもしかたがないかも──。
私としてはただ、このドラマを見ることが出来たことに感謝するのみです。
主人公たちの演技はまさに非の打ち所がなく、演出も無駄な会話、音楽、
エピソードがそぎ落とされていて、感動というより衝撃でした。
このドラマ、当時の韓国では放映される日にお店の客足が途絶え、閑古鳥が
鳴くとまで言われ、別名「帰宅時計」と呼ばれていたそうです。
韓国の俳優さんたちも、憧れの俳優、ドラマを語るときに必ずこの「砂時計」を
例にあげ、物まねやバラエティ番組などで熱く語る場面をよく目にしました。
「俺、震えてるか?」というチェ・ミンスの有名なセリフ──。
キム・ソンス(「愛してると言ってくれ」でキム・レウォンと共演)も「夜心萬萬」で
チェ・ミンスになりきり熱演。
「私の名前はキム・サムスン」でも同じ台詞がありました。
シットコムでも何度このドラマのパロディを見たことか・・・。
以来、私の中で
「甘い」ドラマは急に色あせ、味気ないもの
になってしまったのです…。
そういう意味ではちょっと罪作りなドラマ。
しつこいようですが「甘い」=“ラブコメ”という意味ではないです、念のため。
その後もやや辛口にはなりましたが、楽しい、ひたすらハッピーなドラマにも
たくさん出会いました。
要するに『書割に張りぼて&額縁に描かれた花』では見る気がしない、
という意味で・・・。(すみません、生意気言ってm(__)m)
OSTも実は買おうかどうかすっごく迷ったんですよ。
でも頭にこびりつきそうでやめました…(^_^;)
このドラマを観て以来、私の中でのチェ・ミンスは未だにオーラを放ちまくり。
そういう意味でも(?)やっぱり『砂時計』は良くも悪くも罪つくりなドラマなのです。