私が見た現代ものの韓ドラの中で、もっとも美しいと思ったオープニングはこの
「火の鳥」です。映像が情熱的で、音楽も荘厳で、羽ばたく火の鳥のCGがなんとも華麗・・・(褒めすぎ?)
かの「冬のソナタ」もあのモノクロのしんしんとした映像は美しいですよね。う~ん、考えたら甲乙付けがたいけれど・・・“情熱の赤”が主体の「火の鳥」が鼻差で勝ち!
このドラマ、それこそ数多くの方がご覧になってそれぞれの立場で語っているでしょうから、今回もストーリーはごくごく簡単に・・・。
お金持ちのわがまま娘(故イ・ウンジュ)と貧しい青年(イ・ソジン)が恋に落ち結婚するのですが、環境の差を克服できず、離婚の後、状況が逆転するという内容。
イ・ウンジュは派遣ヘルパーとなり家族を養い、成功した前夫と再会。財閥2世(エリック扮す)とも同時に出会い、二人の間で揺れ動く──という、今となってはそれほど突飛な内容ではありません。(現実なら十分突飛だけれど^_^;)
私が見たのはたぶん一年ほど前なので韓ドラに関してのイメージはまだ貧困でした。なので、ヒロインが計画的に妊娠し、結婚する、という展開がまず驚き。その後はあまりの貧富の差の現実的ギャップに更に驚いてしまいました。
イ・ソジン、そんなわがまま娘に振り回されてどうする!と心の中で叱咤しながら、それでも彼女を諦めきれず、プライドで何もかも崩れていく様が痛ましかった・・・。
「私はもう、あなたを忘れようとも忘れまいともしないわ。ただ、恋しいときには恋しいままに、心悲しいときには心悲しいままに、そうして生きて、死んでいくのよ」
10年後、すっかり成熟した大人になって再会したヒロインがイ・ソジンに向かって言うセリフです。
とにかく毎回「次が見たい」と思わせる終わり方で、じれったいったらありゃしない展開の連続。出てくる会話も「うわ!キザ~!」と思いながらもなんとも素敵で、おもわず「メモメモ!」と思ったほどです。
エリックも一途な好青年が一転、彼女を愛するあまり半分壊れてしまい、ずいぶん心配しましたが、なんといってもこのドラマの“インパクト最強女”はチョン・ヘヨン(その後私は彼女を“貞子”と呼ぶことに・・・)
ヒロインのかつての友達でイ・ソジンを愛する女ミラン役です。すさまじい復讐、執着&攻撃はこれでもか、これでもか、とすごかった!
終盤で、イ・ソジンのいる倉庫に火を放つなんぞほんの序の口で、自ら水槽を粉々にして、そのかけらの上を血まみれで歩いてくるミラン・・・。
「私の心の痛さに比べればこんな痛みなんでもないわ。ずたずたに引き裂かれた私の心をとっくりと眺めてみろといってるのよ!」
セリフも行動も怖すぎです・・・。この時点で、憎いなんて生易しい感情はとっくに通り越していました。
「私があなたを愛したことは罪じゃない。あなたが私を愛さなかったことも過ちではないのでしょう?あなたにはごめんなさいという言葉を言わないことにしたわ。愛という罪名は存在しないじゃない…」
終盤でイ・ソジンに言ったミランのセリフ。そりゃあ確かに愛したことは罪ではないけれど・・・問題はお前のやった悪行の数々だろ!と私は何度ひとりで毒ついてしまったことか・・・(苦笑)。
とにかく番組の最後、火の鳥が羽ばたいて「オトケサ~ラハ~ヌンジィ~(パリラ・リラ・リラ)」とテーマソングが聴こえてくる度に「うぁ~、次はどーなるんだぁ~」と引きこまれてしまい、まんまと「火の鳥」の“迫力”の虜になってしまった私なのでした。
ちなみにこのドラマ、オープニングの曲がステキと紹介しましたが、サントラも素晴らしいです。イ・スンチョルの『因縁』、ナムの『その日以後』、ジョウンの『私の涙の中に』など、どれも名曲揃い。
これ以後はイ・ソジンマジックで、彼を見ただけでドキッとしてしまう症状に襲われたのは、たぶん私だけではないはずです──m(__)m