こがら通信

書き残したいこと

寸 感

2021-03-31 19:45:27 | 読書
  私は中学 2 年のとき日本国新憲法が発布されるという世代に属している。
  その第 9 条を私の一切のよりどころとして来て、「平和のみが全てを救う」 という信念は変わらないつもりである。
  半月ほど前、あるブログ友のお蔭で米原万里女史の 『打ちのめされるようなすごい本』 を知り、アマゾンから取り寄せ読んで、

 一九七九年の一二月二四日から二七日朝までのわずか四日間でカプールを陥落させ、アフガン全土を制圧したと宣言したソ連軍は、その後一〇年間にわたって悪魔のように勇猛果敢なゲリラに苦しめられ撤退を余儀なくされた。ソ連経済の破綻と連邦そのものの瓦解を早めたとさえ言われる。

  という言葉に出会い 「ああ」 と思った。ここに戦争というものの本質が端的に語られていて、特に 「ソ連経済の破綻と連邦そのものの瓦解を早めた」 というくだりに強い感銘を受けた。あのソ連邦が消失したのは、こんなところにあったのかと、納得した次第である。


老いのくりごと

2021-03-28 05:15:48 | 随想

  日々思うことは多々なれど、こころ定まらぬまま時のみが過ぎて行く。
  どうしたのだ、物書きになろうとここまで来たのではなかったか。
  私の人生とは所詮こんなものだったのか。
 
  どうやら私にも寿命が来て、お迎えもそう遠くはないらしい。気持ちだけは若いつもりで、病気など縁がないとうそぶきながら、気がついたらいろんな病気になっていた。そのつど何とか快くなり、必要以上に不安になったことがないのが救いかも知れない。

   時に子供のころの過ちがよみがえり、とても恥ずかしくなることがある。   

  一方で、私もいじめにあったし、ひどい仕打ちに傷ついたこともある。しかし、それが不思議に憎しみとなって残ることがなく、耐えられるのである。
  思えば人を憎むということは、かなり疲れる。そして私が傷つくだけである。それなら赦すか、忘れた方がずっといいという境地に辿りついた。
  人はみなこうだとは思っていないが、私と大同小異の人もいるに違いない。
  せめて国と国が憎しみ合うということがなくなったら、軍備などという無駄で非効率的なものも無用となり、みんなが心安らかに豊かに暮らして行けるのではないかなあと単純に思ったりしている。