それは突然にやってきました。
夕飯の用意を始めたら、電話が鳴りました。
たまたま、主人が休みだったので、取ってくれました。
やり取りがちょっと変!
主人に呼ばれ変わってみると、チエコさんからの電話。
でも、とっても辛そうで、今までに一度も聞いたことのない声。
すぐに行くからと片付けもそこそこに、主人に駅まで送ってもらった。
車の中で実家に電話をかけるが、誰も出ない!
歩いて10分のところにケイコさんとツトム君がいるので、そこへ電話を入れて、
実家の様子を見に行ってもらうことに。
ケイコさんは、法事で田舎に行って留守だったけど、ツトム君が行くと言ってくれたので、
少し安心して地下鉄へ。
ところが電車が発車したころからツトム君から何度も電話が・・・
取ってみるけど、途中何度も電波が切断されて通話できない。
降りて次の電車を待つまでに一駅でも先に行きたいので、乗り換えの駅まで我慢!
ところが、乗り換えの駅に着いた途端、主人からツトム君が救急車を呼んでくれたが、
すでに心肺停止で、チエコさんがかかっている病院へ搬送されたと・・・
えっ?心肺停止?
あわてて行き先を病院へ!
病院へ行くタクシーの中でトシオ先生に連絡。
でも、捕まらない。
病院の事務の方が連絡を続けてくれると言ってくれたのでお願いした。
チエコさんの病院に着いたら、コウゾウさんとツトム君がいた。
ツトム君にお礼を言って、状態を聞いたが処置中ということで会わせてもらえなかった。
30分、1時間が過ぎたころ、先生が出てきて、処置を施しても自力で呼吸が停止してかなりたつのでこれ以上の方法がないと言われた。
主人もまだ、トシオ先生もまだ・・・
コウゾウさんとツトム君と私の三人で確認をした。
2月23日 午後9時03分 死亡確認
10分ほどして主人が、そして、5分ほどして、トシオ先生が来た。
チエコさんはトシオ先生をきっと待っていただろうに。
残念!残念!
死亡原因が不明ということでそのあとは、ドタバタと、ことが運んだ。
後日、当日のチエコさんの状態をご近所の方が教えてくれた。
私に電話をかけてくる直前までいつもの状態で何の変化もなかったよう。
コウゾウさんも少し辛いぐらいかと思い夕飯に呼ばれるまで、2階にいたとのこと。
ただ、その日のお昼、ご近所で井戸端会議中に背中が痛いと。
その話を聞いたトシオ先生が死亡原因を推測してくれた。
「動脈解離の疑い」から「動脈破裂の疑い」
動脈解離に至った原因は高血圧によるもの。
このトシオ先生の推測で誰も間に合わなかったチエコさんの死因が判明した。
このことは、チエコさんにとっては何よりの贈り物。
間に合わなかったトシオ先生は最後の最後に 「チエコさん孝行」 をした。
良かったね。チエコさん。
合掌